お寿司を食べれるとは思いもしなかった。
寿司。そして2本目。
はい。魚が食べたい欲を満たすことが出来始めていて満足げな私です。リンちゃんです。
たこ焼き騒動は早々に決着しまして…夕飯のお時間ですよ!本来はなんかお店を探して済ませようと思っていたのですが、どうももう既に豊漁の気配が出てきているようで、今日だけでも以前までと比べてだいたい8割程度までは回復したそうですよ。すごいですね。
普通は漁獲量がこうも落ち込んだら1週間くらいは漁獲量回復するのにかかるそうですが、ピーネのお祈りの効果が早速出たんでしょうかね?本当かはともかくとしても、元海の神らしいですから。少なくともここ2,3日で落ち込んでいた漁獲量は取り戻せたのでしょうか?街の皆さんのためにも私達のためにも…そうだと良いですね。
さて、私がなぜ夕飯だと言っておきながらこのような話をしたのかと言いますと…ええ。約束を果たしているわけです。まぁ、私が誰かとの約束を果たしているのではなくグルノーミンに来る前にオランドさんが提示した妥協案のお礼として滞在中は食事をごちそうする。という約束を果たしてもらっているのです。当然私だけでなく、リーデもミチルちゃんも一緒に、ですよ。
しかし。しかしですね…?…お相手は大陸中に支店を持っているやり手の大規模商会の会頭なわけですから当然お金持ちなんですよ。ただ…宿まで手配してくださったんですし、食事は宿で摂るのかなと思っていたわけですよ。いえ、これは完全にそんなお金持ちを侮っていた私が悪いんですけどね?だからって…だからってさ…
どうして奢るのが街一番の高級レストランなんですかあぁぁぁぁぁぁ⁉
「…え、すごい高そうなお店…ここ、私達が入っても大丈夫なお店…?」
「…さすが、世界でも有数のお金持ち…いとも容易くグルノーミン最高峰の高級レストランの予約を取れるとは…聞いた話によると予約が半年は埋まってるそうですが…」
「すごいんだぞ☆…でもここは我は入ってはいけない気がするんだぞ…?」
私達は完全に圧倒されてました。
「?皆さんどうかされましたか?もしかして、何かお気に召しませんでしたかな?」
「いえ…そうじゃないんですけど…」
「あなた。リンさんたちはびっくりしてるのよ。普通はこんなに高級店で食事をしようとは簡単には思えないものなのよ?」
そうですね…ミヤザさん。それもありますが…そんな高級店で奢ってもらうのだと考えると…萎縮しちゃうものなんです。なのでミヤザさんの言い分は8割正解で2割惜しいですね。
「おっと…そうでしたな。私は商談などでこのようなお店に赴く機会も多いものですから、つい失念していましたな。しかしリンさん。食事をごちそうすると言ったのはこちらですぞ?そして、たしかにこの店は他ではあまり見ない料理を出すということもあり人気ですが…格式などを気にする店ではございません。気楽に食べられますよ。」
お金持ちのそういう言葉はあんまり簡単には信用できないですよ〜…基準が庶民とは違うから…まぁ…ここまで来ておいて遠慮するのもむしろオランドさん達に失礼に当たりますか。それならまぁ…萎縮している場合ではないですね。何よりも他では見ない、つまり…レアな郷土料理ですか…興味ありますね。
「そういうことなら…ご馳走になりますね!アグリさん!」
「ええ。じゃんじゃん食べてください!当商会きっての取引先である皆さんへのお礼ですからな!」
「え、遠慮とかは…」
「いりませんぞ。そもそもここは別に値段が高いものしか無いわけでは無いのですからな。御安心を。ちなみにテイムされた魔物ならば入れますぞ。ピーネ殿も御安心を。」
「分かりました。わ、私も…ご馳走になります。」ペコリ
「な、なるべく騒がないようにするんだぞ〜…」
さぁ…いざ。心を決して入店。すると、目の前に広がった景色は…完全に寿司屋でした。それも行ったことはないですが、銀座にありそうな回らない寿司屋です。つまり…刺し身の文化が存在しているわけですか。というか米はあるんですね…極東でしか育ててはいないってカイトさん仰っていた気もしますが…まぁ、細かいことは気にしない。
「いらっしゃいませ。…オランド様御一行様ですね?お待ちしておりました。お席は用意出来ております。こちらへどうぞ。」
案内されるままにカウンターに全員座ります。5人なら…ぎり許容範囲…ですかね?ピーネは流石に私の膝の上ですが。わぁ…!ドラマでしか見たことない回らない寿司屋だ!日本人の憧れなんじゃないですか?私だけ?
