伯鬼が行く!2
夜叉「其れに丈之助には鈴女も側に居るし、もしかしたらもう良い人がいるかも知れないし・・・」
伯鬼「ならこの伯鬼が聞いて来ましょう♪」
部屋を出ようとした伯鬼を夜叉姫が止めた
夜叉「待って!丈之助が独り身でも私は鬼の娘・・・。やっぱり無理だよ・・・・。お願い伯鬼、この事は丈之助には言わないで」
伯鬼「夜叉姫様がそう申されるなら・・・」
其所に
鈴女「夜叉姫、伯鬼、大和殿の所に行くよ♪」
人間に変化して丈之助の部屋に行く鈴女、夜叉姫、伯鬼の三人
丈之助「おう♪準備は良いみたいだな♪」
丈之助の家を出る四人
暫く歩くと
魚屋の政が声をかけて来た
政「丈之助に鈴女さんじゃねえか♪相変わらず兄妹仲が良いねぇ♪おや?そちらの連れは」
丈之助「西国京都の豪商の祖父と孫だ♪」
咄嗟に口からの出任せを言った丈之助
直ぐ口裏を合わせ
伯鬼「はじめまして、京都で呉服屋の商いをしてる鬼頭 伯と言います♪この娘は孫の夜叉、実は旅の最中難儀をしてる所を丈之助殿に助けてられましてな~♪」
伯鬼が言った
夜叉「妹の鈴女様にも御世話に成りましたし♪」
丈之助「筆頭与力大和殿に相談しようと今から行く所よ」
鈴女「政さん、今夜はこの方達に鯛でも持って来て下さいな♪」
丈之助「飛びっきりを頼むぜ、政♪」
政「まかせな♪最高の鯛を持って行くからよ♪」
魚屋の政と別れ大和邸に着いた丈之助一行
丈之助「大和殿、高尾山の件ですが・・・・・・・」
丈之助は事の始終を全て大和に報告した
大和「瀬戸内海の神鬼って言えば鬼の中でも魚を採り、家畜を育て、農耕をする極めて人間と仲が良い鬼だ♪その神鬼殿が・・・」
夜叉「大和殿!私達は父上の仇を討ちたい!何か良い知恵を貸して頂けないでしょうか?」
大和「京の退魔師達で退魔の結界を張り先ずは闇鬼達を島に封印する、その間に丈之助達が味方に成ってくれそうな妖怪達を探しだし戦力が調ったら仕掛ける!」
丈之助「結界の効いてる時間は?」
大和「およそ1年、その間に何処まで強力な妖怪達を仲間にできるかがだな」
丈之助「後は俺達が強くならないと」
大和「其れには経験を積む事だ」
夜叉「大和殿!私達もあやかし隠密同心に加えて下さい!」
頭を下げる夜叉姫と伯鬼
伯鬼「けっして丈之助殿の邪魔にはなりません!」
大和「其れはありがたい事だ♪。丈之助、夜叉姫様と伯鬼殿を仲間に加えよ」
丈之助「判ってるよ」
大和「丈之助の家にはまだ空き部屋が在るな、其所に住居を構えると良い♪」
丈之助「ま、其れで良いや。其れじゃ生活品を揃えないと」
伯鬼「私はもう少し大和殿と話しがしたい、夜叉姫様、丈之助殿と一緒に行って下さいませんか?」
夜叉「え!ちょっ、ちょっと伯鬼!」
丈之助「じゃあ行こうぜ、夜叉♪」
鈴女「丈之助じゃ何を買うか判らないから私も行くよ♪」
鈴女が一緒に行く事で少し落ち着いた夜叉姫
夜叉「じゃあお爺ちゃん、行ってきます♪」
丈之助、、鈴女、夜叉姫は町に買い物に出掛けた
大和「伯鬼殿、何かお話しが在るのでは?」
伯鬼「実はですな、夜叉姫様は丈之助殿に助けられて一目惚れしたようなのです。で丈之助殿は誰か良い人が居るのでしょうか?」
その言葉に
大和「丈之助に良い人~♪!ククク~♪ワッハハハハ~♪」
大笑いする大和
大和「あの丈之助にはそんなの居ませんよ♪、色恋には全くの鈍感男ですからな♪」
伯鬼「なるほど♪では夜叉姫様が積極的に成れば」
大和「丈之助と夫婦に成れる事も在るでしょうな♪」
伯鬼に燃えた!
伯鬼「夜叉姫様~♪この伯鬼、夜叉姫様の恋の成就為に頑張りますぞ~♪」
その頃
丈之助「何だ?急に悪寒が!」
夜叉「くしゅん!」
鈴女「何?二人とも風邪気味?」
伯鬼の目論見など知るよしも無い二人であった♪