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導かれるモノ導く者  作者: van
16/19

佳文犬を迎える



「トトン…」「カタンッ」外から音が聞こえた。

初めて聞いた時は、家の前を歩く子供達が、

何かを転がして遊びながら歩いてると思っていた。

佳文も、小学生の頃は、見つけた石ころを蹴って歩いたり

角材の切れっ端を蹴って帰ったりしていた。

しかし…真夜中にの事、ふと目が覚めた佳文は、

外から「トトン…」「カタンッ」「トトン…」と

音がしているのに気が付いたと言うより、

その「トトン…」「カタンッ」「トトン…」の音で目が覚めた。


「何だ…」と声を出すと音は、止まった。

暫くして寝ようと目を閉じると「トトン…」「カタンッ」「トトン…」

「トトン…」「カタンッ」「トトン…」と音が鳴る。

佳文は、そ~っと起きて、静かにカーテンを開けて窓から外を見た。

「トトン…」「カタンッ」「トトン…」「トトン…」「カタンッ」「トトン…」



「誰だよ…こんな夜中に…」音を鳴らす人の姿は見えなかった。


「この音…俺ん家の前を行ったり来たりしてるように聞こえる」

そう思った佳文は、階段を上がり2階の窓のカーテンを静かに開け、

窓から外を見た。


「トトン…」「カタンッ」「トトン…」「トトン…」「カタンッ」「トトン…」

「トトン…」「カタンッ」「トトン…」「トトン…」「カタンッ」「トトン…」


「ん…あれか?」

だんだん薄暗い夜道に目が慣れたと言うより、

薄暗い夜道に同化している半透明の男の子が、やっと見えた。

その男の子は、背格好から見ると小学生の低学年ぐらいだろうか、

何かを蹴って歩き、佳史の家の前から遠ざかったり、また戻り、

通り過ぎ、また戻って来ては遠ざかるを繰り返していた。


「あれは…子供の霊…導かれるモノか?半透明の導かれるモノって…

初めて見るよな…」

佳文は、2階から1階へ階段を降りて、部屋着のまま玄関に向かった。

玄関のドアの鍵を開け、ドアとドア枠に渡し張り付けた髪の毛を剥がし

ドアを開けて外へ出た。

玄関のドアを閉め、玄関ドアの鍵を掛け、佳文は自分の髪の毛を1本抜き

ドアとドア枠に抜いた髪の毛を渡し貼り付け道路に出た佳文は、


男の子が「トトン…」「カタンッ」「トトン…」と

音を鳴らしながら歩いていた家の前の道路を見渡した。


「あれっ…居なくなってる…」

十数分玄関の階段に座り、戻ってくるのを待っていたが、

その男の子は、戻ってこなかった。

佳文は、玄関の鍵を開け、髪の毛をドアから剥がし家の中に入った。

玄関のドアの鍵を閉め、自分の髪の毛を1本抜き

内側のドアとドア枠に渡し、抜いた髪の毛を貼り付け

玄関から寝室に入り布団に横たわった。

少しの間、目を閉じながら耳を澄ましていたが、


「トトン…」「カタンッ」「トトン…」の音は、

どこからも聞こえてこなかった。

目を閉じて耳を澄ましていた佳文は、いつの間にか熟睡していた。


「ねむっ…」

目を覚ました佳文の第一声は、ねむっ…だった。

真夜中に「トトン…」「カタンッ」「トトン…」の音に起こされ、

1時間程睡眠を邪魔されていたのだから仕方が無い、


「それにしても…半透明の姿か…」

起き上がった佳文は、男の子の姿を思い出していた。


「夢じゃあないよな…」

そう思ったが、窓を見るとカーテンが開けたままだった。


「やっぱり…夢じゃないな」

起き上がり身支度をして、仕事に出た。


仕事を終えて帰宅した佳文は、

車を止めて、玄関の鍵を開け、髪の毛をドアから剥がし家の中に入った。

玄関のドアの鍵を閉め、自分の髪の毛を1本抜き

内側のドアとドア枠に渡し、抜いた髪の毛を貼り付け


誰も居ない家の中に「ただいま」と言い、玄関ドアを振り返り見た。


「この結界?があるから、あぁいったモノは入って来ないらしいけど…」

以前、多くの導かれるモノが、家の中と敷地内に入って来て居た事を思い出した。


「大騒ぎしたもんな…」

玄関を上がり、洗面所へ歩き洗面所の水道の蛇口を開き手を洗った。

タオルで、手を拭き台所へ向かい、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、

ステイオンタブに人差し指を引っ掛け缶ビールのタブを開け、

その場でビールの半分程を飲み居間へ歩いた。

半分程になった缶ビールをテーブルに置いてソファに座った。

ソファに座ったまま、テーブルに置いた缶ビールを手に取り、

缶の中に残っていたビールを飲み干し、

座って居たソファから立ち上がり、台所へ歩き空になったビール缶をシンクに置き、

