勇者と王女の関係に、魔王巻き込まれるー10ー
「次に魔法戦闘の評価方法だが、トーナメントやバトルロイヤルでもない」
アイシャが指を鳴らすと、バトルフィールドに結界が張られた。武術戦闘とは違い、魔法戦闘では観客に被害を与える可能性を考慮した結果だろう。
「私が呼び出す物を全員で倒せばいい。最後にとどめをさせた者が一位とする。それ以外は生き残っていれば評価しよう」
バトルフィールドの中心に魔方陣が描き出され、そこからはアイシャの魔力が感じ取れる。学園が用意した物ではなく、アイシャが呼び出した物だとすれば一筋縄ではいかないとサイガは思った。
召喚されたのは全長十メートルほどの石のような物で作られた人形。それからは魔力を感じる事が出来ない。
「それでは……始めるがよい」
アイシャの開始の言葉と、銅鑼の音が鳴り響くも、人形は一向に動く様子はない。
選手達も攻撃されないのならと、詠唱を始める。それを感知して動き出す事もない。つまり、人形はエネルギーが空の状態なのだ。
「あれは……アイシャの奴、何て物を呼び出しやがるんだ。おい!無闇に魔法を放つな。それが目的なんだよ」
「魔力D判定の奴が何言ってやがる。先に破壊されたくないだけだろ」
選手には人間や魔族がいる。サイガとマキナを含めて十人なのだが、マキナ以外はサイガの言葉を無視して、様々な攻撃魔法を放ち、人形に直撃させる。
だが、それで終わりではなく、ここからが始まりだった。
人形は空だったエネルギーを、魔法の直撃を魔力に変換する事で、内部にチャージしたのだ。
アイシャは魔法を吸収するゴーレムを召喚するという達の悪い事をしたのだ。それに選手、観客達はゴーレムに関する知識を持ち合わせていなかった。
「何で……壊れるんじゃなくて……動き出すんだよ!」
魔法を放った選手達は混乱し、先程魔法が吸収されたのにも関わらず、再び詠唱し出した。魔法戦闘であれば、魔法で倒せないとおかしいからだ。




