第十七話 仲違いはリンゴから
最近一気に冷え込んできてて、
暖房入れてもすぐには暖かくならないし、
暖房消すとすぐ部屋冷えるし。
4~5日耐えた後、
これは多分窓の面積が広いから外気温との差が問題なんだろうな。
と考え、
ホームセンターにて窓に貼るプチプチを買いました。
防寒対策でこれがなかなかいいらしいです。
プチプチを貼るために包装を開けて窓を閉めてから、
プチプチを貼るためにくるくるの癖を戻すべぬ広げてて思いました。
あれ?使わなくて大丈夫そう。
冬だけど
……ホラーですね!
「あー……頭痛い。」
昨晩、エールを飲んだのはよいものの、
日本のビールとは大きく異なり
雑味と苦味、アルコールが強化されたビールとは言い難い程にガツンとくる物だった。
途中から記憶が定かではないが、
無事宿には戻ってこれているようだ。
今朝はフェイティから弁当を受け取り、
パパガヤから引き継いだ馬車の馬を交替させ、教会へ。
神父がまた「お布施を」とか言うもんだからとりあえず、神父が持つ箱に1000G入れればナディアさんが一歩前に進む。
もしやと思ったが、
そのまま教会を出ようとしてもナディアさんが着いてくる気配がなく、ニコニコとしているだけで。
結局合計で5000G支払った所で神父は
「貴方の旅に神の御加護があらんことを」
などと告げ、ナディアさんが後ろに着いてくるようになった。
5000G(約12万5千円)と引き換えにナディアが一時的に仲間に加わった!
どこからともなくテレレーとBGMが流れてきそうな気分になった。
そしてこれから生活必需隊と合流するのだが……
「それ、なにもってんの?」
「これですか?これはリンゴです!」
いや……それはわかるのだが。
本当は3人揃って何故右手にりんごを持っているのかを知りたかったのだが。
「お三方は何故リンゴを?」
グッジョブ!ナディアさん!
「あぁ、これはおやつです。なんかクセでつい。」
どんなクセでリンゴをそのまま持って歩いているんだ、いちいちメンドクサイやつだ。
「リンゴ……」
そんな握られたリンゴをじっと見つめるマオ。
「食べたいのかい?」
「いいのか!」
「でも、僕も食べたいから半分こね。」
そう言うミーツはリンゴのこうあに親指を、
がくあに両手の人差し指を入れ、力を入れる。
いやいや。
リンゴ割るんならナイフとか背中の剣とか。
「んんっ!!!!」
ガシャ
と少し乾いた音と共にリンゴは無惨にも割られた。
えー。
筋肉どうなってるんだ、コイツ。
勿論綺麗に割れたわけではなく、
大体7:3の割合くらいで別れている。
ミーツはマオの煌めく視線とリンゴを交互に眺めた後、左手で持つ小さい方を渡そうとする……
が!
マオはすかさず右手から大きく割れた方のリンゴ林原類人猿研究センター。わらや
「あ!」
不意を突かれたミーツは左手のリンゴも手から離れてしまう。
それを空中キャッチしつつ、マオは明日葉の後ろに逃げ隠れる。
「あー……」
おいおい。
リンゴを素手で割るなんてどんな怪力だよ。
と思ったがそれ以上に
凄まじい食い気だな、おい、マオよ。
明日葉の後ろに隠れつつミーツが持っていたリンゴを貪っている。
「う……僕のおやつ。」
少しだけこいつにも同情してしまう。
「申し訳ない、うちの子が」
「い、いえいえ。これくらい」
少し気まずい雰囲気のまま旅が始まった。
「明日葉さん、止まってください。」
ナディアが御者台でマオを挟んだ隣で叫ぶ。
「ここからですか?」
「はい、ここからオロラントまでの結界石が全部そうです。」
目の前にある杖のような物の先に嵌め込まれた石を見る。
透明な水晶のようなかんじだが、
中で黒い渦が巻いているようだ。
この街道のある一定距離毎にこの結界石が配置されてある。
この結界石から半径何十メートルかは
魔物や魔族に感知されず、近寄らないようになっているようだが、
それも時間と共にその範囲は狭まり、効果も薄れてしまうらしい。
護衛を雇う商人たちからしても、
この結界石があるかどうかは死活問題で、
何日もかかる街道に安全に休める場所があるというのは自分達だけでなく、荷を引く馬を潰さないためにも必須と言える。
分かりやすく言えば路肩の無い高速道路にあるパーキングエリア的な存在。
