喧嘩しないで。救う2人が
「おい、また勝手に俺を移動させたのかよ。最低だな」
「まあまあ、それが仕事なんだから」
「勝手にやれ」
――――
「こんにちは」
「……こ、こんにちは」
「寒いね」
「……そうですね」
「……」
「おい、さっさとやれよ」
「ちょっと、そんな言い方ないでしょ」
「事実だろ。こいつ、もう終わらせる気で来てんだ」
「だからって——」
「綺麗ごとでどうにかなると思ってんのか?」
「……!」
空気がピリつく。
「人の人生、そんな軽くねぇんだよ」
「分かってるよ!」
思わず声を上げる導子。
「分かってるけど、それでも——」
「無理だって言ってんだろ」
「無理じゃない!」
「じゃあ救ってみろよ」
「……」
言葉に詰まる。
「ほらな」
「……っ」
「お前の言ってること、全部理想論なんだよ」
「……それでも!」
「黙ってろ」
「黙らない!」
完全に言い合いになる。
「うるさいな……」
ぼそっと声が入る。
「……え?」
二人が振り向く。
「なんか……どうでもよくなってきた」
「……」
「さっきまで、本気でやろうとしてたのに」
苦笑する。
「バカみたい」
「……」
「こんなことで死のうとしてたの、ちょっと冷めた」
「……」
「今日は、やめときます」
「……」
「じゃあ」
そのまま去っていく。
――――
沈黙。
「……」
「……行ったね」
「……」
「これって……いいのかな」
「さあな」
佐藤はそっけなく言う。
「でも」
少しだけ視線を外す。
「止めたことには変わりねぇだろ」
「……」
導子は小さくうなずく。




