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第一話『中二病からは逃げられない』

書いてみて思ったこと

恐ろしいくらいにくだらないよ…


――黒歴史


それは思い出せばたちまち『うわああああ!』と叫んで壁に頭をぶつけ続けたくなる過去の羞恥心あふれるお話、話せばたちまち社会的に死ぬだろう。

度を越えた中二病を紹介すれば『逃げろっ…!俺の右腕の封印が解かれる前に!』

とかいっちゃうくらいのものだ。


そんな中二病に、この俺『小西田こにしだ晴香はるか』はかかったことがある。

オカルト方面の上に、室内でしかやらなかったために認知度は幼馴染程度なのがまだ救いだろう。


そんな黒歴史中二病というものだが、俺の目の前にある押入れに存在し、そんな押入れのふすまの前に俺は佇んでいる。

黒歴史の解放とともに焼却のためだ。

焼く準備は整った、焼く理由は確認されると社会的にバッドエンドを迎えるからだ。

ならば燃やしてしまったほうがいい、庭があるからこそやれる芸当だ。


そして、解放と焼却、この二つの理由は、自分が一目ぼれした『神宮寺じんぐうじ芹菜せりな』に、ストーカーがごとく一緒の高校に入り、同等になるためにテスト順位を10位以内にするという快挙を成し遂げ、その後10月となり生徒会にはいったことから話さなければならない。

初めてしゃべったわけだ、神宮司さんと、…草食系すぎ?見ただけでドキドキしちゃ悪いかね?


人間にとっては小さな一歩かもしれないが、私にとっては大いなる一歩なのだ


そう、最終的な結論は結婚とかいう正直短絡的なことこの上ないうえに望み薄いと言われれば反論はできなくらいのヘタレ具合だが、まずはスタートをきれたのだ。

スタートの場所へと入ったのが高校、始まりの合図が生徒会、そして俺は一歩を踏み出した。

そう、踏み出すことはきっかけになる、つまりゴールを切れる可能性すらある、数々の妨害があるだろうか、何があろうとも走り続けることをここに俺は誓う


だから最初は家に呼べるぐらいの関係になりたい、そのための障害はこれだ。


封印されたオカルトグッズたち


間違えてふすまを開けてしまう→どんびき


この方程式が確立しすぎている。

こうなったら死ぬ、自分で穴掘って生き埋めになる。

故にやってやる、燃やしてやる。

ふすまへと手をかける、そんなときにふと頭によぎったのは剣のこと

切れ味も高いうえに装飾もきれい…だというのにガラクタだといわれたあの剣

魔剣だのとなんだのと言っていたものの、そんなはずはないわけで、…あの剣は燃やせないな。

そうだ、燃やせない、だとしたらどうしよう、おいておく?大丈夫だろう、どこか外国で見つけた西洋剣のレプリカだといえばある程度は通せる、と…思う。


だからあの剣は残しておこう、だけどその他、てめーらはダメだ。

そんなことを思ってふすまに手をかける、ぶっちゃけて言ってしまえば開けたくない、叫びたくなる羞恥心の過去が帰ってきて死にたくなってくる。

だが一歩歩いたのだ、ここで止まる?そんなことできるはずがない。


「さぁいくぞ…!」


心臓がバクバクとうるさい、だが納まることはない。


「いくぞォォォォーッ!」


無意味な叫び、一気に開ける、ゆっくりだとためらう時間を与えてしまう、ただでさえヘタレというのに、それだと止めてしまうかもしれない。

パシィンッという高い音、ふすまとふすまの枠組みの木があたった音だろう。

反動である程度返っているが、そんなものはどうでもいい






ピシャリ






銀色と肌色のなにかが見えた気がした。


――気がしただ、気のせいに決まっている、ふすまの前で現実逃避をする。

肌色の人間のかたちをした何か――マ、マネキンだよな!

そう思い込んでみる、ついでにマネキンを愛でるような特殊性癖はない。


マネキンだとしても黒歴史がでてきたほうが良かった気がする


「…」


吸ってー吐いてー


「さぁ黒歴史よ、我が目前に現れよ!」


やけくそ、ヤケクソである。

中二病じゃねぇか、というつっこみは反応しない、絶対に。

パシャァンッとあければ、銀髪、肌色。

すぅすぅという規則的な寝息もついて、もう余りあるくらいだ


神様は俺が大嫌いらしい


考えろ、考えろ俺、可能性を

おかしくない可能性を、このがいるおかしくない理由を


その1、ホームレスが迷い込んできた。

みてみる、スッポンポンな全裸な意味がわからない、服はどこかにかくした?屋根裏とか?

