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残りマナ0.003%、世界の家計簿を黒字化します~追放された元監査官の最適化無双~  作者: 青柳 玲夜(れーやん)
第二章:氷と聖騎士編

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第7話:追撃——300の刃

 遺跡から脱出した俺たちを、待ち受けていたのは——


 300人の聖騎士団だった。


 白銀の鎧が、灰色の平原を埋め尽くしている。


 その先頭に、一人の男が立っていた。


 白銀の鎧。黒い髪。そして——冷たい、死んだような目。



『検出:オズワルド・グラナート』

『聖騎士団長』

『年齢:外見35歳(実年齢:推定900歳以上)』

『マナ効率:82%』

『戦闘スタイル:大剣術 + 補助魔法』

『脅威度:SSS』

『特記事項:900年間、マナで肉体を維持し続けている。グラナート家はレオンの実家』



 グラナート家——レオンの実家?


 オズワルドと、レオン師匠は——



「カイ・ヴェルナー」


 オズワルドの声が、平原に響いた。


「お前を、殺しに来た」


「殺す? 逮捕ではなく?」


「お前を生かしておくと、面倒だ。ここで消える方が、世界のためになる」


「世界のため……?」


 俺は、オズワルドを見つめた。


 彼の目には、狂気があった。


 フロストが言った通りだ。


「オズワルド。お前は、何を目指している」


「世界を救うことだ」


「救う? 人を殺して?」


「必要な犠牲だ。お前一人の命で、世界の秩序が守られるなら、安いものだろう」


 オズワルドが、大剣を構えた。


「さあ、抵抗しろ。その方が、俺も楽しめる」


 俺は——後ろを見た。


 エルとベルが、俺の後ろにいる。


 300人の聖騎士団。


 勝ち目は、ない。



「カイさん……」


 エルの声が、震えている。


「ベル」


「何?」


「お前の力で、何人倒せる?」


「全員、いける。でも——」


「でも?」


「カイが、許可してくれないと思って」


 俺は、考えた。


 ベルの《ソウル・コンバージョン》を使えば、300人の騎士を一瞬で消せる。


 だが——彼らは、ただ命令に従っているだけの兵士だ。


 悪人ではない。


「……使うな」


「分かった」


「逃げるぞ。俺が時間を稼ぐ」


「カイさん!?」


 エルが、叫んだ。


「一人で、無理です……!」


「一人じゃない」


 俺は、懐から何かを取り出した。


 レオン師匠がくれた地図。


 その裏に——別の文字が書かれていた。


『カイへ。お前が困った時、これを使え。——レオン』


 そして、その下に——魔法陣が描かれていた。


 俺には見覚えのある、古い、だが強力な魔法陣。


「これは……」



『検出:召喚魔法陣(契約済み)』

『効果:契約者を任意の場所に転送』

『消費MP:1,000』

『備考:レオン・グラナートの署名入り』



 師匠が、俺のために用意していた。


 俺が追い詰められた時のために。


「エル、ベル。この魔法陣に触れろ」


「カイさんは……?」


「俺も行く。だが、その前に——」


 俺は、オズワルドを見た。


「オズワルド。一つだけ聞かせろ」


「何だ」


「レオン・グラナートは、お前の何だ」


 オズワルドの表情が、わずかに歪んだ。


「……弟だ」


 やはり。


「お前は、弟を裏切ったのか」


「裏切ってなどいない。奴が、俺に逆らっただけだ」


「逆らった?」


「奴は、俺の計画を邪魔しようとした。だから——」


 オズワルドの目が、暗く沈んだ。


「俺は、奴を追放した。二度と、俺の前に現れないように」


 追放。


 レオン師匠が、運用局を退職した理由が——今、分かった。


「お前は……」


「さあ、もう十分だろう。死ね、カイ・ヴェルナー」


 オズワルドが、大剣を振り上げた。


 俺は、魔法陣を発動させた。


「《テレポート》!」



『消費MP:1,000』



 光が、俺たちを包んだ。


 最後に見えたのは——オズワルドの、怒りに歪んだ顔だった。

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