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「黒天使のはへん」
さっきね。自販機で缶コーヒーを買いながら思ったんです。わたくしは百円玉がわたくしから離れていく瞬間に、かんがえました。
夜や昼やいのち、それもこの様にうしなわれ、わけのわからないアルミニウム製だかの物質にへんぼうしていくのではないか。
だけれど寒いから、結果、缶コーヒー買いましてん。
「わたくしのゆびは其れを買うのを止した。なにか透明な群れから、私自体がとおざかるのを感ぜられた。私はさびしく、また、なぜか喜ばしかった。皮膚が柔らかくなる感覚がした。」
ならば、かっこよかったんですけれどね。
ねえ。暗示がにくたいの組織の上を がらすのひかり として流れていくね。
わたくしたちはそれを止められず、しかもメランコリックな情感に依存しているんです。
自販機のすこしよごれた受け口に落ちてきた缶は、くろくツヤツヤ照り。
『天使の羽が焼け焦げたうえに消火のみずで凝った』、
様態をおもわしめましたよ。
風。




