30.悪いやつ!
30話まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
椿かわいいなって思ってくださった方は、ぜひリアクションよろしくお願いいたします!
目の前には、ニヤニヤニタニタ気持ち悪い男が3人。
汚い空気の中帰りたい気持ちでいっぱいの私は、ついつい適当に返事をして流しているが、そのことに全く気がついていない様子。視線の先は私の胸だし、さっさとやっつけて差し上げましょう。
ガチャッ
「ん?お嬢ちゃん、ちょっと待っててね。お客さんかな」
さ、お仕事お仕事!
Xは被害者部屋に一直線。玄関に向かった人はいいとして、もう1人にはテーブルのペットボトルをアタック。
「いでっ」
Xが部屋の入口に手をかける瞬間、先に部屋へ滑り込んだ私は、思いっきりナイフを振り上げた。するとびっくりするほど簡単に姿勢を崩すではないか。もちろん当てる気はないし、スカートに隠せる8センチのナイフだからみんな安心して!
「え、それ撃つの?」
銃を手で奪っちゃおうと思ったけど「うわー」とか言って暴れちゃってるし、その手はがくがく震えている。
扉の隙間から見えたのは,女の子7人と、男の子が1人。男の子は女装させられている。
こいつら本当に悪いやつ!最低ー!
しかもただのモデルガンじゃん。
ガッ、コトンッ、ザーッ
ナイフを回し蹴りで飛ばした銃。落ちたそれも蹴飛ばして、届かないようにスライド。
体落としで投げながら押さえ込むついでに、鳩尾にも1発プレゼント。いつもならだいたいナイフで脅すけど、この子たちにそんなところ見せたくない。
それなのに、まだ「わーわー」騒いでいる。それもかなりの物騒な言葉を使って。仕方ないのでナイフの柄で、頭を1回殴っておいた。
「静かにしてください」
「っんな!」
ビクッとするぐらいなら、最初からやらなきゃいいのに。
同時に流れるようにして入ってきた多田さんの後ろには、新人の山本さん。
あーあ、こんな姿彼には見せられないな。しかもこんな声、綿貫さんには聞かせられないよ。
「ふざけんなよ!離せこのガキが!」
でもまあ、私は私が強くて良かったと思う。だって私の強さが、目の前の子たちを救えるんだから。
「もう1度だけ言います。静かにしてください」
「……」
殺すことよりも、殺さないことの方が難しい。
でも、殺さないで済むならそれに越したことはないのかもしれない。必要なら全然躊躇いなく殺すけどね!
瞬く間に救済部4人が被害者8人を保護。現場の部屋から救急車と護送車に誘導。
「16時38分、現行犯逮捕」
多田さんがXをさらっと逮捕。さすがは警察官。めちゃくちゃかっこいい。この後処理部が連行し、このまま警察に引き渡される手筈になっている。
「こっち終わりです」
「はいよ」
私と大輝さん、処理班だけが残った部屋。いや、まだ終わってなかった。
「ンフー、ンフー」
バンッ バンッ
「お疲れ様です」
仕事は仕事。私の仕事は制裁。至近距離で頭を1発狙うぐらい何の問題もない。後片付けも処理部に任せ、私と大輝さんは退場。
さ、帰って報告書書くぞー!
綿貫さんから返事きてたりしないかな。あ、でもこんな汚い現実知らずに、のんびり本を読んでで欲しい気持ちもあるんだよな。でもやっぱり欲を言えば、ちょっとだけでも私のこと考えてくれたりしてないかな……なんちゃって!恥ずかしい!




