第4話:水中の怪物3
タイラントタートルの咆哮により再び水中がガタガタと震える。仲間を失った悲しみの声が周囲に響き渡る。タイラントタートルは最後の1体となってしまい状況はかなり芳しくない。タイラントタートルに時間は余りない。時間を追うごとに電磁ネットが周囲を覆い始める。行動出来る範囲が徐々に狭まっていく。
「ターゲット3の動きが止まっている。今の内に、周囲を固めろ! ありったけの罠を仕掛けるぞ!」
その絶対絶命の状況に最後のタイラントタートルは逃走を選んだ。電磁ネットの隙間をスルスルと搔い潜り、まるで何もない場所であるかの様に優雅に進んでいる。その魂に復讐の炎を宿しながら視界からタイラントタートルは消えてしまうのであった……
あっけない最後に全員は、一瞬の動揺を見せる。だが何処か安堵の息も漏れているのであった。でタイラントタートルの咆哮により再び水中がガタガタと震える。仲間を失った悲しみの声が周囲に響き渡る。タイラントタートルは最後の1体となってしまい状況はかなり芳しくない。タイラントタートルに時間は余りない。時間を追うごとに電磁ネットが周囲を覆い始める。行動出来る範囲が徐々に狭まっていく。
「ターゲット3の動きが止まっている。今の内に、周囲を固めろ! ありったけの罠を仕掛けるぞ!」
その絶対絶命の状況に最後のタイラントタートルは逃走を選んだ。電磁ネットの隙間をスルスルと搔い潜り、まるで何もない場所であるかの様に優雅に進んでいる。その魂に復讐の炎を宿しながら視界からタイラントタートルは消えてしまうのであった……
あっけない最後に全員は、一瞬の動揺を見せる。だが何処か安堵の息も漏れているのであった。全員、これ以上の戦闘は望んでいなかったのである。
「ターゲット3逃走、周囲の警戒を怠るな! 何人かターゲット2の鹵獲に来い!!」
「了解。支援部隊5名対処に向かいます。ターゲット2とターゲット3の警戒をお願い致します」
電磁ネットの電流の一部を遮断し、5機の動力を利用してタイラントタートルを『デメテル』へと牽引していく。体の力は入らず、鋼鉄の網が至る所に絡まり、力なく流されていくタイラントタートルは最早生きているのか分からない状態である。
全長30mの巨体である、牽引するだけでも数時間掛かると予想される。またデメテル自体もゆっくりではあるが動いているのである。故にかなりの長丁場になると全員が感じている。外部エネルギーパッケージを交換し、動力が切れない様に行軍を続けている。パイロットは戦闘糧食を食べながら、精神、体力共に限界に近い状態であるが、通信で軽口を叩いている。牽引しているタイラントタートルが動かない限りは戦闘は終了しているのである。先程までの緊張は少し和らいでいるのである。
だが、その平穏は一つの通信で簡単に崩れ去った
「ソナーレーダーより、高速で近づく敵影確認! 恐らく逃走したターゲット3です」
「やはり、電磁ネットが設置された戦場を移動するのを待っていたか!」
隊員からの報告を聞いて、部隊長は想定通りの最悪の事態が発生したと感じる。電磁ネットを設置した水域から離れているので、今はタイラントタートルを遮るものは何も無い。ヒット&アウェーで徐々にこちらの戦力を削るつもりであろう事は容易に想像できる。
「ターゲット3、物凄い速度でこちらの方に近づいています。狙いはターゲット2を牽引している戦機です!」
「ターゲット2の周囲にいる隊員は一旦距離を取れ、良い的になるぞ! 急げ!」
電磁ネットを握った手を瞬時に離し一斉にターゲット2付近を離脱する。
タイラントタートルは勢いのまま、ターゲット2に体当たりして電磁ネットを体から剥がそうと試みたが、体に鋼鉄の網が何枚も絡みついた状態では何も状況は変わらなかった。
せっかく一回撤退してまで、仕掛けた襲撃が不発に終わりターゲット2の近くを旋回する事しか出来なくなってしまったのだ。
「今だ! 電磁ネットを射出!」
目的を失い、グルグルと同じ場所を周回しているタイラントタートルに向けて5機の戦機は電磁ネットを射出した。広がった鋼鉄の網はゆっくりと目標へと近づいていく。
高圧の電気が流れており触れるだけで、体の機能が低下することは先の戦闘で学んでいる。だからこそ、網の間をスイスイ抜けていく。
その姿に油断は毛ほども無い。既に仲間を二人失っており、冷静さを欠いていてもおかしくないのに、判断能力の低下は全くといって感じない。
海水を口の中に大量に含み、一気に吐き出す。タイラントタートルから放たれる水流のブレスにより電磁ネットはあらぬ方向へと流されていく。
先ほどまであった人間側の優勢は揺らぎ始める。その事を確信したタイラントタートルは周囲に響き渡る程の咆哮をあげている。まるで勝利が約束されているかのように……




