005 お義兄の従者って面白い!
題名通りの方が登場です。
それから詩織は、家庭教師の先生の来る日までは、体力作りに励んだ。
そもそもオリフィアは美少女と言っていいほどの容姿は整っているのだから健康体かと思っていたのに、野菜は嫌い、肉も少ししか食べない、お茶の時間のお菓子でお腹を満たしているような子だったのだ!
不健康体そのものじゃないか!?そっりゃ四六時中イライラするに決まってる!タンパク質は足りないし、ミネラル、カルシウムは不足してる上に糖は摂りすぎッて!成人病まっしぐらじゃないかぁー!
なんで、こんな肌の艶がいいんだ?ゲームの強制力なの?女神様!そんなところに力使ってる場合なのなんなの?いいのそれで?
侍女であるウーケが常に一緒に居るのは分かるが、何故か最近では良く一緒に過ごしてくれるトビアスお義兄とウーケに揃って何それ?って顔をされた。
それからは、朝は早く起きて朝食を両親やトビアスと一緒にすると両親は泣いて喜んでいた。娘が一緒の時間に食事をしてくれるだけで感動して泣くなんて・・・美女とイケオジが台無しです。
まぁ~この世界の食べ物は卵料理もあるし、お肉やベーコンやソーセージもあるからもちろん美味しく頂く。そして、野菜も食べる!サラダもあるのかぁ~さすが乙女ゲーム、食事は現代風なんだなぁとホッとしたことは言うまでもない。
朝食後は、お茶をして食休みをして庭の散歩をする。体力作りと軽く日の光を浴びる為だ!日焼けをしないように日傘はさすが、明るい場所を歩く。だって、邸の中はなんだか暗いんだもん!
しかし、この家は裕福と言うのは本当なんだろう。子爵家というのはこんなにお屋敷も庭も広いのだろうかと感嘆する。トビアスお義兄が言うには爵位だけで家が富んでいるか貧困に喘いでいるかは分からないと言っていた。
商売を行って裕福な男爵家もあれば、投資に失敗してお金の無い侯爵家もあるという。時代の流れを読み動かなくてはいけないのだとか乙女ゲームの世界も世知辛いなぁ〜と思っていたら、自分はココで生きて行くのかとしんみりしたりしてウーケを心配させた。
しかし・・・最初の、私が死んだらオリフィア様が戻るんじゃないかという発言のせいでウーケは気を張っている気がする。本当に申し訳ない・・・。
今は春休みに当たる時期らしく、家にいるトビアスお義兄様が殆どの時間を私と一緒に過ごすのでウーケに休む様に言って昼間少しの時間休ませるが、夜もあまり寝れていない気がして気になる。
ウーケの部屋はオリフィアの部屋の続き間で、夜中も静かにパタンと扉が閉じる音がしたりするから夜もこっそりオリフィアのことを見に来ているのかもしれない。困った。私のうっかり発言でウーケが倒れたらどうしよう・・・。
ウーケを休ませるにあたり、さすがに兄妹と言っても血のつながらない、オリフィアとトビアスが二人きりになるのは外聞的に良くないらしい。
家の中でのことが外聞として広まるのかぁ~と生暖かい目で使用人たちを見てしまうのは許してほしい。人間の口に戸は立てられないのだ。
そこで、トビアス義兄の従者のイーフォ・ニュマンを紹介された。
彼は商家の産まれの四男、政治的つながりを持つために女子が欲しかった父親にお前が女なら男爵家との縁談もあったと幼少期から言われ続け、負けん気の強かったイーフォ少年は男だろうが縁をもぎ取ってきてやると豪語して家を出て数か所の貴族家でホールボーイを熟しつつ従僕になった。
実家が、大きな商家なので礼儀作法は叩き込まれており読み書きも出来るだけではなく優秀。だが、紹介もない為、執事見習いや、従者としての採用では無く従僕止まりだったらしい。
