フェニーチェセンプリチ
今回のフェニーチェセンプリチは成功品
ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。昨日の夜からソルシエールさんとソルセルリーがフェニーチェセンプリチを作っていますので今日も様子見に行こうと思います!
「パパ!今日もちょっと出かけてくるね!」
「…なにかあったのか」
「何にもないことを確認しに!」
「そうか。…いってらっしゃい、気をつけてな」
「うん!ありがとう!行ってきます!」
私は転移魔法でソルシエールに向かいます。
「…ソルセルリー!ソルシエールさん!」
「あら、メグ様。みんな、メグ様におもてなしを」
「はい、村長!」
「さあ、メグ様、座って座って!」
「ソルシエール特産のお茶をどうぞ」
「お菓子もあるよ!」
「お姉さんはお菓子好き?」
「もちろん好きよ、ありがとう」
手厚いおもてなしを受けてなんだか申し訳ない気分です。
「…ごめんなさい、ソルセルリーとソルシエールさんも、みんなも疲れているのに」
「クエー」
「ファンはお菓子を食べ過ぎよ!」
「クエー、クエー」
「もう!」
「あはは、私達のことはお気になさらず」
「メグ様は村長を助けてくださった英雄ですから」
「いや、そんな…」
照れるー。でも嬉しい。
さて、ソルセルリーとソルシエールさんが作っているフェニーチェセンプリチ。原作では失敗していて徒労に終わる。しかしソルセルリーもソルシエールさんも王様も、誰も失敗作だなんて気付かないため集落は守られて王様は結局フェニーチェセンプリチを使うこともなく一生を終える。でも原作と違い今回はソルセルリーだけじゃなくソルシエールさんも一緒に作っているのでもしかしたら成功しているかもしれない。どちらにしろ、王様がフェニーチェセンプリチを使うことがなければそれでいいんだけど…。
「ソルセルリー、完成した?」
「ああ。多分、成功した…と、思いたい」
「…大丈夫だよ!きっと!」
「そうだな…ふっ、まさか弟子に励まされるなんてな」
「ふふ、ソルセルリー、師弟とはそういうものです」
「そうか。そうだな」
「それじゃあ届けてくるよ。ひいばあちゃんは待っててくれ」
「…ええ、気をつけて」
「ん。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
ソルシエールさんは不安そうです。
「ソルセルリーなら大丈夫ですよ」
「ええ、弟子の貴女がそう言ってくれるなら、そうなのでしょうね」
「…ソルシエールさん?」
「貴女は不思議な方です」
「…え」
「こんなにも私達のことを助けてくださる。しかも、なんでもないことのように」
気がつくと集落のみんなが私に熱い目線を送っている。
「…感謝してもしきれません」
「いえ、そんな!そこまでのことはしていませんから!」
「謙虚な方ですね」
「いえいえ…」
「お姉さんはね、俺たちと旅してた時もそうだったの!」
「優しくてかっこよくて、でも気取ってないの!」
「でも実は照れ屋さんなの!」
「ファンが可愛くて仕方ないんだよ!」
「シュテル様っていう婚約者さんが大好きなんだよ!」
「…っ!もう!みんな!」
気恥ずかしくて子供達を追い回す。
「あはははは!」
「だって本当のことだもーん」
「お姉さん婚約者さんとラブラブー!」
「仲良しー!」
「ファンとも仲良しー!」
「もー!みんなー!」
「仲良きことは美しきかなですね」
「ソルシエールさんまで!もう!」
と、ふざけ合っているうちにソルセルリーが帰ってきました。
「…ただいま、ひいばあちゃん」
「おかえりなさい、ソルセルリー。大丈夫でしたか?」
みんなの視線がソルセルリーに集まる。
「ん。大丈夫だった。王様はすごく喜んでた」
「いやぁ、よかったよかった」
「上手くいったか」
「心配して損したねぇ」
「ソルセルリー!グッジョブ!」
「おう!」
ぱんっとハンドシェイクします。
「ま、とりあえずこれで集落にも平和が戻ってきたわけだが」
「うん」
「あとは魔王征伐だな」
「…うん!私頑張る!」
「頑張るのは良いけど、少しは周りに頼れよ」
「え?」
「なんでも一人で抱え込むな。いいか、お前には頼れる姉姫さんもパパもいるんだ。もちろん大好きなシュテル様もな。だから一人で全部解決しようとするな」
「…ソルセルリー」
「…俺もいる。ここの連中も、お前の味方だ」
力強く頷いてくれるみんな。
「大丈夫。お前は一人じゃない。護衛騎士も、騎士団だっているんだろう?」
「…うん!」
「…一緒に、頑張ろうな」
「うん!ソルセルリー、ありがとう!」
「おう」
「じゃあ、私はそろそろ帰るね」
「ん。気をつけてな」
そうして私は、自分の部屋に転移魔法で戻りました。
でも多分使われない




