ザ・ブリーフィング
今とは違う、遠い未来。どこかの、地球によく似た星。
地球からの移民のたゆまぬ努力によって繁栄をきわめていたこの星は、ある日、突如として未曾有の危機に晒されることとなった。次元の裂け目から現れた“獣人”と呼ばれる敵性存在が、この星の侵略と制圧を開始したのである。
強力な身体能力と知性、そして圧倒的な物量を持つ獣人達に、移民達は無力であった。
為す術もなく各国が次々と陥落、占拠されていく中、移民達は国を超え連合を設立。獣人達に対抗すべく、彼らのテクノロジーを解析し、一つの打開策を生み出した。
環境に対する耐性と獣人にも対抗できる身体能力、そして各銃火器を扱う優れた技術を有する人型生体兵器、通称“天使”の誕生である。
こうして移民達の反撃が始まった。占拠された各地の奪回を使命とした天使達は“解放軍”と呼ばれ、戦場に投入されていくこととなる。
移民達の存亡を賭けた、長い戦いの始まりであった。
そして今、新たな戦いの火蓋が切って落とされようとしている。
大海に浮かぶ温帯の小さな島“ラオ島”。豊富な自然の楽園であったそこは、かつて国同士の戦いの重要な拠点として要塞化された。そこに目を付けた獣人達は、ラオ島を奇襲により占拠し、移民達への侵略の足掛かりとして再構築を行った。
その後、天使という対抗戦力を手にした移民達は、開戦後3年という節目をもってこの島の奪回を宣言した。
だがこの島の奪回には重大な障害があった。かつての要塞化の際、移民達の技術によって作られた装置により、周囲に展開された強力な磁場が海からの侵攻を阻んでいたのである。
これに対する解放軍上層部は、対空砲の届かない高高度輸送機から天使を降下させる作戦、すなわちHALO降下による侵攻を立案。
作戦は三段階。
一つ目は、島の各地にある対空砲を無力化し、後続の降下を支援すること。
二つ目は、要塞の中心部にある管制装置、通称“フラッグ”を奪取し、島を守る磁場システムを切ること。
三つ目は、海上に待機した強襲揚陸艦による殲滅を行うこと、である。
解放軍によるラオ島奪回作戦、作戦名は『フォーリン・エンジェル』。
かくして天使達は獣人達に裁きを下すため、遥か上空より、地獄と化した島へ舞い降りる。