水道水を空のビール缶に注ぎ満たした。

冷蔵庫を開けて、新しい缶ビールを取り出し居間へ歩きソファに座った。


「あの男の子は…どうしたいんだろ…」

深夜に「トトン…」「カタンッ」「トトン…」と音を鳴らし来ていた男の子の目的を考えた。


「導かれたいのか…ただ単に、遊んでいて…ココを偶然通ったのか…

そもそも…遊ぶのか…?」と思った時、

佳文は、公園で出会った少女を思い出した。


「あの子…家に帰したけど…」

佳文は、その少女を導かず、少女を亡くした両親の家に連れて行ったのだった。

思い出した佳文は、急に自分がした事が心配になった。


「近い日に様子を見に行ってみるか…でもどうやって…」

「う~ん」

佳文は、頭を抱えた。


「顔見知りになったとは言え…あの日から会ってないからな…

今更行っても、イヤな顔されるかもしれないし…外から家の中を覗く…

ストーカーじゃん…不審者…イヤイヤ…どうしよ…」


考え込みながら、テレビの電源を入れた。

チャンネルを変えながら流れる番組を選び、選ぶ手を止めた。


「猫ちゃん可愛いな~」

佳文は、動物のテレビ番組で、色々な猫を紹介されていたのを見た。

途中から番組を観たので猫の特集が終わり、犬の特集に変わった。


「おぉ…デッか!!」

序盤の犬の特集は、超大型犬から始まった。


「アイリッシュ・ウルフハウンドか…デカいなー」

佳文は、部屋を見渡し


「この犬種を…この家で…はいっムリです!!破壊されます」

画面に向かい喋った。


「おぉ!!グレートデンだぁ~」

次の犬種は、グレートデンを紹介した。


「グレートデンは、見かけに寄らず大人しいんだよな~

飼い方と飼い主次第なんだろうけど」


佳文の知り合いに、グレートデンを飼う人が居て、

その子は、凄く温和で人懐っこい子だった。

また、部屋を見渡し「ムリ~」と笑った。

その後は、小型犬種の紹介が始まり最後は、

頭の良い犬種の紹介になった。

数種の頭の良い犬種が紹介されて1位は、「ボーダーコリー」ですと紹介された。

それを観てた佳文は、


「ボーダーコリーか…いいな~」と

その映像に見入っていた。


その週末、佳文は買い物に出かけた。

久しぶりに大きなショッピングモールに行ったのだった。

お目当ての物を買い込み、暇つぶしにショッピングモールを歩いた。

ショッピングモールの一角に、ペットショップを見つけて入って行った。

ショーケースが並ぶ中に、何種類もの犬種が入っていた。

ショーケースの前を通ると、中の子犬達は、それぞれの行動を見せた。

可愛かったが、「ん~」と思った佳文だった。

その場を離れ、何気なくペットショップの中を見て回り、


「へぇ…こんな玩具やお菓子にケーキに服まで…あるんだ」

品揃えに感心した佳文は、子犬が展示されてるショーケースの近くまで戻った。

すると、そこには、値下げとポップ表示された紙の下に、

ゲージが置かれ、その中に少し大きくなったボーダーコリーが入っていた。


「あっ…ボーダーコリーだ」と近づき、ゲージの前に座った。

佳文がゲージ前に座ったのを見たペットショップの店員が近づき、


「このボーダーコリーは、値下げしてますから、お得ですよ~」と声をかけてきた。


その言葉に、佳文は、ちょっとイラっときたが、

「そうなんですか~」と答え、続けざまに、

「この子は、何ヶ月ですか?」と聞いた。


「今、生後4ヶ月の女の子ですね…売れなくて…少し大きくなりすぎて」と

言葉を濁した。


「このまま売れないと、この子は、どうするんですか?」と

佳文は、ペットショップの店員に聞くと、


「そうですね~他の店舗に移動か、ブリーダーの所へ行くかですかね」

説明を聞いた佳文は、スクっと立ち上がり


「そうなんですか…ありがとう」と言いペットショップを出た。


1週間が過ぎ、買い忘れの物があり、先週行ったショッピングモールへ行く事になった。

買い物を済ませ、先週見たボーダーコリーが気になり

ペットショップへ向かった。

「さすがに…もう飼い主は決まっただろう」

そう思ったが、気になったのだった。

子犬が入るショーケースの前を素通りし、

ボーダーコリーが入ったゲージが置いてある場所へ向かうと、

先週末見た、ボーダーコリーが売れずに残っていた。

ポップを見ると最終値下げと…佳文は、失笑した。

そのボーダーコリーは、佳文を見ると「ぴょこん」っと尻尾を立てて振った。

ペットショップの店員が近づいてきて、お決りの文句を言う前に佳文は、


「この子買います」と言った。

その言葉に、驚きあっけに取られたペットショップの店員は、

