4-11.帰国、初詣、三条と両想いに
年越しをした翌日、私は日本へ帰国した。
帰国した日に、三条と初詣のデートの約束をしていた。
スティーブとキスした写真を見られているんだろうと思うと、落ち込んだ。
三条に見られるのは嫌だと考えて、私は三条と一緒にいたいと思っている事に気づいた。
三条は空港まで迎えに来てくれていた。
「おかえり、ソフィア。明けましておめでとう。」
「ただいま、三条。明けましておめでとう。」
いつもと変わらない三条に、日本に帰って来たと思ってホッとする。
ここが私の帰ってくる場所なんだと思える。
「迎えに来てくれて、ありがとう。」
「僕が早くソフィアに会いたかっただけだから、気にしないで。」
「嬉しい。私も三条に会いたかった。」
「ソフィアが僕に会いたかったって言ってくれたの初めてだよね。」
三条が驚いた様子で言う。
「そう言えば、そうだね。」
「そう言う事言われると、勘違いしちゃいそうになる。僕はソフィアが好きだから。」
私の顔が赤くなる。
「三条に会いたいって思ったのは本当よ。」
初詣をして、おみくじ引いて、神社で意を決して三条に話しかけた。
「こないだの返事だけどね…」
「ごめん、凄く聞きたく無いな。」
「え。」
「…スティーブと付き合う事にしたの?」
「スティーブとは付き合わないよ。」
「え、でも、スティーブと…」
「スティーブとのキスの事言ってるよね。あれは、ごめんなさい。」
「…うん。僕には2人が抱きしめ合ってキスしてる姿は、恋人同士にしか見えなかったから。」
「そうだよね。。言い訳かもしれないけど、あの時は凄い高揚感だったの。あの後すぐにスティーブに忘れてもらうように謝ったわ。」
「どう言う事?好きでも無いのにキスしたの?」
「…スティーブには正直、惹かれてる。でも、キスしてすぐに、三条の事を考えたの。私とスティーブのキスを三条には見られたく無いって。」
「どうして?」
「私が一緒にいたいのは、スティーブじゃなくて三条なんだって気づいた。」
三条は凄く驚いた顔をして固まっている。
「そう思ったら三条に会いたくなった。今日、三条に会ったら、私が帰る場所はここなんだなって、凄く安心したの。どんな辛い時でも、三条が私の味方でいてくれるからわたしは頑張れる。」
「私は三条が好きよ。あなたと一緒にいたい。私と付き合ってくれる?」
「………」
「………三条?」
あまりにも三条が固まったままだったから呼ぶと
「えっ?本当に?聞き間違いじゃない?」
とようやく返事があった。
「私は三条が好き。だから、私と付き合ってください。」
「これって現実なんだよね?僕の都合のいい夢じゃ無い?」
「夢じゃ無いよ。私と付き合ってくれる?」
「もちろんだよ。でも、ソフィアに振られると思ってたから、本当の事だと思えなくて。」
「振られると思ってたの?」
「ソフィアはスティーブとキスしてたし。」
「それは本当にごめん。」
「正直、酷いことされても、ソフィアはスティーブを選ぶんだなって思ったよ。」
「それに」と三条は続ける。
「スティーブとソフィアのライブを見ても、2人はみんなが言う通りに凄くお似合いで、僕の入る隙なんて全然無いなって。」
「そんなことは…」
「そんなことあるよ。5万人の観客を熱狂させてるソフィアとスティーブは、誰が見てもお似合いだった。僕には逆立ちしても、ソフィアや彼のようなことはできない。」
「私からしたら、三条も凄いと思うよ。私だって三条のようなことはできないもの。勉強も、スポーツもできて、優しくて、かっこいいなんて、どうやったらそんな完璧人間になれるのか分からないよ。」
「僕は完璧な人間なんかじゃないけどね。ソフィアもスティーブも天才な上に、努力家だから、もっと頑張らなきゃと思うんだ。僕はソフィアかいるから頑張れる。」
「私も三条がいるから頑張れるんだよ。いつもありがとう。」
「こちらこそ、ありがとう。本当に僕たち、付き合えるんだよね?嘘じゃ無いよね?」
「嘘でこんなこと言わないよ。」
「毎日電話してもいい?」
「もちろんいいよ。」
「デートもしてくれる?」
「もちろんだよ。」
「三条じゃなくて、拓也って呼んでくれる?」
「…拓也。ずっと三条って呼んでたから、拓也って呼ぶのは少し恥ずかしいな。」
「僕は拓也って呼んでもらえて嬉しい。本当にソフィアと付き合えるんだね。今までの人生で一番嬉しいよ。」
「これから、よろしくね。三条。」
「こちらこそ、よろしくね。絶対に幸せにする。大切にするよ。愛してる、ソフィア。」
「私も愛してる、三条。2人で幸せになろう。」
翌日、スティーブに電話をした。
「ソフィアからの電話は珍しいね。電話がもらえて嬉しいよ。」
嬉しそうにするスティーブに、三条と付き合い始めた事を話すのは気が引けるけど、言わなければいけない。
「あのね、スティーブ。話があるの。」
「どうしたの?」
「私と三条付き合う事にしたの。」
「え、…本当に?」
「本当だよ。」
「こないだのキスは?」
「あれはごめんなさい。ライブと年越しの高揚感と、雰囲気で、深い意味は無かったの。」
「やだよ。僕はソフィアと一緒にいたい。ソフィアはそれだけじゃキスしないでしょ。」
「確かに、キスしたのはスティーブだからだよ。でも
、ごめんなさい。」
「それなら僕と付き合おうよ。なんで三条なの?三条が好きなの?僕じゃダメなの?」
「三条が好きよ。ごめんね、私は三条と一緒にいたい。」
「僕の事は好きじゃ無かったの?」
「…好きだったよ。」
「本当に僕はどうしてあの時、君にあんなに酷いことをしたんだろう。ソフィアと付き合えたかもしれないのに、我ながら何て馬鹿な男なんだろう。」
「私はスティーブの幸せを祈ってる。」
「僕の幸せはソフィアといる事だよ。本当に僕と付き合ってくれないの?ソフィアと一緒にいられるならなんだってするよ。」
「今まで通り、友達でいよう。スティーブ。」
「ごめん、情けないこと言って。友達でいてくれるだけで嬉しいことなのにね。僕はいつでもソフィアの幸せを祈っているから。」
「ありがとう、スティーブ。」
それから私と三条は、23歳で結婚して、子供にも恵まれて、末長く幸せに暮らした。




