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ウェパル、常識人は損ばかりしている
「姫様、体が冷えてしまいますので一旦休みませんか?」
ワニフロートに乗って波に揺られていたイオンに声がかけられた。
万が一に備え、お目つけ役をしていたウェパルだ。本来の姿はいかにも人魚然りといった感じだが、今は金の模様が入った水色のビキニでパレオがゆらゆらと揺れている。
ウェパルは水場にいるときは万能であり、イオンが乗っているフロートをひっくり返さない程度に波を操作するのも容易い御用であった。
子供は夢中になっている間は疲れを感じずにはしゃぐものだが、その分限界まで遊びきった後、電池が切れたように眠ってしまう。
ウェパルもそろそろ一旦休憩した方がいいだろうと、フロートの左前足部分を掴んで陸の方へと誘う。イオンは予想通りこっくりこっくりと舟をこいでいる。
豊かな胸の前でイオンを抱えて自分たちの取っておいた場所へ向かうと、わずかに距離を置いて人だかりができていた。
……頭が痛い。
きっと魔神のうちの誰かが何かをやらかしたのだろう。しかしイオンを休ませなければならない。
ため息をついて、一歩を踏み出した。




