↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦ぎの淡い影 ― 平安戦御体戦記  作者: ひろくま
赤月 (あかつき)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/420

0-04 赤月ノ章 四

「いくぞっ!!」

孝基が一気に踏み込む。

「こいっ!!」

宗矢が刀を横に構える。

孝基の刃が、上から振り下ろされる。


ぎいんっ!!


刃と刃が弾け合い、固い音が響く。


・・・・・・力はあるが、躱(かわ)すのは容易(たやす)い!


宗矢はその勢いのまま、一気に刀を振り上げた。


「うおっ!?」


孝基は呻きを上げてのけ反り、その一閃を躱すと二歩・三歩と後ろへよろめく。


「このおっ!!」


孝基は怒りの顔で再び上から刀を振り下ろす。


宗矢はすっと横へ身を翻すと、すれ違いざまに太刀を横に一閃した。


「貴様、逃げてばかりしか能が・・・・・」


振り向きざまに孝基が言いかけた時、孝基の顔の前にはらはらと黒いものが落ちてきた。

それは孝基自身の髪と、切られた烏帽子。

「は、はぁっ!?」


「もう、やめなさいっ!!」

澄乃が大音声を上げる。


宗矢と孝基、縛られた役人たちや、荷を引いた一団の者までもが驚いて澄乃を見る。


「孝基殿、わが殿は今、あなたの烏帽子でなく首を落とすこともできたのです!負けを認め、おとなしく引きなさいっ!!」

「くっ・・・!」

孝基は悔しい顔を浮かべたが、目を閉じて刀を鞘に納めた。

「仕方あるまい。我が妹の顔を立てて、ここは引いてやろう。だが、わが父はわしほど潔くないお方だ。それを忘れるなよ・・・・」

孝基は振り向くと、馬に飛び乗り、踵を返した。

「おい、こいつらも持っていけ」

宗矢が縛り上げた役人たちを指さす。

「そいつらは好きにせい」

「えっ!?なんと、殺生なっ!!」

「お、お待ちをっ!!」

縛られた役人たちが一斉に声を上げる。

「では、壊したものをすっかり元通りに直していただきましょう・・・・ね」

澄乃が不気味な笑みを浮かべて役人たちの前に立つ。

「ひ、ひぃぃぃ・・・・・」


その後、荷を引いた一団は街道を逸れ、草叢の方へ分け入っていった。

それを見届けると、宗矢は縛られた役人たちを見下ろす。


「お前たち、澄乃を怒らせるとものすごく怖いからな。命がない方がましだと思えるぞ」

宗矢が手を口元にあてて、小声で言う。

「聞こえていますが・・・・?」

澄乃が笑顔で宗矢の後ろに立つ。

この笑顔が怖い。


「と、ともかく、壊したものを直せ。その後、爺の野良仕事を手伝いを命じる」

「・・・・そんなぁ・・・・・・」

「何か!?」

澄乃の睨みは何よりも効くようだ。

「はいっ!やらせていただきますっ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。