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姉姫さまの毒殺未遂

姉姫さまの本心

ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。今日は姉姫さまに、私が何をしてしまったのか直接聞きに行こうと思います。


ということで姉姫さまの元へいざ行かん!


…と、思ったのですが。


ちょうどそのタイミングで、部屋の扉が叩かれました。どうぞと声をかけると、そこにいたのは。


「姉姫さま!」


姉姫さまは相変わらず顔色が悪く、見ているこっちが心配になるほどです。


「あの、姉姫さま…」


「私の可愛いメグ。一緒にお茶でもどうかしら」


「え?は、はい…」


急にどうして?とか色々思うけれど、姉姫さまとお茶会するのはなんだか久しぶりなので、嬉しいです。


「部屋に入ってもいいかしら」


「はい、姉姫さま」


「今日は私がお茶を淹れてあげるわね。…ナディア、姉妹水入らずでお茶を楽しみたいの。外に出ていて」


「え?しかしながら…」


「あ、ナディアさん。大丈夫だから外に出ていて」


「…承知致しました」


ナディアさんが部屋の外に出る。…な、なんか気まずい。


「…」


「…」


姉姫さまは顔色が悪く、強張った表情でお茶を淹れる。…本当に、どうしちゃったんだろう。


「…あの、姉姫さま」


「なあに?私の可愛いメグ」


「私、なにかしてしまいましたか?」


姉姫さまの肩が跳ねる。やっぱり、私が何かしちゃったんだ。


「…なんのことかしら。それより、ほら。お茶を楽しみましょう?」


姉姫さまがお茶を差し出してくれる。…はぐらかされた。


「姉姫さま。私がなにかしてしまったのなら教えてください。謝りたいです」


「本当になんでもないのよ。ほら、お茶を飲んで」


「姉姫さま…」


何故かお茶を執拗に勧めてくる姉姫さまに、何も言えなくなってお茶に口をつけようとした時。


毒に慣らされるために嗅ぎ慣れた匂いが、鼻をくすぐった。


「…虹の雫?」


「…っ!」


姉姫さまの顔色が更に悪くなる。可哀想なくらい手が震えている。間違いない。このお茶の中に入っているのは虹の雫だ。


「…やっぱり、私、姉姫さまに何かしちゃったのですね」


…虹の雫。微量であれば安眠剤になるが、香りがわかるほどの量を入れると毒になる。リル妃がマノン妃に盛った毒でもある。まあ、リル妃は香りがわからないぎりぎりの量を盛ったらしいけれども。


「…王妃さまから貰ったのですか?」


「…メグ、私!」


「姉姫さまも、飲むおつもりでしたね?」


…姉姫さまを睨みつける。私が怒っているのは、私に毒を盛ろうとしたことではない。姉姫さまも、毒を飲むおつもりだったこと。


私が何をしたのかはわからない。王妃さまに何を吹き込まれたのかもわからない。でも、姉姫さまが自分も死ぬ覚悟でこんな凶行に及んだことが、ただ悲しいし、許せない。


私に睨みつけられた姉姫さまは、怯んだのか小さくなってしまった。


「メグ…」


「姉姫さま。全部話して欲しいのです。それで全部が解決するわけじゃなくても」


…長く痛い沈黙が続いて。やっと口を開いた姉姫さまからは、やっぱり王妃さまの名前が出てきた。


「…お母様が」


「…はい」


「メグが、私とノルからお父様を奪うつもりだって」


はい?王妃さまマジで言ってますか?


「…、…続けてくださいませ」


「それで…私、最初はメグがそんなことするはずないって…でも、お父様の関心は最近いつもメグにばかり…それで…」


んんんんん!?確かにそれは原作改変した私も悪いですね!?


「あ、それは…すみません…」


「…いえ、本当は、メグが悪いわけじゃないことくらいわかっていたの。でも、なんだかもやもやして!」


うん、今まで虐げられていたはずの妹が急に可愛がられ始めたらそれは焦りますよね、やきもき妬きますよね。


「それで、お母様が…メグが、お父様だけじゃなくて、ノルと私の王位継承権まで狙ってるって…そのうち、命も狙われるかも知れないって…」


あの王妃ー!


「…、…。姉姫さま、続けてくださいませ」


「…そ、それで。私、ノルを守らなきゃって思って。お母様が、虹の雫をくれて、これならバレないからって…」


いや、王妃さまの時にばれなかったのはたまたまだから!パパがマノン妃の遺体を傷つけたくなかっただけだから!さすがに私が死んだら解剖されてばれるから!


「…それで、何故姉姫さままで毒を飲もうと?」


「だって…だって、メグは私の可愛い妹だもの!メグが死ぬなら私も死ぬわ!」


「そこまで思い詰めるならなんで殺そうとするのですか!」


「だって!だって私はノルを守らなきゃいけないんだもの!お母様にもそう言われたもの!」


「だから!なんでそこまで思い詰める前に私に一言言ってくれないのですか!」


「えっ…」


「そんなに私が信用出来ないですか!?私とお姉ちゃんの過ごしてきた時間は、そんなに薄っぺらいものでしたか!?」


思わず声を張り上げる。


「私はお姉ちゃんが大好きです!だから、お姉ちゃんが不安がってるって知ったら、ちょっとだけ寂しいけどパパとも距離を置きました!」


「め、メグ…」


「確かにお姉ちゃんはマノン妃を…ママを殺した人の娘です!でもだからって、お姉ちゃんとノルを殺そうとなんてしません!」


「えっ…、ちょっと待って、メグ、それって」


「私が怒っているのは王妃さまだけです!…ママを殺した上に、その毒を使って姉姫さまにまで同じことをさせようとするなんて…!直談判してきます!」


「ま、待ってメグ、自分の中で完結しないで、ちょっとだけ話を聞いてちょうだい、ね?」


「あとで聞きます!」


私は怒って王妃さまに喧嘩を売りに行こうと、部屋の扉を開けると。


「…。メグ、今の話は本当か」


「ぱ、パパ…」


最悪のタイミングで、パパが部屋の前に立っていました。

パパ激おこ

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