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美しい海、不穏な君(百合? ロマンシス? 女子高生たち)

 ざん……ざざー……ん……

 潮騒が響く砂浜。私は、親友と二人、手を繋いでそこに立っていた。

 気怠い午後の、青い海。西に傾きかけた太陽の光さえ、何処か気怠い。

 波間が、きらきらと穏やかに輝いている。

 制服のスカートが、ばたばたと風に靡いた。

 ちら、と。

 隣を見てみる。

「……………」

 ぼうっと水平線の彼方を見つめる彼女は、泣いていた。

 彼女の向こう側に見える、青と白の波打ち際、緑の山際。ほんの少し夕暮れ色が混じり始めた陽光。それらすべてが調和して。

 それはそれは、美しい横顔に見えた。

 息を、呑む。

 何故彼女が泣いているか、私は詳しくは知らない。

 何が悲しくて、辛いのか。

 わからず、ただ単に彼女に此処へ連れられて来ただけ。

 それでも、思った。

 こめかみが痛くなるくらい、強く願った。

(──何処にも行かないで)

 そんな遠い目をして、彼方を見ないで。此処に居て。此方を見て。

 私は、繋いだ手を更にぎゅっと強く握り締めた。


 END.

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