と言えばわかりやすいだろうか。
「では、石を浄化します。」
ナディアは石の前でしゃがみこみぶつぶつと念仏を唱える。
少し時間差で石が光だしたか、と思いきや
さっきまでと雰囲気が変わる。
多分一時的に結界が解けた為であろう。
草の根を掻き分けて人の匂いを察知したのだろうか、
大きなバッタのような虫がなかなかの勢いで飛んでくる。
「ワシの出番かの」
マオがどっこらせ、
と立ち上がるのを片手で制止し、再度座らせる。
「いや、金も払ってるし、この際B級冒険者の実力ってやつを見てみたい。」
「うむ、確かに。」
飛んでくる虫にミーツは剣を抜く。
虫の向かう先にはナディアが目を瞑り念仏を唱えている。
その間にスッと入り、ミーツの射程範囲に入った瞬間ミーツは半円状に剣をふるい、虫を真っ二つにする。
それと同時に虫の体内から緑と黒の汁が飛ぶ。
うん、あれは食えなさそうだな。
魔物やなんかも非常食として食えそうかとかも内心気にはなるが虫はやはり見た目的に無理だ。
引き続き四方八方からナディアに向かって様々な虫が襲ってくる。
虫も優先順位が本能的にわかっているのだろうか。
ミーツは剣でナディアに近づく虫を斬り、
ダイソウは中距離で長めの鎖で繋がれたモーニングスターフレイルでミーツの射程に入る虫を間引き、セリアが遠距離で大まかに火炎魔法で焼き払う。
なかなか上手く連携が取れている上に、
一人一人がなかなかに腕がたつ。
中でもやはりミーツの腕が抜きん出ている。
普段はおつむが弱そうだが、視界が広い。
魔法か何かでダイソウとセリアの動きや死角にまで手を伸ばす。
やはりBランク冒険者は伊達ではないようだ。
そんなこんなで続く戦闘に見惚れつつ、一言こぼす。
「Bランクって想像以上に強いな……」
戦闘が開始してから10分近くが経とうとしているが皆息1つ乱していない。
この程度の戦闘では全く本気を出していないということだろう。
「ちょっと、行ってくる。」
それまでずっと横で観戦していた筈のマオも戦う3人に感化されたのか、腕をグルグルと回しウォーミングアップをしている。
「おいおい、ちょっと待てって。」
「ぬっ!ワシだってアレくらい、ドバーンとババーンで」
「別に対抗しなくていいって」
それでも戦闘に参加しようとするマオを後ろから抱き上げると、
腕の中でジタバタと暴れる。
そんな問答の最中にナディアの前にある石を中心に光が集まり始め、
ソレは次第に大きくなり辺り一帯を薄い光で埋め尽くした。
その後に虫達や魔物は見当たらず先程までの魔物はどこへ行ったのやら。
ミーツが辺りを見渡してから剣を収めるとダイソウやセリアも武器を納める。
「終わりですか?」
祈りを終えたのか一息ついたナディアに声をかける。
「えぇ、思ったより上手くいってよかったです」
「失敗することもあるんですか?」
「祈りの念の大きさで結界の範囲と持続力が少し変わってしまいますので」
「いやいや、コレは魔法じゃろ?」
横からマオが横槍を入れてくる。
「魔力はきっかけにすぎません、その殆どは神への祈りの力です。」
「そんなことはない!見たらわかるんじゃ!」
「……? みたらわかる?」
「それはお前、ワシがまおっ……んも!」
さらりと正体をばらそうとするマオに心臓が止まりそうになる。
慌ててマオの口を抑えたものの、当然視線は此方に。
「この子、生まれたときから魔法とかそういうのに敏感なんですよ」
なんとか話をごまかす。
神官相手にこれではこの先思いやられる。
「あしたば!何するんじゃ!!」
猛抗議をしてくるマオの耳元でボソリと囁く。
「もし魔王候補ってのがバレたら依頼がなくなって、暫くは飯抜きになるかもなぁ」
その一言の効果は絶大で、
マオはビクッとすると共にもじもじし始め急に静かになった。
ミーツ達のおつむは緩いのでいいとしてナディアさんにバレないようにしないといけない。
結界の張り直しも序盤の序盤、
まだ始まったばかりだが油断は出来ない。
実は閑話の方が進んでしまう、私です。
メインストーリーなぞるより、
他のキャラとか考える方が個人的に楽です、楽しいです。
それはさておき、アリシアが進まないのでこっち進めます




