魔法の講義のお時間です
はい。魔法談義に心踊らせる文学(?)少女である私です。
アルドさんまだシラフなのによくあれだけわちゃわちゃと騒げますねぇ…まだ料理は来そうもないですし、ニーナさんから魔法の知識をちゃんと得ておきましょうか。実際なんにも理論とか知らずに使ってるので、周りから見るとおかしいのかどうかも知りたいところです。多少は世間一般の魔法とズレているだろう自覚はありますからね。
「聞いておきたいんだけど、リンちゃんは魔法に関しては完全に独学なのよね?」
「はい。生まれたのがそこまで裕福でもない農村だったので、ほとんど勉強をしたことはないですね。一応村に駐在していたシスターに教えてもらったことはありますけど。」
「ほむ…じゃあ、魔法と魔導の違いっていうのは知ってる?」
「なんとなく…ですけど…魔法は才能が必須で使い手を選び、効果も人によって違うけど、魔導は一応誰でも使えるものなんでしたっけ?」
「ま、そんな感じでいいと思うわ。魔導は魔力を持つ者なら魔法陣越しに誰でも使えて、その上で効果も一定のものを発揮するわね。魔法はリンちゃんが言ったとおり、誰もが使えるわけではなくて、その上で効果も人によって違うわね。威力でも、見た目でも。」
昔先生ことシスターイブにちょろっと聞いただけなのを我ながらよく覚えていましたね。
「さて、じゃあまず、なんで魔法は効果が人それぞれになっていると思う?」
「うーん。イメージの強弱だったり、どういう形で考えているか次第なんじゃないですか?」
「正解!魔法は使い手のイメージ次第で効果も見た目も変わるものだからね。実際ここでそうねぇ…水球を出してみて?それで私のと比べてみるの。」
「分かりました。えいっ。」
言われたとおりに水球生成しましたけど…あれ?なんでニーナさん固まっているんですか?
「無詠唱…⁉確かに水球は簡単な魔法だけど…それでも無詠唱でこんなにキレイに生成できるなんて凄いよ!」
「え、普通はこれでも詠唱とかするんですか?」
「初心者はね。確かに慣れてきたら大体のイメージは掴めるからほとんど同じ物を想像できるから詠唱はいらないんだけど。リンちゃんは魔法使い始めて何年目?」ポワン
言いながら流れるように水球を生成できるあたり、流石プロの魔法使いって感じですね!私には出来ない芸当なので羨ましいです。
「うーん…覚えている限りで5年…くらいですかね?5歳から使ってるので。」
「え”っ…っことはリンちゃんまだ10歳なの⁉」「あ、はい。そうですよ。実家から面倒見きれんから自立しろって追い出されました。」
「事情が想像よりも重い…⁉」「そんなことないですよ?」
「…うんまぁ、私とリンちゃんの水球を比べてみて?なにかしらの違いはあるはずだから。」
私の生み出した水球はかなり透き通ってますね。それこそ、向こう側がはっきり見えるくらい…そういえば私いつもこの魔法は飲料水ようとして使ってるので、すごくきれいな水になっているんですね。確かにこの世界の水もキレイはきれいなんですけど、この水球よりは透明度低かったですね…対してニーナさんの水球は…あ、形は私と全く同じ球形ですけど、水の透明度が低い…!水球の向こうは見ようと思えば見えるけど、私の寄りは濁りが混じってますね。あと、少しだけ私のよりエメラルドグリーンっぽい色してますね。この世界では十分飲めるレベルにキレイです。
「流石に攻撃魔法じゃないから、威力の違いだとかそういう実践的な部分は証明できないけれど、それでも使い手によって魔法の効果が変わる、というのはなんとなく分かってもらえたかしら?」
「はい。なんとなくは。ホントに違うんですね…知識としては知っていましたけど、実際見るまでホントかどうか正直疑っていたんですよね。」
「それにしても、リンちゃんの水球は綺麗ねぇ…見たことないくらいに透き通ってるけど。まぁ、安心してね。余計な詮索はしないから。」
