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№4 灼熱鬼との戦闘

 然り(しか)、然り。

 

 2人と鬼は大木の前にて対峙する。

「話し合い・・・で解りあえそうにはありませんね」

 ローリアンは戦意剥き出しの赤鬼に告げる。

「ぐふふ、然り」

 鬼は舌なめずりをして頷いた。

「オニっ!オニさん、サニーさんをどこやったの?」

 一人蚊帳の外のララ。

「戦うしか道はないようですね」

「然り、然り」

「オニっ、オニっ!答えなさいよ」

「あなたを懲らしめ、すべてを白状させます」

「ぐうぇっへへっ!出来るか、エルフごときに」

「オニっ!オニっ!おいこらっオニ!」

「萌狩隊隊長ローリアン=モエンヌいざ参る」

「我の名は灼熱鬼、かかってくるがよい」

「オニっ!オニっ!オニっ!!!このオニーっ!」

 灼熱鬼はあまりの傍若無人の横槍に、ララへ向き睨む。


「うっさいな!小娘っ!今タイマンで話しているでしょうがっ!」

「小娘?確かに私は小娘だけど140歳、だってエルフだもん」

「ぎょえっ!我とタメ・・・って、今はそんなのどうでもいいでしょうが!」

 鬼がララに気を取られる。

 隊長は勝機を見逃さない。

「隙ありっ!」

ローリアンは両腰に手を回し、サイリウム十手を取り出す。

 キラリ青白き光を放つ。


 サイリウム十手は、萌狩隊の特殊武器である。

伝説の鉱石ヒヒイロカネ(火廣金)で作られ(すんげー鉱石)、十手の形状をしている。

萌狩隊隊士の魂の色により、十手の光輝く色が違うのである。

時に、萌極め、ヲタ芸ライブ、戦闘、場合によっては箸代わりとその用途は多岐に渡る。


「むっ」

 瞬時、灼熱鬼はローリアンを見失う。

「サンダースネイクからの流星スネイク、ララっ!」

 隊長は高々と跳び、鬼の頭上で回転し、ヲタ芸を披露する。

「・・・なんと、美しい」

 たなびく流星のサイリウムの煌めきに心を奪われる頭上を見上げる灼熱鬼。

 心奪われた刹那、防御の金棒を頭上に振るのが遅れる。

 目にもともらぬ両十手の煌めきと攻撃が、無数の連打となる。

「はい!」

 がら空きとなった鬼のどてっ腹に、疾風迅雷の速さで走り込み身をかがませララが潜り込んだ。

「はあっ!ムラマサ×一刀流ムラマサ」

 ララのピンクに発色するサイリウム十手が、闇に包まれた世界に美しく激しく浮かびあがる。

 突き、回転、薙ぎ、斬ると、ララのありとあらゆる高速の連弾攻撃を、灼熱鬼はなす術なく食らう。

「ぐぐぐぐぐぐぐぐっ!!!」

 上と下の同時攻撃に必死に耐える鬼。


「ララっ、奥義!」

「はいっ!」

 ローリアンは空中で、ララは腰を深く降ろし、十手持つ両腕を交差させ、奥義発動の構えをとる。

「神威っ!」

 2人は同時に叫び、ヲタ芸最大の技を灼熱鬼に叩き込んだ。

 煌一閃。

「ぐはっ!」

 鬼は白目をむいて倒れる。


「№1タイガっ!」

 2人は直立不動のドヤ顔で気を失った鬼へと視線を送る。

「やりましたね!」

 ララは勝利に微笑む。

「ああ」

 ローリアンはゆっくり頷いた。

「しかし、この鬼どうしましょう」

「そうだな・・・簡単に吐くとは・・・よし、そうするとするか」

 隊長は閃いた。

「?」

 ララは首を傾げた。

「女王様方へ報告だ」

「御意」

 合点がいき彼女は頷いた。



 捕まえたどー。

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