些細な異変1
「二人共お疲れ、ルシェドの町に着いたぞ。」
スライムを撃破して暫く歩くと、目的地のルシェドの町に辿り着いた。
「エルシャの町よりでけぇ……」
「この町が最初の拠点のようなものだからな。」
「なるほど……」
「とりあえずは各々でアイテムの補充、装備を購入をしといてくれ、町の入口で待ってる。」
そう言ってディリスタさんは町の中に歩いていった。
「俺もちょっと武器新調してくるわ!」
卍エクスカイザー卍は元気に駆けて行った。
私がバッグの中身を確認する。
ポーションのストックがだいぶ減っているし、新しい町だし武器や防具も新調したい。
案内板で位置を確認する――まずは道具屋に向かおう。
そう決めて私も町の中に向かって歩き出す。
町の中はNPCやプレイヤーで活気にあふれた様子だ。
ちらりとレベルを確認するが、自分達のような低レベルプレイヤーは見当たらない。
やはり、新規プレイヤーは少ないのだろうか?
無意識に人混みを避けるように裏路地に入る。
こっちの方が早いだろうと、そのまま歩を進める。
建物の影になって、真昼でもやや暗い路地。
先程の活気も遠くなり、静寂が世界を支配する。
何故か、この方が私は落ち着いていた。
目の前に太陽の光が漏れだしている、恐らく出口だろう。
光を目指して、一歩、また一歩と進む。
目の錯覚か、なかなか辿りつかない光の先に、まるで世界が停止したかのような……
「え……?」
本当に錯覚なのか?
歩き続けているはずなのに、いつまでも辿りつけない。