大将の格好も板前の衣装ですね。実際に見たことはないですけど、アニメとか、ドラマで見ました!
「この店は”寿司”という料理が食べられましてな。ただ…初見の人にはインパクトが強いかもしれません。生の魚ですので…生が無理でしたら別のメニューもちゃんとありますぞ。大将。マグロをいただけますかな?」
「私はそうですね…かつおをいただけるかしら?」
「あいよ!…初見のお客さんなら…そうだな。サバなんかどうだい?比較的癖も少ないし寿司初心者にも美味しく食べて貰えると思うぜ!」
気難しそうだと思ったらニカッって擬音しそうなくらいの笑顔ですね。
「ふむ…では私はそのサバをお願いします。生で魚を食べるのは初めてですので…」
「我はリンのやつを分けてほしいんだぞ!生の魚は慣れっこだぞ☆」
私はどうしましょうか…メニューを見て悩んでいるわけですが…おや、ミチルちゃんも悩んでますね。え、この店…ウニが安いぞ…⁉よし。ウニにしよう。
「大将、私はウニでお願いします。」
「ほほぅ…!ウニか…!だがこいつは初心者にはちときついかもしれないぞ…?」
「問題ありません。お願いします。」
「…分かった。準備する。」
「私は…穴子ください…!」
「…オーケー。君ら2人は意志が固いようだし…何も言うまい!頼まれたものを提供するのみだ。穴子は専用のタレがある。すぐそこにツボがあるだろう?それがタレだ。それにつけて食べてくれ。」
「はい。」
ミチルちゃんは初手穴子行く人なんですね。おっと…他の3人から奇異な物を見る目で見られてしまっていますが…食欲に従うだけです。そもそも初心者という前提が私達には適応されません。…異世界という観点で見たら初心者ですが…正直地球とそこまでの差は無いでしょう。これまでもそうでしたから。ミチルちゃんも満足げな顔を…ガシッ。心が通じ合った気がします。
ーーー
うんうん。満足しました。ウニ以外にもマグロとか、サーモンとか…色々食べましたがどのネタも美味しかったです。まさか異世界に来てまでお寿司を食べられるとは思っていませんでしたからね。そうそう。流石に大豆から作る醤油はなかったですが魚醤はありました。うん。まぁ…美味しかったです。予約埋まってるらしいから来る機会はもう無いかもですが…
「ふぅ。とても美味しゅうございました。生魚…いえ、刺し身というのでした。悪くないですね。ご主人さま!」
「うん。満足。」「私も。好きなもの食べれたし!」「我も我もだぞ!」
「アグリさん。ごちそうさまでした。ありがとうございます。」
「いえいえ。こちらこそ。しかし驚きましたぞ。まさかリンさんもミチルさんも何の忌避感も躊躇もなく食べるとは…」
「そうよねぇ…普通はお寿司を見た人はギョッとするものだけれど…リーデさんも平然としていたものね。」
「「「伊達に冒険者やってないですから‼」」」
「ふぅ。それでは今日のところは我々はこれにて宿に戻ります。皆さん、明日も期待していてくださいね。お次は高級店ではなく、地元で親しまれている大衆向けの食堂へ案内しますぞ。生もいいですが、手を加えた海鮮も美味いものですからな!」
「楽しみにしてますね!それでは、おやすみなさい。」
「ええ。ではまた明日。」
…お寿司継続的に食べたいなぁ…お米はあるし、お酢もあるんだけどなぁ…ネタを仕入れる機会がないですからねぇ…家の近くに魚がドロップするダンジョンでも出来れば簡単なんだけどなぁ…まぁ…どうにかしてみよう。もしかしたら、【安寧の地】成長して養殖場みたいなのできるかもしれないし。あ、そうだ。海藻も探したいな。明日こそは市場巡って海藻探してみるとしますか。
閑話も含めて本編100話まであと4話まで来ましたね…よくここまで飽きずに続いたなと思う。作者は飽き性だからね!
次回は…グルノーミンのギルマス出るかもしれん。出さないとか言っておきながらね。グラコスフェニックスの報奨金を出さないといけないからさ。まぁ…予定変更はいつものこといつものこと。では( `・∀・´)ノ




