表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/55

41.いざ出陣!

 緊張の朝。

 

「これ見て元気出してたんだよー!」

 

 ピスタチオカラーのパンツに、カジュアルな白ブラウス。ゴールドのフープピアスとリングも、この日のために寝かせてたの。お待たせみんな!

 

 メイクはがっつりしたら引かれるかな?まあ今回の作品は泣くだろうから、ウォータープルーフは必須だよね。リップはナチュラルな方がいいか。


「久しぶりにラメが入ったやつ使っちゃう?」


 おしゃれするのが久しぶりすぎて、何から手をつけたらいいのかもうわかんないよ!

 とりあえず映画見るから頭が痛くならないように,2つ結びのくるリンパにしよう。

 

 出発前の、最後の保険。夜中に来ていた3件のメール対応まで完璧。綿貫さんに国家の殺し屋なんでバレたら大変だもん。


「いざ出陣!」

 

 間違いない、このバスだ!

 普段電車には乗るけど、バスに乗ることなんて滅多にない。遠足はあんまり楽しみじゃなかったタイプなので、現在人生で初めてバスを楽しんでます、椿です。


「緊張するな。まずなんて言えばい……こ、こんにちは」

「こんにちは」


 なんでバス停に綿貫さんが!?改札前待ち合わせって言ってたじゃん!心の準備がまだなんだけど?


「バスで来るなら、わざわざ改札前待ち合わせにする必要なかったなって」

「……そう、ですね。ハハッ」


 サプライズすぎるよ。優しいけど、嬉しいけど、言ってくれたらバスの中でリップ直したし前髪も整えたのに!


「はぁ、イケメンすぎる」

「ん?なんですか?」

「いやいやいや、なんでもないです!」

 

 普段はパーカーかトレーナーにストレートパンツなのに、オーバーシャツにワイドスラックス!?

 セーターから見える手は、萌え袖ってやつじゃないですか……控えめに言って最高です。


「なんだか変な感じですね」

「私どこか変ですか!?」

「違いますよ。こないだスーツ姿を見たのもあって、なんかちょっと……恥ずかしいなって」


 え、尊すぎる。これがいわゆる神対応ってやつなのでは?もうお金を払わせてください。

 そして恥ずかしさなら絶対に負けてない。


「綿貫さんもなんか、その、いつもと違いますね。あ、変な意味じゃなくてですね、あの」

「ちょっとだけおしゃれしてみました。変じゃないですかね?」

「大変お似合いです!」


 神様、今日という時間をくださりありがとうございます。今のところ仕事のメールが6件、チャットが12件です。欲を出していいなら、もう少しセーブしてください。私は彼を堪能中です。


「じゃあ行きましょうか」

「はい!」

「ランチ、洋食屋さんを選んじゃいましたがよかったですか?」

「全然大丈夫です!」

「ならよかったです。普段は自炊されるんですか?」


 え、これはお見合いですか?私花嫁として試されてるの?

 

「自炊はまあ、それなりに?綿貫さんは?」

「1人暮らし始めて1年経って、ようやくって感じですね」

「昨日は何を召し上がったんですか?」

「召し上がった、ふふっ」


 笑われしまったということは、おかしかったんだ……召し上がったって友達には言わないの?でもこんなに尊い人に、食べました?なんて聞けないよ。


「僕は生姜焼きと味噌汁と卵かけご飯でした。佐藤さんは?」

「昨日は鰹のたたきと蓮根のきんぴら、ホタテのバター醤油ソテーですかね」

「副菜まで作るなんてすごいですね」

「いや、たまたま?たまたま時間があって?」


 定時で帰れない日はインスタントスープと、レンチンご飯。納豆か卵かけご飯なんですけど……これ正直に申告するべき?でも嘘はついてないし……。


 あー、彼が眩しすぎてクラクラする。

 え、まだ開始10分……私今日持つかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