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ヤバいですか?

「いらっしゃいませー、何名様ですか?」

カイゼリアンの店員がにこやかに出迎えた。

「4人です」最初にお店に入った佳奈がそう答える。来海たちも後から続いて店内へと進む。

「こちらへどうぞ」店員に促され、窓側のテーブル席についた。

深夜という事もあり、お客さんはまばらな感じだった、カップルが一組、男性の一人客、男女3人組のグループ。と、いった具合だ。

佳奈はドリンクバーを注文すると、そそくさとトイレに立った。もともと一番の目的がそれだったのだ。

君香とメグミは少しお腹がすいたと言って、ドリアやらパスタを注文した。

「かしこまりました」そう言って店員が下がると、メグミはセルフサービスのお水を取りに行った。


来海はホッと一息ついて何気なく窓の外に目をやる。空には綺麗な三日月が輝いていた。


「カァー」どこからかカラスの鳴き声が聞こえた、こんな深夜でも鳴くんだなぁと、来海はボーッとそう思った。

ガシャン!グラスの割れる音で来海はハッとした。

見るとメグミがセルフサービスで注いだ水のグラスを床に落としていた。

そしてそのメグミの目は恐ろしい物を見るように店の入口を睨んでいた。


男が4人、そして女が2人、店の扉を開けてぞろぞろと入ってきた。

「いらっしゃいませー、何名様ですか?」

店員が彼らを出迎えた。途端、ガシャン!入口のガラスを突き破って自転車が飛んでくるとその店員にぐるぐると巻きついた!硬いはずの自転車は柔らかいゴムのように振る舞い、あっという間に店員を絞めつけて命を奪った。


「きゃー!」店内に女性客の悲鳴が響き渡る。

来海はバッと立ち上がり、震える君香をテーブルの下へと押し込んだ。「じっとしてて!」

そして、口の前で指を丸く形作るとそこに何か喋りかけた。来海の言葉はその丸い形の中にするりと入っていき玉になった。まるで空気の丸い玉に言葉を封じ込めた感じだ。

来海はサッと振りかぶってその玉をトイレの方に投げつけた。

言葉を閉じ込めた玉はスーっと女子トイレの中に進んでゆくと佳奈の目の前まで行ってパチンと弾けた。すると中から閉じ込められていた来海の言葉が飛び出した。「トイレの中から出ないで!」


男と女の6人組はゆっくりと周りを見回しながら店内へと進む。

メグミが指を1つ2つと振り上げると、ドリンクバーの奥にある厨房から炎がボゥっと舞い上がった。

そして調理場から這うようにしてメグミの足元まで来るとその炎はメグミ(かのじょ)の身体にまとわりついた。

それを見て、目の黒い男が2人メグミの方へゆっくりと近づいて行く。


来海が指を立て呪文を唱えた。すると男たちの周りの空気がもやもやとして、酸素濃度がだんだん薄くなっていく。例の気絶させる作戦である。

男たちの後ろにいた女の1人が異変を感じて、大きく手を振り回し何かをつぶやく、すると、彼らの周りの”場”が薄紫色に変わった。

その薄紫のせいで来海の放った空気を薄くする術が打ち消されていく。


「潤兄さん!」メグミがその様子を見て声をあげた!

「”ぎょ”だ!整の力を打ち消す結界を、張ってる!」来海がそう言った。


メグミの前に男が1人飛び出してきた!そして「うぉぉぉぉ!」と叫ぶと口から大量の黒いシミを吐き出した!

黒いシミはドリンクバーの横に備え付けられているカトラリーボックスに染み込むと、中に入っているナイフやフォークをガタガタと揺らした。そして何十本ものナイフ、フォークが一気に飛び出してきた!

「メグミ!」来海が叫ぶ!

大量のナイフフォークはまっすぐメグミに向かってきた。

慌てて後ろへ飛ぶメグミ。

来海が咄嗟に呪文を唱え、メグミのそばに積み上げられているお皿を数十枚飛ばして、ナイフとフォークにぶち当てた。カンカカカン!

何本かのナイフフォークはそれで撃ち落とせたが、数本がくぐり抜けてメグミの肩や足に突き刺さった!

「痛っ!」メグミが苦悶の声をあげる!

「メグミ!」来海がメグミの元へと走る!


実は、来海とメグミには躊躇があった。

男が飛び出して来た時にメグミは炎攻撃を食らわせることも出来たのだが、、

相手は操られているだけで、ただの一般人なのだ。

炎攻撃では確実に命を奪ってしまう、それで躊躇してしまった。


客として店内にいたカップルの男女が隙を見て、外に逃げ出そうとした!

6人組の別の男が呪文を唱えると、口から黒いシミが飛び出し店の入口のガラスに染み込んだ、その瞬間、ガラスはパラパラと細かくなり、その一つ一つが先の尖った手裏剣のような形に変化した。

入口付近まで走って行ったカップルに、そのたくさんの手裏剣が飛んでいって、身体を貫いた。

「くそっう!」メグミのそばに行くのに気を取られて、カップルを救えなかった来海が唸った。


メグミの右肩にはナイフ、そして左足のふくらはぎにはフォークが刺さり、じわっと血が滲んできた。

「くっ、、やるしかないのか」来海はこの現状を見てそうつぶやいた。

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