どこかへ消えたノコギリお姉さん
前回に続きほんわかおねロリラブコメです
では、続きをどうぞ
-山中神社のベンチで2人で眠りこける咲とノコ姉
気がつけばもう日が暮れてしまいました、一体2人はどうなることやら
-「あの…大丈夫ですか?」
優しいけれどどこか聞き覚えのある声に、香水の甘い香り
ゆっくりと目を開けて立ち上がり前へ歩き出す
…が、寝ぼけていて足をひねって前へこけてしまう
その瞬間柔らかい2つの膨らみの隙間に顔が入り込み、さっきの甘い香りがさらに強く私を包み込む
ついでに言うと、体を支えようとした片手は柔らかい膨らみの片方を掴んだ
「ふかふかのメロンパン…?」
「ひゃんっ…
おっと、まだ起きたてですから無理に立ち上がると危ないですよ」
羨ましい
第一に考えついたことはそれで、第2に考えついたことは
いつか私もこうなれるのか
だった
「ゆっくりでいいので立てますか?」
私はゆっくりと膨らみから手を離し、足の位置を整えて立ち上がる
そこに立っていたのはノコ姉に似た赤ぶち眼鏡にポニーテールにした、クリーム色の縦セーターに黒くて長いスカートを着たお姉さんだった
「ありがとうございます…
ところで、一緒に寝ていたお姉さんに似ていた人がいたと思うんですがもしかして双子っていたりします?」
お姉さんは不思議そうな顔をしてから、そんな人はいないと答えながら首を傾けて元の位置に戻すとまた私の話を聞く体制を整えた
「あー、すごい偶然ってあるものなんですね〜
さっきとても似た人と一緒にここで眠っていたんですよ〜」
嫌な予感がしたが、その最悪の可能性はしまっておくことにした
もしそれが本当なら何が拍子でスイッチが入るかわからない
「あ、こんな所に私がよく吸うのと同じ銘柄のタバコが…
こんなところにほとんど中身入ったまま捨てるなんて変な人もいるものですね〜」
お姉さんはタバコを拾い上げると近くのゴミ箱へ捨てた
そして戻ってくると私を家まで送ってあげるから帰ろうと言い始めた
ノコ姉の事が気になったが一旦置いといてお姉さんと一先ず帰ることにした
-帰路
お姉さんが手を繋ぎながら話し始める
「自己紹介がまだでしたね私の名前は、田島 雪って言います
お嬢さん、あなたのお名前は?」
「私は花園 咲といいます、こちらこそ紹介が遅れました」
雪さんは手を合わせて感心したような表情をした
「すごいですね、小学生低学年…ですか?
そうとは思えないっ大人っぽさですね〜、最近の子は本当にすごい」
私は小学二年生だと教えて、軽く頭を下げて感謝する
そうしてまた雪さんが話し始める
「私が小学生の頃なんてもっと子どもっぽくて社交性なんて皆無でした〜
って、難しい言葉あんまり使わない方がいいですよね!
すいません配慮に欠けました…
あぁ、またやってしまいました…」
雪さんのゆるい一人芝居に和んでいると、家が見えてきた
お姉さんと繋いでいた手を離し、向き直り軽くお辞儀をすると家の方へ向かって歩いていく
その時お姉さんが「タバコを吸うといつも気が…」
考え込んでいる様子でそこから先は聞こえなかったが、独り言を言っていた
-家の縁側にて
「なぁ咲や、お前さん今日良くないものに出くわして自らの存在が完全な人では無いことに気づいたな?」
縁側に座って外を眺めていると、唐突に祖母が話し始める
祖母の名は花園 咲夜、実年齢は80程のはずだがどうみても10代にしか見えない程だ
その異常性は私もずっと前に気づいており、自分にその血が流れていて自分もまた人ではない何かではないかと思っていたが案の定そのようだった
また祖母が話を始める
「お前の父親、母親と一緒に交通事故で死んでしまった源次は私の人ではない何かの血が薄く反映されたようで人と大差なかったがお前さんは違う
私の血が良くも悪くも強く出ている
お前にずっとサキュバスだとか悪魔だとか冗談を言ってきたがそろそろ正体を教えるべきだと思ったので教える」
私はついに知れる自分の正体に少し心を高ぶらせて耳を済ました
「私の正体は…」
ゴクリと唾を飲み込む
「龍だ」
意外だった、もっと妖怪とか幽霊とか禍々しいものだと思っていた
「意外そうだね、魔法も使えるからお前の考えやお前に起きたことくらいならすぐにわかるよ
後、ドラゴンの固い鱗の名残りだと思えばお前の皮膚に刃物が通らなかったのも説明がつくんじゃないかい?
それに、決定的な証拠を言わせてもらうと、あんたのレントゲン写真は尾てい骨が異常に発達している
それこそしっぽでも生えんばかりにね」
よく覚えていないが、小さい頃木から落ちて骨盤にヒビが言った際にレントゲン写真を撮ったことがあるのだという
それをみた医者は祖母が魔法で記憶を改ざんしたらしい
ちなみに皮膚の表面は固いが、内部は人間の骨格が強いらしく骨折などはするとの事
「おばあちゃん、もっと早く言ってくれてもよかったんじゃないの?」
祖母は少し頭をひねってから深刻そうな面持ちでまた話し始める
「正体を話すと、この質問をしなくちゃならなくなるからね…
お前は、龍になりたいのか人になりたいのか
どっちだい?
お前の父親は人である方を選んだけれど、龍の世界も悪くないよ
人の姿にもなれるしね」
「それは…」
「言っておくけれど半端者で居られるのは子供の間だけだよ
急に街中で龍になったりしたら困るだろう?
今のうちに決めておいた方がいいよ、それに応じて私も咲にかける魔法と儀式を選ぶ」
「そりゃ勿論人…うーん」
すぐには答えが出せなかった、事が重大なだけにいくら考えても自分には決められないかもしれない
でも、やはり決めなくてはならない問題が目の前にある
「おばあちゃん、もう少し考えさせてちょうだい」
精一杯の思考の結果がそれだった
「そうかい、まぁまだ時間はあるからゆっくり決めな」
それで話は終わって
私は自室戻って布団に入った、興奮して全く眠れずに朝を迎えた
幸い日曜日だったので、私は目をつぶるだけつぶってゆっくり休んだ
が、気がついたら寝ていた
所詮人なんてそんなもの…いや、厳密に言うと人で無くなりかけてるんだけれど
-昼12時、起きてリビングに向かうと祖母の出かけるという置き手紙と共に朝食が用意されていた
ベーコンエッグにコーヒーだ、私の好物
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る
私は少し待って欲しいと伝え、朝食を置き、すぐにパジャマを着替えてドアを開ける
そこに居たのは
読んでいただきありがとうございます!
まだ続きますので続きも読んでいただけると嬉しいです!