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第六天魔王、異世界に降臨す  作者: ネツアッハ=ソフ
決戦、第六天魔王
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明智光秀

 敵を前に、信長は嗤っていた。視界を埋め尽くす敵の大軍勢を相手に信長は大笑していた。そんな信長に勢いよく接近(せっきん)する敵が一人。その敵に、信長は見覚えがあった。


 いや、見覚えがあるどころの話ではない。彼は・・・奴は・・・


「信長ああああああああああああっ!!!!!!」


「ふはっ、よくぞ来た。光秀(みつひで)えっ!!!」


 明智光秀(あけちみつひで)。彼の振るった刃を信長は自らの刃で防ぐ。刀と刀が火花を散らして鍔迫り合う。


 そう、本能寺にて信長に謀反(むほん)を起こし、反逆した明智光秀である。何故、彼がこの世界に居るのかは全く解らないがこれだけは解る。光秀はまたしても、信長を討つ為に刃を向けたのである。


 信長は嗤う。魂が昂揚(こうよう)してくる感覚を覚える。


「またしてもわしに刃を向けるかっ、光秀えっ!!!!!!」


「織田信長、お前だけは・・・貴様だけはああっ!!!!!!」


 血を吐くような憤怒(ふんぬ)の絶叫が、戦場に響き渡る。それは、明智光秀の魂からの叫びだ。


 光秀は憤怒に任せて刃を振るう。しかし、それを信長は嗤いながら受け止める。


 信長は嗤い、光秀は憤怒の形相で刃を交える。剣技の腕は互角。しかし信長には異能がある。一見光秀の方が不利に見えるだろう。しかし、それでも信長と光秀は拮抗(きっこう)している。


 信長には魔物を産み、従える異能がある。しかし、光秀は三十万の魔物を従えている。


 光秀には将としての才能がある。数多の魔物の軍勢を率いる事で、信長の産み出す強力な魔物達を次から次へと蹴散らしていく。一方、信長の方は光秀との戦いに集中しており、存分に指揮(しき)を飛ばす事が出来ないでいるのだ。これではいくら魔物が強力でも意味がない。


 そして、魔王アロウとの戦いで見せた魔物との同化もこの場合下策(げさく)だ。もし、この場で自身の軍勢を自分自身の強化に回せば、三十万の魔物達が一斉になだれ込んでくるだろう。


 更に言えば、此処で新たな魔物を産み出そうとすれば。その隙を突いて信長は斬られるだろう。


 つまり、半ば()みの状態である。


「・・・・・・・・・・・・ふはっ」


「?」


 ・・・しかし。しかし、だ。


「っ、くく・・・ふはははははははははははははははははははっ!!!!!!」


「っ!!?」


 信長は盛大に哄笑(こうしょう)を上げた。それは、決して敗北を悟ったからではない。心底から愉しいからこそ織田信長は嗤うのである。魂が昂揚するからこそ、嗤うのだ。


 この状況を、信長は未だ不利とは考えていない。それだけの事だ。


 ・・・故に、信長は本気を出した。今まで(おさ)えていたそれを、ついに解放する。


 瞬間、その場に赤が()った。

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