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プロローグ

何故これを書こうとしたのか今考えてみるとさっぱりわからない。

世界観もなく、ただの現代社会。




暗い部屋に蝋燭がともる

そして蝋燭の灯りに照らされるのは不気味な置物。



どこかの民族の儀式用の道具、そういわれても納得してしまうような品物の数々、この真っ暗な蝋燭の灯りに照らされる程度の室内では、その不気味さが大きく出てくる。




そんな室内で、変な言葉を発し、奇妙な踊りをする人間が一人

小西田こにしだ 晴香はるか』、女みたいな名前だが立派な男である。

年齢は14、学年は中二、

――オカルト方面の中二病にかかった中学生だ。

黒魔術の本を読み、白魔術の本を読み、魔法陣を描き、神話を読み進め、悪魔・天使の名前や階級をすべて覚え、聖書でさえも暗記するという、かなりドキツい中二病末期患者だ。





そんな少年が一振りの剣と出会うのは、中二病になってから数か月、中三へと学年が上がるときだった。

いかんなく中二病を発揮し、骨董店へといったとき、一振りの剣と出会う。

装飾が綺麗で、何かの魔法陣のように見える、そして鞘から取り出せば白銀に光るその身に心が打ちふるえるのが理解できた。


「なぁじいさん、これいくらだ?」


いくらでも全力で出さねば、といっても中学生の身分、あまり高いのは無理だ。

これほどに綺麗なのだから恐ろしく高いだろう、だから買えるまでキープしてもらえればもらっておこう、そう思いながら骨董店の爺さんに声をかけてみる。


「1000円」


――その安さに驚きを隠せなかった。

再度剣をみる、装飾が綺麗で、剣も錆びすら見当たらず、綺麗、斬れない剣だとしても、美しさに買う手数多だろう。


「…は?すごい剣じゃないか。」


だからこそ、疑問をぶつけてみる、もしかしたら商品を間違えてるのかもしれない、そういった予想が簡単にできたからだ、骨とう品店のじいさんはこの年70になるかという年齢だ、孫が成人になるということを聞いたことがある。

持っている剣をずいと突き出して、間違いのないようにしてみるが、じいさんは『なにいってるんだこいつ』といった顔で晴香をみる。


「ガラクタじゃねぇか、1000円。」


――訳が分からない。

綺麗な剣だと思う、幻覚でもない、刀身を右から左に指をつけて動かしてみるが、ざらざら感もなく、つるつるだ。

手入れが行き届いているように思える。

正直訳のわからない上に、不吉さしか感じられなかったが、だが中二病末期患者、その不吉さに訳の分からないかっこよさを感じて剣を取り、カウンターに1000円を叩きつける。


「買った!」


そういって剣を大事そうに抱え、加護に入れた後に自転車のペダルを目いっぱいにこぐ、気分が高揚し、自転車だというのにどんな速度でも出せそうな気がする。

いい買い物をした、そう思って家路につくと、すぐに部屋へと駆け込む、親に何言われるかわからないからだ。

剣を鞘から引き抜く、相変わらず美しく光を反射している。

剣を引き抜いて、気分が高揚しているのか、


「…これは魔剣か…!ふはは我が持つことを光栄に思え…真実の姿を見せる時を心待ちにしている。」


などと馬鹿なことをいって、剣を高く上げる。





剣との出会い、この出会いが『小西田こにしだ 晴香はるか』の日々を大きく塗りつぶす――という幻想を抱いて、何もなく、オカルト趣味に没頭しながら剣の手入れをする、そんな日々を過ごしていたときに、事件は起こった。

幼馴染の『東条とうじょう 風見かざみ』という同年齢の少女に誘われ、とある街でショッピングをしていたときだった。

――彼女とであった。


――一目ぼれした。


凛とするオーラ、そして自然なたたずまい、ピンッと張った背筋、長い手足、そのすべてに見ほれた。


その時から自分の生活は一変した。ぶっちゃけ剣は関係ない、一人の女性により生活は一変した。

一目ぼれした女性について話を聞けば、名門中学の生徒らしい、人望が厚く、誠実さを大切にしていると有名だ。

名前は『神宮寺 芹菜』いい名前だ、うんいい名前だと心の中でなんど頷いたことか。

ならばどうする、そう思った時には実行に移していた。

勉強を開始する、恋は盲目だからこそやれることだった。


そして


オカルトグッズをすべて押入れへと投げ入れた。

むろん剣も一緒だ。


投げ入れ、勉強に切磋琢磨し――ストーカーがごとく一目ぼれした女性、『神宮寺 芹菜』と同じ高校へと進学する。

ちゃっかり幼馴染の風見かざみが一緒に入学していたがそんなものは正直どうでもよかった。





ここから、俺の青春ラブストーリーがはじまる!


















わけがなかった。

主人公は昔中二病だったがっつり普通人間です。

あるのは主人公補正という最強の能力があります。

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