「はい…」「お手続きと説明する者を呼びますね」と走っていった。

ペットショップの奥へ向かう後ろ姿を見ながら


「もう、決めてたからな、家へ来るだろ?」

ゲージからボーダーコリーは佳文を見上げ、尻尾を振っていた。

佳文は、買い忘れが無くても、数日の間に、

このショッピングモールにあるペットショップへ来るつもりだった。

ゲージに入ったボーダーコリーが、すでに売れてたなら諦めてたが、

残っていたら、購入する気だった。


暫くすると、ペットショップの奥から担当者が佳文の元にやってきた。

「こちらの、ボーダーコリーを購入ですか、ありがとうございます。」

矢継ぎ早に、

「こちらは、種混合ワクチンは接種済ですので」

そう言い接種記録を見せてくれた。

「狂犬病ワクチンは、未接種ですので、お住いの地区で接種と犬の登録をお願いします」

「今日お持ち帰りしますか?」と言うペットショップの店員に、


「今日連れて帰えれるんですか?」と聞き返すと


「はい」と事務的に答えた。


「わかりました。連れて帰ります」

佳文は、答えてから、

「必要な物を一緒に購入しますので、手続きがあるなら、お願いします」


ペットショップの店員は、

「承知しました。それでは、カウンターに用意しお待ちしてます」と言い

ペットショップの奥へ歩いて行った。

佳文は、リードやペットフード、首輪に食器とゲージに排泄シートをカートに積み込み

カウンターへ向かった。

必要事項を書き込み手続きを済ませ、代金を払い

ペットショップ近くに車をまわしてくると伝え、ショッピングモールの駐車場へ歩き

車に乗り込み、ペットショップの直ぐ近くの駐車スペースに車を止めて

ペットショップに戻った。

先に購入した物を車に運び、ボーダーコリーを迎えに行った。

購入した首輪とリードを付けたボーダーコリーは、嬉しそうな顔で尻尾を、

ブンブンと振り佳文を待っていた。


「それじゃあ、家に帰ろうか」と言い

佳文は、ヒョイっとボーダーコリーを抱き上げペットショップを後にした。

帰り道、ちょっとだけ回り道をし、河川敷へ向かい

ボーダーコリーと遊んだ。

ペットショップの店員の説明で、もう散歩もOKと言われたからだ。

最初は、リードを持ち歩いたが、

ボーダーコリーは、佳文の足元から離れようとしなかった。


そんなに近づいて歩くと蹴っちゃうぞ!!」と

佳文は、嬉しそうにボーダーコリーに話しかけた。

ボーダーコリーに声をかけると佳文の顔を首を傾げながら見た。

それを見た佳文は、ますます笑顔になった。


「この子の名前…何にしよう…」

佳文は、ボーダーコリーの名前を決めていなかった。


「この子…今の状態で何ができるのかな?」そう思った佳文は、

小さな足で立つボーダーコリーに、


「座れ」と言ったら、スッと座った。


「お前…お座りできるの?」もう一度歩き止まってから、

「座れ」と言うとボーダーコリーは、やっぱりスッと座った。

「頭が良いな~」「じゃあ、お手」

佳文は、ボーダーコリーの前に手を出した、

すると、ボーダーコリーは、自分の左手を佳文の手の上に置いた。

「おかわり」その言葉にボーダーコリーは、右手を置いた。


「めっちゃ賢いな~」

ボーダーコリーの頭を撫でて褒めた。

佳文は、ボーダーコリーをヒョイっと抱き上げ車に戻り帰宅した。

帰宅した佳文は、ゲージを組み立て居間に置いた。

ボーダーコリーに、お湯で少しだけ、ふやかしたドックフードを与えた。

瞬く間にドックフードを食べ終えたボーダーコリーは、疲れて眠った。

佳文も夕飯を取り、居間のソファに座った。

眠るボーダーコリーを見つめ、


「名前…どうすかな…」と呟き

「俺とボーダーコリーが縁あって繋がった…

繋がる…結ぶ…結…ゆい…小さいゆい…小結…こゆい…

こゆい…可愛いけどな…小結…こむすび…」

眠るボーダーコリーを上から見てると、黒い毛が海苔に見えてしまった。


「ボーダーコリーの子犬って海苔おにぎり…みたいだな…

そうだ!! 小結…こむすび…と決めよう」

佳文は、ボーダーコリーの名前を小結と決めた。

眠るボーダーコリーに

「お前は、小結な!!」と言うと

ボーダーコリーは、目をパチリと開き目を覚まし佳文を見た。


「小結で、起きたのか!!」

うんうんと頷き、佳文は、小結の頭を撫でていると、

小結は、ゲージの中を移動し排泄シートの上で大きい方を排泄した。


「それで起きたのか…いいや違うな!!小結と呼んだから起きたんだよな~」と

親バカ全開になる佳文だった。




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