本を喰らって本を創る
「アイリス」
「なに?」
「何故書籍の検閲をやらされてるんだ」
「え、人手が足りないからって手伝い頼んで受け入れてくれたじゃん」
「まあ、よしとするが……少し楽させて貰うぞ」
「え?何するの?」
1.アルアジフを体内から取り出します
2.アルアジフにサンプル本を食べさせます
3.内容を精査してもらいます
4.白紙のページに精査結果を表示してもらいます
5.表示された結果を元にダメ出しを行います
「な、楽だろ?」
「……チートですか?」
「知恵と力を蓄えさせているだけだ。うちの印刷所で用意されるサンプルに絞っているから、本当に力を持つような魔導書は食わせ取らんよ。むしろ、この分だと魔導書は我が検閲しないとダメージ喰らいまくって碌に進まんヤツも出てきそうだ」
「そんなに危ない奴混ざってるの?」
「素材がアウトよりのグレーなヤツとか、読んだが最後本の中に取り込まれてしまうヤツとか、普通に封印指定の魔導書になっているヤツとか様々だな」
分身体を送り込む事で難を逃れたが……接続が切れない上に、分身体の解除も出来ない。つまりはリソースを常に食われ続けているという事になる。
燃やすか?いや、燃やす事をトリガーとして何らかの罠を仕掛けていないとは限らないよな。
「……アルアジフ、魔導書の複製ってお前行けたか?あ、行けるのね」
「えっと、何する気なの?」
「まだ思案中だから自分の作業を進めなさい」
「はい」
リストを参照、休人が知り合いの魔女の代わりに出店する……フレンドコード確認、連絡とっておこう。次回以降は……
「アイリス、運営に提出したサンプル本は一切の返却不要であっているか?」
「あ、うん。なにかトラブルが起きた時に控えとして記録を残したいから」
「本の検閲は全部アルアジフにやらせろ。その方が圧倒的に速い」
「マスターって、初見の本を与えて置けば強くなるタイプだよね?」
「我というよりは、アルアジフが、だが。まあ、その通りだな」
「参考程度に聞きたいんだけど、累計で何冊取り込んでるの?」
「……4000万ほどだ。副王からの依頼で図書館を三つ程潰したからな。それ以外にも髭の奴が収集してくれた石板類も含まれるのでまあ、おおよそ4000万ほどだ」
「大判サイズの本なのに……内包されている本の数が国が運営するような大図書館規模とか……馬鹿じゃないの?」
普通は手に入らないはずの歴史の闇に消えた禁書の類も取引の結果として調達可能になっているのが悪いと思います。
それ相応の対価は支払っているが、存在を知れば確実に、知らずとも運が良ければ、交換所に期間限定数量限定品として並ぶのはありがたいが、エネルギーリソースを除けば所望された品の娯楽色が強いのなんの。
……ん?この本は百鬼夜行絵巻物だと?対価を用意せねばな。
一昨日からメイドがヤバいことでお馴染みの平和な異世界のスピンオフ作品の連載始まりましたね
ひたすらてぇてぇの供給に感謝です




