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お尻ぺんぺんを受けるのは(同棲百合。恋人と姪っ子と。※今回片割れ出番無し)
「……ねえ櫻子ちゃん」
「ん?」
朝食の時間。小牧が神妙な顔で言った。
「お化けが襲ってきたら、どうする?」
小学生って真剣に不思議なことを言うよな、と思いつつ。
「お守りで殴り倒す」
簡潔に答えた。
多分、お守り持ってたら素手でもどうにかなるだろ。知らんけど。
西洋のお化けは、あれだ。多分十字架持ってりゃどうにかなる。これまた知らんけど。
「だから、何も寄って来ない。安心しな」
「良かった!」
小牧が、安心した顔でトーストにかぶりついた。
よく食えよく食え。たんと食って、でかくなれ。
「じゃあ、美雨ちゃんが身代わりになりそうになっても助けてくれる?」
「ん? どういうことだ?」
小牧曰く、昨夜、先ほどの問いを美雨に投げかけたところ『口で言いくるめてお帰り頂く。無理なら、自分が小牧の身代わりになる』と返って来たそうで。
「……へえ、そいつぁ悪い子だ。お尻ぺんぺんの刑に処さないとな」
「そしたら、もうお化けは絶対来ないね」
嬉しそうに小牧が笑った。
……まあ、お尻ぺんぺんの刑を受けるのは、自己犠牲をさらっと提案する、今はまだ夢の中に居るだろう間抜けの方なんだが。
私は口角をご機嫌に上げながら、姪っ子の頬に付いたパン屑をそっと拭った。
今日の夜が、楽しみだ。
END.




