表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/91

遙かなる望郷の地へ-69◎「深まる懸念9」

■ジョフ大公国/宮殿/大広間


 私は倒れそうになるレムリアの身体をささえながら、彼女の様子を見てとる。肉体的に傷を負っているようには見えなかったが、いわゆる“精神的な痛手”は少なからず受けているように感じられた。そっと、彼女の額に手を翳す。


 ――“癒しの手”


 聖戦士(Paladhin)なら誰もが使える“癒しの技”だが、普通はいわゆる“肉体的なの負傷”を癒す技であり、“精神的な痛手”を癒す技ではけしてない。

 しかし、“炎の鎧”や“雷電”、“震電”といった魔導武具を得て、自らの中に眠る“力”を引き出せるようになるために、“心磨技練体斉”──すなわち、“心”を磨き、“技”を練り、“体”を鍛えること──が必要であると知り、そうした鍛錬を日常的に行うようになって以来、私にはずっと感じていることがあった。


 “心”“技”“体”。その一つ一つは、けして別々の存在ではないということだ。それらは不可分であり、互いに繋がっている。


“ならば・・・。そして、それゆえに・・・”


 私は、彼女との“心の絆”を確めるかのように、自らの中に湧き上がる“力”を彼女の“心”に投射する。

 あるいは、それは私の単なる思い込みに過ぎないのかもしれないが、同時に確信にも似た“何か”が感じられることも事実だった。


「・・・レムリア。大丈夫か?」


 私は、静かに声をかける。その声に多少不安げな音色が残ったとしても、それは無理からぬところだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