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リンさんとの出会いは幸運だった・・・ぞい?(デデルト視点)

おいらはデデルト・バンドラン。しがない商人なのだぞい。そんなおいらは今非常事態に陥っているのだぞい…

ーーー

ああ。困ったぞい。まさかグルノーミンまでもう少しというところで馬車の車輪が脱輪を起こすなんて…ツイてないぞい。これではグルノーミンに戻る前に積荷がだめになってしまうんだぞい…


そうおいらが途方に暮れていた時…通りがかりの馬車に乗った冒険者さんが魔法を使って助けてくれたんだぞい。それがオランド氏の護衛を承っていたリンさんだったのだぞい。この出会いはまさに幸運だったと思えるぞい。


それからはリンさんに驚きっぱなしだったぞい。まず馬車に乗る前に渡された物…それはクッションだったぞい。もちろん、馬車での長旅においてはクッションなどで腰の負担をできるだけ軽くするのは基本のことだから驚くことでもないぞい。しかしおいらはこの渡されたクッションを舐めていたのだぞい…!まさかまさか座っただけで身体を包み込んでくれる柔らかさを持つなんて思いもしなかったぞい…これ自体はリンさんお手製のクッションらしいぞい。でも!だからこそ!市販の物とは比較にならないほど柔らかいのが分かるぞい。市販のクッションはもっと硬くて最低限の保護しか出来ない物ばかりなのに…これは一度味わったらやめられなくなるような中毒性があるぞい!


馬車が動き出してからはおいらはオランド氏と会話をしていたぞい。彼との話の中ではリンさんが単独でゴブリンスタンピードを止めたという話を聞いたけれど…正直そこの部分はおいらは彼女たちの戦闘力知らないからあまり信じられんぞい。おいらは己の目で見たものを信じるようにしているのだぞい。けれども…オランド氏との大口の取引相手…というのは信じられるぞい。なにせたった今、リンさんのクッションを体感したのだから。まぁ、そうはいっても取引しているのはシャンプーやリンスなどの洗髪剤だけらしいが…なのぞい。でもオランド氏の奥様のミヤザ氏の髪に前にあった時はなかった色艶があるのが見て取れるぞい。それだけで女性にしてみれば十分な価値が生まれるもの…これを生み出すリンさんもすごいが、彼女に目をつけたオランド氏の経営手腕にも目をみはるものがあるぞい。


そうして穏やかな旅になるのかと思ったのだが…おいらはやはり微妙に不幸を引き寄せる体質らしいぞい…リンさんとそのお連れのリーデさんが魔物の存在を感知したのだぞい。それもこちらに一直線に向かっているのだとか。なんということだぞい…この引き寄せ体質にリンさんたちを巻き込んでしまうなんて…


こうなってしまってはりんさんたちは冒険者として魔物の対応に当たらざるを得ないぞい…一応名目上の護衛だとしても…ぞい。でもリンさんもリンさんのもう一人のお連れさんのミチルさんもまだまだ子供…魔物の相手は恐らくリーデさんが務め、二人が護りに徹するのかと思ったのだぞい。でも実際は逆ぞい。リーデさんが馬車の護りに徹し、リンさんが魔物の討伐に向かおうと言うのだぞい⁉それは心配なので止めようとしたところ…ミヤザ氏も同じことを思ったようだぞい…でも、おいら達が説得しようとしている間にリンさんは既に魔物の方へ向かってしまったのだぞい…⁉


…オランド氏は慌てていないぞい…お仲間さん達も…もしこれでリンさんに何か有ったら…おいらのせいだし合わせる顔がないぞい…どうか、無事に戻ってきてくれぞい…このときばかりは普段神に祈らないおいらが必死に祈っていたぞい。


それから数十分…いや、数分後のことだったぞい。リンさんが颯爽と戻ってきたのだぞい!無傷で。空から。…わけわからんぞい。それにしても速いから流石に脅威だったかぞい?そう思うのも束の間のことぞい。

リンさんの手から空に黒い紐?が伸びていたぞい。そしてリンさんが魔法を使ったかと思ったら近くから水の塊が出てきて、その上にばっかでかいボア系の魔物が降ってきたぞい⁉しかも非常に体躯が大きいのが分かるのに頭を落とされていたのだぞい。


「これ、ユニーク個体らしいですけど食べられるんじゃないかと思ったので持って帰って来ちゃいました。今からぱぱっと解体しちゃいますね〜」


言い方が非常に軽いぞい。そして解体の手腕も鮮やかだったぞい。風魔法でスパッと切り裂いて…ちゃんと毛皮と肉に分けて…さらには肉は部位ごとに分類されているぞい…まさに圧巻の一言が似合うぞい。おいらも商人の端くれ。にも関わらずおいらは商人としてやってはいけないことをやってしまったようだぞい…人を見た目で判断するなんて…おいらの信条に反する行いを…‼おいらは秒でリンさんに土下座を決め込んだぞい。


「リンさん。申し訳ないぞい‼人を見た目で判断するのは商人失格だと謳っておきながらおいらはリンさんを見た目で判断し、侮ってしまったぞい‼本当に申し訳ないぞい‼」

「デデルトさん。頭を上げてくださいな。デデルトさんはあくまで私を心配してくださったんですよね?でしたらそんな土下座をしないでくださいよ。それにこれは私が感知した魔物を独断で私が討伐しただけ。怒られるべきは私です。それと…デデルトさんもミヤザさんもバコスさんにも…ご心配お掛けして申し訳有りませんでした。」

「…リンさんは悪くな…いえ、これを始めると堂々巡りにしかならないわね。でも助けてくれてありがとう。」

「そうだぞい!おいらたちの命はリンさんのおかげで助かった。それで十分ぞい!」


確かにリンさんがこれほど強いなら…ゴブリンスタンピードを止めたという話も真実味を増すぞい。護衛の数が極端に少ない理由も…なんて小難しいこと考えていたのだが、食欲には勝てんかったぞい!解体したてのボアの肉を揚げたもの…とんかつだったかぞい。天にも昇るほど非常に美味だったぞい‼特に何の味付けもなく素材本来の味がここまで引き出せるなんて…感激ぞい‼…リンさんに出会えたことはおいらの人生最大の幸運だったかもしれないぞい…やっぱり2番目かも。妻のシリカに会えて結婚できたことが1番ぞい!そこは譲れないぞい!

ランページイービルボアが生まれたのはデデルトさんの不幸引き寄せ体質のせいだったらしい。よくそれで商人やってんな。

次回…ようやくグルノーミン到着。かな?そんな感じでよろしくです。m(_ _)m

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