そんな彼を、元々が男爵令息であり子爵家の養子としてアールデイルス家に来たトビアスに男爵令息の従者をつけることが相手方の心情のせい難しく、(浅慮な事だ)優秀な平民出身の従僕の事を聞いた両親がわざわざスカウトに行ったそうだ。相変わらず行動力のある善人な両親だなと思った。
アールデルス家に代々仕えてい使用人はトビアスを敬ってはいるが、アールデイス家はオリフィアの一人娘しかおらず、母に次の子が出来ることは無いと子爵であるお父様が宣言していた。
お母様の体調は大丈夫なのだが、出産が怖かったらしい。あんなにイケオジなのにチキンだった!まぁ出産は命がけたもんね!当主であるお父様が【なし】と言ったら【なし】の貴族家。娘一人のオリフィアが婿を取り家を継ぐことが決まった。それはオリフィア1歳の誕生日だ、変なところ決断が早い・・・。
家令の息子たちは、3人いたがオリフィアが1歳の事には一番下が7歳でその1人を残しお嬢様に仕える家令教育をすると残し、他の息子たちは他家へ就職した。ちょっと行動が早すぎた。就職後、すぐにトビアス様を引き取るとは家令も思わなかっただろう・・・。みんな決断が早すぎる・・・。
執事は独身を通しており、子供がいなかった。丁度、トビアスの年齢に合う年頃の男性使用人がいなかったのでトビアス義兄様より1つだけ上のイーフォ・ニュマンは重宝されることとなった。
「オリフィア様、お久しぶりでございます」
「・・・・・」
同じ邸に住んでいるのでいるのに、義兄の従者なのにお久しぶりとはどういうことだろうかとトビアス義兄様を見る。トビアスは頬を書いて困っている。
「えっと、イーフォさんはまだ聞いてない?」
「いやっ説明したんだが・・・・・」
「どうせ、またなんかの遊びだろ?」
詩織の質問に答えるトビアスの声に被せるようにイーフォが口を挟む。おぉ!オリフィアの犠牲者だと詩織は思った。何故、ウーケはあんなに献身的なのだろうかと疑問に思ってしまう。
「いやっだから、説明しただろう!この子の中は、シオリ・・・」
「トビアスお義兄様!大丈夫ですよ!むしろ、それが普通の反応だと思います」
「シオリ・・・」
「オリィですわよ!お義兄様!」
にこっと微笑み指摘する詩織にすまないとトビアスが謝る。そんな二人を見て大きなため息をこれ見よがしにしてからイーフォが口を開く。
「それで、今度は何を企んでいるんですか?1年ほど前から視界に入るなと言った俺まで呼び出して!」
「えぇ!1年も同じ邸なのに、視界に入らなかったの?忍者みたい!」
「は?ニンジャ?何言ってんですか?視界に入るなは、貴方様が言ったんでしょうが!」
「ふふっ。でも、口調は普通のなのね。イーフォって面白い!」
「どんな口調でも、この家は咎めないので・・・オリフィア様だけ文句は言いますが・・・それだけですし・・・だから、俺に視界に現れるなって言ったんでしょうね!」
「あぁ~癇癪起してもすぐ言い返すイーフォにオリフィア様は我慢できなかったってことかなぁ~」
詩織の独り言の様な考察に、イーフォは口をあんぐりと開けてトビアスを見る。トビアスも神妙な顔で頷くだけでそれ以上の説明をする気はないらしい。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
<学園入学前>
豊島 詩織(23)
東京生まれ東京育ち
オリフィア・アールデイス子爵令嬢(12)
子爵家嫡子 髪色:オレンジ 瞳色:レモンイエロー
トビアス・アールデイル子爵令息(14)
子爵家の養子 元男爵子息三男 髪色:赤 瞳:チャコールグレイ
イーフォ・ニュマン(15)
トビアスの従者 髪色:からし色 瞳色:キャラメル色




