勇者と王女の関係に、魔王巻き込まれるー6ー
「お待たせしました。只今より武術戦闘が始まります。前回はトーナメント戦でありましたが、今回はバトルロイヤルです。武器の選択は自由ですが、勿論魔法は一切なし。気絶もしくはギブアップで負けとなり、最後の一人になるまで戦ってもらいます。それでは、選手の入場です」
司会の教師の言葉通り、次々と選手が入場してくる。マキナが登場すると歓声は最高潮を迎え、最後を締め括るのは前回優勝者のエリス。その姿からはやる気が感じられず、生徒達からはブーイングが起きる。
選手を見てみるとエリスとマキナ以外は男であり、剣や槍など様々な武器を所持し、軽鎧を装着していた。
マキナはレイピアとマンゴーシュの二刀であり、胸当てを着ける以外は軽装にしている。
エリスに関しては武器を木刀にしているだけではなく、家で着ているのと同じ服装で、赤色のジャージを着ており、その姿は選手や生徒達に反感を持たせるものだった。
エリスの姿に司会の教師が何も言わないのは、前回もこの姿でエリスが優勝しているからだった。
「それでは……レディ……ファイト!」
銅鑼が再び鳴り響き、武術戦闘が開始された。
「アンタ達……プライドはないわけ?まぁ……バトルロイヤルになった時点でこうなる事は分かっていたけどさ」
開始と同時にほとんどの男達がエリスに攻撃を仕掛けてきた。前回の優勝者を早めに倒そうと思うのは当然の事だ。学園側も一対一ではエリスの優勝は揺るがないと考え、バトルロイヤル式に変えたと思われる。
だが、その中にマキナは含まれておらず、マキナも数人の選手と戦っていた。マキナは前回二位の実力者であり、エリス同様狙われてもおかしくない。まして、エリスを多数で攻撃するのに、マキナが協力するとは男達も考えていなかった。




