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ウチの魔王様が、すみません!  作者: ホマージュ
第二章 後を引く余韻
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第二十六話 ① 答え合わせは未だ

「あらあらあらあら、まぁまぁまぁ。」


妻は向かいに座る娘と娘の連れてきた男を頭のてっぺんから爪先まで品定めするように見ている。


昨日の夜中なにやらゴソゴソと荷物を詰め込んでいた為、

これはもしや、反抗期か。

と思い、その用意していたトランクケースを持ち直接話をしようと乗り込んだのだが


4時間程待たされ、

ついにやってきた娘は知らない男を連れていた。


娘が腕にしがみつくその男は

娘が昔から好んでいたマッチョではなく、

細身の普通の人間だった。



昔は『パパと結婚する』、と言ってくれていたのに。

今となってはキモいだとか、クサイだとか近寄んな等と罵詈雑言のオンパレード。

普段は笑って流してはいるが傷つくのだ、とても。


「あらあら、ねぇあなた。ねぇ、思ってたよりもスマートでいい男ですこと、ねぇ、あなた」

「ちょっと、お母さん。」


こ、こんなモジモジしている娘を見るのはいつぶりか……

お漏らしした布団を隠して言い訳をしようとしている時以来か……??


「こ、この人が私の恋人なの……」


だがその時も私の鼻からは逃れられずに、

絶望の表情を浮かべていた、あの時のアンナも可愛かったなぁ。


「は、はじめまして。明日葉 (みのり)と申します」


ヘラヘラとしおって、

しかし、この初々しい感じ……

いかに表面を取り繕おうと、私の鼻は誤魔化せない。


「ねぇあなた、思っていたよりも悪くなさそうな男だわ。」


「む……娘からこの(オス)のニオイと……メスの……っニオイが……っ ガハッ!!」


娘の身体から放たれるこの横の男のニオイが喉に触れ、あまりの拒否反応に吐血する。


「あら、あなた。見苦しい所ごめんなさいね、ホホホ」

娘とその隣の男は驚いているが妻は冷静だ。


その妻はハンカチは手渡してくれるが、それ以上気遣ってくれそうな気配もない。

……まぁ。そのストイックなところも良いのだが。


そんな妻の関心もこの目の前の男に今は向いている。

わかる、わかるのだが……

お前の旦那は私だ。あまり他の男を見ているのを横で見るのは辛い。


「お、お前は……」


早くこの地獄から抜け出したくて堪らない。

なんとか声を捻り出し、


「ウチの娘を幸せに……グフ。」


力尽きた。

ただの反抗期かと思えば

実際に男がいたことに衝撃が大きすぎたのか、


意識を飛ばす寸前、机越しの正面の男を目に焼き付けた。

コイツが、義理ではあるが息子に……。






□□□□□□□□□□□□□□




「緊張した……」

アンナの両親との面談を終え、

アンナに付き添われギルド内の職員通路を歩く。

しかも最後の方、アンナのお父さんにはものすごい形相で睨み付けられていた気がするが……


「明日葉さん、その……どうでした?」

「え?」

服の裾を軽く摘ままれながら頬を赤らめるアンナについていけない。

「あの、両親です。」

「あー、アンナさん想いの、いい親御さんですよね……?」

「そうじゃなくて! あの、仲良く出来そうですか??」


「えっと??」

「お互い、もう少し知り合えたらいいんじゃないかな。と思いまして」

「アンナのご両親と僕ですか??」

「いえ、私と明日葉さん。貴方です!」


いや、こんな戦場のど真ん中で何を仰っているのだろうか……

もしもオリビアさんにこんなところ見られたりでもしたら言い訳も何も……


だがこの、期待する眼差しは……卑怯である。

「えっと……とりあえず、考えてみますので」

「はい! ではまた夜にっ」

物凄く笑顔で軽やかな足取りでキャリーケースをひいていく。

色々あったものの、最初の印象とはエライ違いだった。



どっと疲れが一気に押し寄せる。

早く宿屋に戻って眠りたい、が納品した物の代金を貰ってからだ。



オリビアさんいるかな……?

なんてふとよぎるが

ただ、これでやっと次の仕事に行ける。

という安堵感に一息つけた瞬間だった。



はい、

とても久しぶりの更新です。

忙しかったと言えばいいわけになりましょう。

今回短いですが、後の祭り。

これから明日葉は道中何が起きていたのか知るのです。

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