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第8話 魔王スナックへ行く ーその2ー

今回は、スナック回です。


お目苦しい部分もありますが、

ゆるく読んで頂けると嬉しいです。

ここは、魔領域外れの大人の憩場。

今日も今日とて、常連が集まってくだをまいていた。


魔王

「はははは、相変わらずゴッさん(ゴーレム)は面白いの」


ゴッさん

「ゴゴ、ゴーゴゴ。ゴッゴッゴ」


魔王

「わははは!なるほどのう!なるほどのう」


ゴッさん

「ゴゴー!」


魔王

「わははは、ナンパな奴じゃ」


ゴッさん

「ゴゴ、ゴゴ……」


魔王

「そ、それは、やりすぎじゃぞ。ぷっプリティラビットも、言ってやってくれ」


ぷっ君

「プププリン、プリン、プリルリーン」


ゴッさん

「ゴゴ!?」


魔王

「わははは、下ネタじゃないか」


ぷっ君

「プリン、プリーン、プリプリーン」


魔王

「ははは。やめんか、エグい下ネタじゃ」


魔女

「一体何なんだいあんた達は。ナンパな話と、下ネタしか言わないじゃないか。まったくあんたらは……変態かい!!!」


魔王

「そういう、ママが一番変態じゃないかのぉ?」


魔女ママ

「確かに……それはそうだったね」


一同

「ドッ」


今日一番の笑いだった。大人の社交場の笑いとはそういうものだ。ーーー


ゴッさん

「ゴゴー、ゴゴ、ゴー」


ぷっ君

「プリプリ、プリリ」


魔王

「ん?わしは、普通じゃぞ」


魔女

「そうなのかい?ゴッさんは、体がでかくて固いけど、やっぱり、チン……」


チリンチリン


サイちゃん

「やってるかい?」


魔女

「あらサイちゃんじゃないか。やってるよ。ささ、立ってないで早く座りな。あっちの方は、立ちっぱなしでもいいけどね。ひっひっひっひ」


サイトー

「ん、あっちの方ってどっちの方だい?恥ずかしがらずに言ってごらん」


魔王

「でおった、サイちゃんのユニークなスキル《サイちゃんの下ネタパリィ》じゃ」


ユニークなスキル《サイちゃんの下ネタパリィ》

余裕のある大人の魅力で、相手の下ネタをねっとりいなす技である。


一同

「ドッ」


サイトー

「みんな相変わらずだな。ぷっ君は調子どうだい?」


ぷっ君

「プリリ、プリプリ」


サイトー

「こらこら、下ネタで返すなよ~」


魔女

「全くあんたらは、下ネタばかりで……本当に……変態かい!!!」


魔王

「ママが一番下ネタが多いぞい」


魔女

「確かに……それは、そうだったね」


一同

「ドッ」


天丼である。狙ったわけではない。大人の社交場では度々、同じような話が繰り返される。ーーー


サイトー

「そういえば、今日は差し入れ持ってきたんだ」


魔王

「こ、これは、幻の酒《英利九酒~えりくさー~》じゃないか!?」


魔女

「いいのかい?こんな貴重な酒」


サイトー

「まぁ、飲んでみてよ……」


魔王

「では、お言葉に甘えて……ゴクっ……うっ!?……うぅうぅ……」


魔女

「まっちゃん!?どうしたんだい!?大丈夫かい?」


ゴッさん

「ゴー、ゴー」


ぷっ君

「プリリ!?」


魔王

「う……う……う…うまい!!!!」


魔女

「何だそりゃー」


一同

「ズコー」


(わはははは)


サイトー

「ははははははは……はぁ」


魔王

「ん、なんじゃ、ため息なんかついて」


サイトー

「いや、ちょっと悩みがね……」


魔王

「弟子のことかの?」


サイトー

「まぁ、そんなところだ」


魔王

「何かあったのか?」


サイトー

「特には…何もないよ、ただ俺の弟子が真面目すぎてな。正直悩んでる」


魔王

「真面目は、いいことじゃないかの?」


サイトー

「それはそうなんだが……ちょっと妄信的なんだ。自分の中の正義や秩序にな。遊びがないんだよ。大事なことを見落として、いずれ間違いを犯す。そんな危うさを感じるんだ」


魔王

「よく分からんが、大変そうじゃの。サイちゃんも真面目じゃから、あんまり考えすぎん方が良いぞ」


サイトー

「……そう言われても、やっぱり考えちまうよ」


魔王

「うーん、ちょっと過保護過ぎるんじゃないかの?どうじゃ、弟子を冒険に出してみては?」


サイトー

「なぜ冒険なんだい?」


魔王

「『可愛い弟子には冒険させよ』という言葉があるしの。冒険に出して、世界を見せるんじゃ。価値観が広がるぞい。いろんなものを見て、弟子が自分で出した答えを、主が尊重してやればいい」


サイトー

「なるほどね。しかし、そんな言葉初めてきいたな」


魔王

「わしが考えた」


サイトー

「ははは、まっちゃんらしいな。俺の弟子にも、まっちゃんぐらいのゆるさがあればいいんだけどな」


魔女ママ

「…まぁまぁあんた達、難しい話はそれでお終い。今日も楽しく飲むんでしょ?」


サイトー

「そうだな、つき合わせて悪かったな」


魔王

「わしは、かまわんぞい」


ぷっ君

「プリーン……」


魔王

「ん、ぷっ君が何か言いたそうじゃの……」


ぷっ君

「プリプリプリーン、プププリーーン」


魔王

「って、結局下ネタかーーーい!」


一同

「ドッ」


魔王がキャラ違いなツッコミを入れつつ、《スナック 魔女っ子倶楽部》の楽しい夜は続いたーーー


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


サイトーが明らかに人外な常連仲間と、ふつうに接しているのは何故でしょう?


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