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後日の放課後

■後日、いつもの放課後



「海くん」



「なに」



「この前さ」



少し楽しそうな顔。



「なにしてたの?」




「……別に」



いつもの。




「絶対なんかあったでしょ」




「ね、教えて」




じっと見てくる。




(……めんどくせぇ)




少しだけため息。




「……海里と留守番」




「え、いいじゃん」




「いいじゃんじゃねぇ」




思い出す。




(……最悪だった)




■話す海人



「ずっとくっついてきて」




「うん」




「離れねぇし」




「うんうん」




「抱っこしたら」




少し間。




「……よだれ垂らしてきた」





一瞬の沈黙。




「……え」




「服に」




「え、やば」




「めっちゃ」




「うそでしょ」




「マジで」




■茉白、笑う



「ふっ……」




「っ、あははは!」




吹き出す。




「ちょっと待って」




「やばいそれ」




「最悪じゃん!」




「最悪だっつってんだろ」




でも。




(……なんだよその笑い方)




楽しそう。




「でもさ」




少し落ち着いて、




「ちゃんと抱っこしてたんでしょ?」




「……まあ」




「優しいね」





一瞬、止まる。




「……別に」




即否定。




「いいお兄ちゃんじゃん」





(……は?)




顔、少しだけ赤くなる。




「そんなんじゃねぇし」




「いやそうでしょ」




「違う」




でも、




言い方が弱い。




■少しだけ変わる空気



茉白は、少しだけ海人を見る。




(……やっぱり)




思う。




(この人、ちゃんと優しい)




言葉じゃなくて、



行動で分かるタイプ。




(……いいな)




少しだけ、


胸があたたかくなる。




「海くん」




「……なに」




「海里にも優しいし」




「……」




「わたしにも優しいよね」





ドクン。




(……は?)




一気に心臓が鳴る。




「……言ってねぇだろそんなの」




「言ってなくてもわかる」





まっすぐ。




逃げ場ない。




「……うるせぇ」




そっぽ向く。




でも。




(……なんなんだよ)




さっきより、




嬉しい。




■茉白の中の変化



帰り道。




(海くんって)




思い出す。




弟に困ってる顔


抱っこしてるとこ


よだれで嫌がってるとこ




全部。




(……なんか好き)




前よりはっきり。




“好き”の理由が増えてる。




■海人の中



横で歩きながら、




(……いいお兄ちゃん、か)




思い出す。




「優しいね」




(……あいつに言われると)




なんか違う。




(……悪くねぇ)




少しだけ、




照れくさい。


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