遙かなる望郷の地へ-67◆「友軍前進2」
■ジョフ大公国/ジョフ平原
「日が落ちてきましたが、どの辺で野営しましょうか?」
「そうですね・・・」
トリアノンは馬上で周囲を見回した。
「あの丘の後ろ側に陣を張りましょう。普段から、“体力が有り余っている”と豪語している人たちから二個小隊選抜して交代で丘の上に待機」
「了解。ケラーマンとレデクルに選抜させます」
「任せました。」
コーランド軍は丘の後ろ側に手際よく布陣すると、体力無双の二個小隊が選抜され、最初の小隊が警戒の為小隊長に率いられて丘の上に向かった。
「トリアノン、宜しいですか?」
野営地には、そこここに天幕が立てられていた。その中の司令官用の天幕の前でルージは尋ねた。
「いいわ。入ってきて下さい」
「失礼します」
トリアノンはジョフの地図を広げ、状況を検討中だった。
「如何ですか? 検討結果は」
「う~ん、重騎兵を軽騎兵の用に運用することを考えていますの」
「えぇっ!」
仰天するルージを、どうしたの? とでも言うような涼しい顔で見返す。
「トリアノン、それはちょっと・・・」
「無理じゃないわ。戦闘転回(BATTLE TURN)位はできるでしょう?」
「戦闘転回、ですか?」
「そう。正しく聞こえましたね」
「・・・はい・・・」
「それはよかったです」
若き司令官はゆっくりと微笑んだ。彼女には、熟練した騎兵集団である旗下の重騎兵連隊が、自分の望む通りに機動してくれることを信じて疑わなかった。
「友軍前進」と内容が全く同じ事を、今気が付きました(汗)。間違った小説部分をアップしてしまったようです。正しい部分に差し替えましたので、「友軍前進3」と話の辻褄が漸く合うと思います。