100/136
美しい海、不穏な君(百合? ロマンシス? 女子高生たち)
ざん……ざざー……ん……
潮騒が響く砂浜。私は、親友と二人、手を繋いでそこに立っていた。
気怠い午後の、青い海。西に傾きかけた太陽の光さえ、何処か気怠い。
波間が、きらきらと穏やかに輝いている。
制服のスカートが、ばたばたと風に靡いた。
ちら、と。
隣を見てみる。
「……………」
ぼうっと水平線の彼方を見つめる彼女は、泣いていた。
彼女の向こう側に見える、青と白の波打ち際、緑の山際。ほんの少し夕暮れ色が混じり始めた陽光。それらすべてが調和して。
それはそれは、美しい横顔に見えた。
息を、呑む。
何故彼女が泣いているか、私は詳しくは知らない。
何が悲しくて、辛いのか。
わからず、ただ単に彼女に此処へ連れられて来ただけ。
それでも、思った。
こめかみが痛くなるくらい、強く願った。
(──何処にも行かないで)
そんな遠い目をして、彼方を見ないで。此処に居て。此方を見て。
私は、繋いだ手を更にぎゅっと強く握り締めた。
END.




