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「しゃしんの月」
にんげんはお墓から這いでて、君にメリークリスマスという。そういうマンガが、紙にかれていた。いんさつのインクで。
死はこの様な、紙の上の死ではなくて、かるがるしいしゃしんの月ではなくて、君がいま死んでいく、時間が削られていく、その事だけれど、皮のさきにいる君にはあまり届かないだろう。
「
行と行のはざまに
たましいが
ひかり
なみだ
しているから
わたくしは本をかざった部屋を
やはり
本を読むように
読むのだろうか
おんなや
たいようや
いぬを
しおりにして」
君のあしのあいだには泉があって、それはときどきものすごく澄んでいる。
君が女の子だったら、僕は線をひくことをここでやめよう。
メリークリスマス。あと言うことがなかったから、そう書いておくね。