押入れとか使うことになったらここに隠れるつもりだった?だったらおかしい

寝るのが何故押し入れ内なのか、意味が分からないよ、そもそも全裸でいる必要がわからない、すでに11月だ、湿気がたまるであろう押入れでさえ乾燥しはじめるだろうし、全裸は寒い→全裸でいる必要はない、…これだと問題自体がおかしいということになるだろう。

別の場所に隠したとしても見つかる可能性が高いし、おそらくこの可能性はない。


その2、隠し子だ。

馬鹿ップル時代を彷彿とさせるラブラブ夫婦について言っておこう、公務員な父は、おわったらまっすぐ帰っているといえるレベルの速さで帰っている。

同僚の飲み会のときは事前に話をして、その紹介でさえもしている。

そもそも飲み会としても大体は断るし、ほぼ数か月に1度の頻度、不倫ができるわけでもなし、母はどこかに遊びに行くこと自体もない、大体帰るといるし、不倫できるといったものもない。

――だとすると、これもない。


その3、泥棒が入って寝ちゃった

OK、全裸でいる意味がないからすっ飛ばそう。


――さて、ネタが尽きた。

迷い込んだか、不法侵入か隠し子か

結局裸で押入れで寝る意味などどんな可能性であってもないだろう。


「ン…んぁぅっにゅぅっ…」


寝言、といっても起きそうな感じだ。

まぁいくら考えても始まらなそうだから本人に直接きこう。

そう考えて気づいた、今現在、悲鳴をあげられたらどっちがわるい?


『キャァー』

『警察だー!む、全裸の少女、貴様なにをしたぁ』

『ご、誤解です、この子が勝手に寝てたんです!』

『そんなことがあるかアホが、監禁の容疑でご同行願う!』

『い、いやだー!』

- BAD END -


――いやだ、それは嫌だ。

とりあえず折りたたんであるYシャツを取り出す。

裸にYシャツ、これは俺の趣味…じゃないっ、ぶかぶかだろうから全体的に隠せると思ったんだ、上着を着せろよ?ごめんなにいってるのかわからないな。

そもそも上着は玄関にあるんだよね、かけてある、取りに行ってたらいなくなってましたじゃすまされない。

眠そうにボォッとしながら起きて、こちらをボーッとみている少女へと近づく。


「あ、あの」


「あぁぁぁあああーっ!」


言葉を言おうとして、ドギマギしながら聞いてみようとしたら、叫ばれる、ビビッた、果てしなくビビッた。

至近距離での絶叫に近い言葉、耳に劈くような痛みが走り、思わずのけぞった。

キーンッとなり続ける耳鳴りを抑えながら少女をみる。

不詳男晴香、過去幼馴染の女の子に『女っぽい名前ー』といじられて泣いた過去がある…あれ、ごめんまったく男らしくない。

…だ、だが引いてはいけない


「どうしてここにいるのかな?」


ニッコリと笑顔で、音もなく滑るがごとく、不審者検定があったら段位をとれているであろうレベルで近づく。

だが対する少女は不審者をみる眼ではなく、ブスッとした不満ある顔。


「…買っといてなんなの?」


…俺はいつ人身売買に手をだしたのだろうか、犯罪じゃないか、人生終わるじゃないか。

身に覚えがない、ならば考えろ可能性を


『二重人格説』

『だ、誰かが俺を嵌めようとしているんだっ!』


…中二病の深みにはまっている気がしてならない。


「っていうか、あんたねぇ、魔力がない魔剣だからって倉庫に閉じ込めるってのはどうなのよ!?あんたのいっしょに置いたアイテムから存在の力を吸い取ってやっとまともな力を持てるようになったけどね、こんな扱いは最悪よ!」


――なにをいっているのかわからないが、話を並べてみよう。

魔力のない魔剣→剣→つまり俺が勝った剣

いっしょに置いたアイテム→オカルトグッズ→無い理由はこの子が『存在の力(?)』を吸い取ったから。

やっとまともな力→元の姿はあの剣だった。→真実の姿はこの姿なのだぁっ『銀髪少女』へと変貌。


な…なんだと!?

