元義妹、元義兄と話しあう。そして大いにすれ違う②
「それに、兄さんがあれだけしてくれたのですから。私も応えなくてはいけません」
「いや、俺はなにもしてないんだから大袈裟だって」
「大袈裟ではありませんッッッ!」
バンッッッ!
「ひ!?」
机を叩くほど強い怒りを見せた。
「私、嬉しかったんです。だって、だって兄さんがあそこまでしてくれて・・・・・・情熱的に告白してくれたのですから。無駄にしたくありません」
「・・・・・・・・・告白?」
なんのことだろう。
「で、ですから、公園で、してくれたでしょう? わ、私を抱きしめて・・・・・・あう」
れみはあのときのことをおもだして、プシュウウ、と煙を発しそうなほど赤くなって恥ずかしがっている。いやんいやんと身を捩らせるほど。
けど、そんなことは今どうでもいい。れみが告白と言った行為が俺には覚えがないからそっちを考えるのに忙しい。
告白・・・・・・・・・告白・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・告白?
それに公園・・・・・・・・・。抱きしめる・・・・・・・・・。
「ああ! あのときの!」
たしかにあのときれみに伝えたことも、一種の告白ではあるけど、れみの言い方だと別のニュアンスに受取られる。
なんだか俺が愛の告白をしたってくらいの浮かれっぷりじゃないか。
でも、それくらい俺がれみと一緒にいたいって気持ちが伝わったんだろう。
「ご、ごほん。では改めまして。私のお父さんと義母さんに許してもらうにはどうすればよいか話しあいましょう」
「お、おう。そうだな」
「では、こういうのはどうでしょうか。お父さんが禁止しているのは、兄さんが私の兄さんだったからです。過去に義妹だった私が過去兄だった兄さんに会うのを禁止しているのです」
「お、おう?」
なんだかややこしい言い回し。
「つまり兄妹として会っていなければいいのです」
「ん~~~~?」
「つまり、赤の他人。一人の男と女として会っていればよいのです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「なので兄さんをお父さんに認められる私の恋人になれるように矯正します」
「意味がわからない!」
予想の斜め上過ぎてツッコミが出てしまう。
「私たちが兄妹ではなく一人の男と女としてお互いを必要している間柄だとアピールすれば、新たな関係を築いているとお父さんを納得させられます」
「無理だよ! いろいろ跳び越えすぎだ! 逆に猛烈に反対されること火の如しだよ!」
「だって私達はもう兄妹ではありませんよ? だったら昔と同じような感覚で会っているのも間違っているでしょう? 元兄と元義妹。それは今は単なる他人ということになるでしょう」
「そ、それは・・・・・・・・・」
「ただ呼び名や名称が変るだけでしょう。お互いがお互いをどうおもっているか変らなければ、いいのでは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ううううう~~~~ん」
「それに別段間違いというわけではないでしょう? 兄さんにとっては」
「うん? いや、そうかもしれないけど。流石に嘘をつくのはだめじゃないか?」
「は?」
「ん?」
「なにを言っているのですか兄さん。嘘だなんて」
「いや、だって・・・・・・・・・」
「ふぅ、わかりました・・・・・・・・・兄さんがそう言うのでしたら。お互いの意志に寄り添わなければ意味がないですから。別の理由を考えましょう」
「うん、ありがとう」
「まったく。兄さんは恥ずかしがり屋なんですから。困ったものです」
いや、恥ずかしいというんじゃなくって、なんだろう。お互い取り返しのつかない勘違いをしているような?
「よろしい。私は兄さんより精神が大人ですから。つまらないことに拘る兄さんに忖度しましょう。別に本人同士が想いあっていれば良いのですから」
「思いあう・・・・・・・・・かぁ」
「ごほん。では私だけじゃなく、兄さんもアイディアを出してください」
「う~ん、そうだなぁ」
実は、ずっと考えていたことがある。密かにだけど。
できるかどうか自信がない。
「実はな・・・・・・・・・?」