「あはは…」
ちょっと水を飲んで小休止…まだまだ講義は続くみたいです。水球?あ、もうお役御免です。乙です。
「さてと、休憩もとったし…それじゃ、もうちょっと魔法のお話をするわね。大丈夫?」
「全然余裕です。次、お願いします。」
「おっけー。と言っても魔法どうこうの話じゃなくて、次は魔力の話なんだけど。リンちゃんは、精霊魔法を見たことがあるかしら?」
「いえ、ないですね。話題に出たってことは精霊と私たちとで使う魔法が違うんですか?」
「いいえ?根本は同じものよ。でもわざわざ”魔法”と”精霊魔法”で区別しているのは精霊が使う魔法は私たち人間よりも格段に威力が高いの。」
「そんなに精霊たちのイメージは強固なんですか?」
「いい質問ね!いいえ。彼らはそもそも自然そのものだから、別にイメージをする必要はないのよ。でも、それだけじゃないの。彼らは魔法を行使する際により純粋な魔力を使うの。」
「純粋な魔力…?どういうことですか?え、というか魔力に純粋とかあるんですか?」
本当に始めて聞いたんですけど…リーデは家精霊だから、家に関する魔法は使えるらしいですけど、それ以外の魔法は普通にしか使えない…らしいですよ?もはやホントか怪しいですけどね。
「聞いたことはない?精霊は有り難い存在であると同時に避けようがない厄災だっていうこと。」
「あー、村でも精霊信仰はありましたよ。あんまり熱心には聞いてなかったのでほとんど覚えてないですけど…」
「そういう風に言われる所以は魔法の威力が桁違いだからなの。私たちが魔力というそれは実はかなり濁った水のようなものでね、人間や亜人はこの濁った魔力を扱うので精一杯なの。で、精霊たちが使うのはそれこそ、さっきリンちゃんが生成した水球のように綺麗なものなの。」
「純度が高いほどより効果が引き出しやすい、鉱石のようなものってことですか?」
「そうなるわね。リンちゃんそういうの知ってるのね、なら素直に鉱石で例えればよかったかしら…」
「まぁまぁ…分かりやすかったですよ。」
これはホント。実際水の例を聞いたから鉱石の話が浮かびましたからね。ふむ…人間だと純粋な魔力は扱えないんですかね?
「リンちゃん…間違っても純粋な魔力を使おうとしちゃ駄目よ?もちろん、魔法使いの誰もがそれを目指すものだけど…人間の身体で純粋な魔力を使おうものなら身体が無事では済まないからね?精霊は精神体だから負荷をどうにかできるってだけで。それに…故意的に魔力を純粋にしようと考える人間なんて普通は居ないし、出来ないからね。」
「そうなんですね…まぁ、私もそんな無謀はやりませんよ…命は大事ですし。…多分。」
「なんでも一人で抱え込んじゃ駄目だからね〜?そんな危うさをリンちゃんから感じちゃったから釘を刺しておくわよ?困ったことがあったらいつでもこのお姉さんに相談して頂戴な!いつでも味方だからね!」
「ん…ご忠告感謝します、ニーナさん。それで…魔法の講義は…」「今日はここまでね。ほら、ちょうど料理も来たし。熱いうちのほうがおいしんだから!」
「そうですね。でも、また魔法について教えてくれますか?先生。」「先生…!いい響きね!もちろん構わないわ。リンちゃんとは話が合いそうだわ…!私らの宿の場所も教えるから今度暇な時に遊びに来て。待ってるから。」
「分かりました。その時は是非。」
そんな感じでニーナさんの魔法講義はおしまいです。ちなみに出されたのはオークの塩焼きとサラダとスープでした。素材の旨みがしっかりしていて美味しゅうございましたですよ。はい。
雨って嫌になりますよね。そして気づけば夏になるんです。まぁ、私は雨も夏もそんな好きじゃないですけど。濡れるの嫌だし、夏は虫が出るし…
精霊が出るかはわかりませんけども…純粋魔力の話は後々使う…かも
次回は未定ということもないですがわかりません。それでは次回もよろしくです。m(_ _)m