このは中二病患者だったのか


存在の力なんていかにも中二病臭い、この少女が中二病?まったくよろしくない。

中二病は皆が平等に種をもつのだ、中二病の知り合いという水を得れば発芽してしまう、やっと枯れたというのに復活してしまう。

このをどうにかせねば。


「もう黒(歴史)は捨てた」


おそらく俺を同類とみたためにこの娘はきたんだ、ならば同類じゃないことを教えなければならない。


「(黒…?黒=悪みたいに思われている節があるわね、あんな邪悪な笑みを浮かべて、私の本当の姿を見破ったというのに、聞いていれば、この人は黒に染まったことがあるというのに、足など洗えるわけがない。)」


「俺は、白くなる、真っ白に。」


「…ふざけないで、なれるわけがないわ(私を手にした人たちはみんな、真っ黒になった、この人は私を見破っている、力がわかっていることだ、何故そんなことが言えるの?私を手にした瞬間に、色々な人に狙われる運命になることは、力を理解した時点でわかっているはずだわ。悪の魔剣、なんて言われているもの…そもそも、黒に染まったことがあるのに、平和な暮らしができるとは到底思えない。)」


「…諦めんなよ。」


「…え?」


「諦めたそこで何もかも終わっちまうんだよ!動かなきゃ何も変わらない、誰かがやってくれるとか思っているようならお前はそこでおしまいなんだ!動けよ!歩けよ!お前には足がある、腕がある、どんなにつらい状況でもあがけることがある、俺だって真っ白になれるなんて自身はない(幼馴染に知られているしな…)だけどな、そこで足を止めちまったら何も変わらない!…それでもお前が無理だっていうなら、俺がお前の手を引いてやる!だから…あきらめるなよ。」


「どうして…(どうして、そこまで私を助けようとするの、手にした時点で巻き込まれることは明白だ、でも捨てればいいのに、捨てればまだ真っ白になる可能性はあるというのに、さらに険しいいばらの道をいこうとするの!?)認められないかもしれないのよ!?」


「認められない、ンなもん知るかよ!」


俺だって、好きな女性のために頑張るんだ、無理だなんて言わせてたまるか!


「認めてもらうんじゃねぇ、認めさせるんだ、そして達成するんだ!俺の最後の願いを!」


神宮寺さァァん!


「最後の、願い(…真っ白になりたい、そんな願い…)」


気分がハイになっているようだ、俺にだって意地がある、素っ裸な少女への説教なんて恐ろしくシュールな絵だが、そんなことは今は関係ない

叫び続けていれば、いつのまにか、少女はグスグスと泣き始める。


「みんな、みんな私が悪いっていうのよ。みんな…私が、危険だって。」


…それでわかった、中二病から足を洗いたいんだこの子は、でもみんなに知られてしまった。

みんな気持ち悪い目で見てくるんだ、それで。

俺はまだいいほうかもしれない、知っているのは幼馴染だけなんだから、だけどこの子は違う。

一人で、真っ白になるには、つらい。

――だったら


「俺は思わない、お前が悪いなんて思わない、危険だとも思わない、だからいっしょにいかないか?いっしょに黒(歴史)から足を洗ってみないか?」


――俺が、手を差し出さなければならない。


「ほん…とに?みんなから悪い奴だって言われるよ?」


「…だからどうした、一人救えないで真っ白になれるわけがないだろ。」


だから…


「背中を押してやる、お前は、俺の手をしっかり握れ。」


「あ、あり…がと。」


「いいさ、俺は、俺の名前は小西田こにしだ晴香はるか、高校一年生だ。君は?」


「ヴァレンティア」


「響きが綺麗ないい名前だ。」


手を差し出せば、ちいさな手で少女は握ってくる。


「(この人は、私を私利私欲で使わない…私は、今度こそ幸せになれるかもしれない)」


「(同じ黒歴史、苦しかっただろうな。)」



魔剣『ヴァレンティア』

もともとは聖剣とよばれる類のものだったが、持ち主が欲望にのまれてからは、魔剣と忌み嫌われている。

威力は一振りで一個中隊を吹き飛ばすほどの威力で、魔剣の中では史上最強の魔剣と名高い。

元の姿は銀髪の少女、顔立ちは美少女ともいえるもので、元の持ち主からは逃げてきた。

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