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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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治癒の女神アスラス降臨

リスティアード皇太子殿下を守る為、凶刃に倒れた竜・威(りゅう・い)だが、、、

俺は絶叫した。


竜・威(りゅう・い)!!」


体を支えている手に大量の血が垂れてくる。


レィリア・アストネージュが様子を見て

「横にして、鎧を切って脱がせて下さい」


傷口が(あら)わになって、レィリア目をしかめる

「傷口が深いですね」


レィリアの体からいくつもの白い煙のような物が出てくる。

「治癒の精霊ですが、血が流れすぎています。」

「危険な状態です。」


嵐・守護(らん・がーど)は真っ白な顔をした竜・威(りゅう・い)を見て「治癒」という言葉に反応した。


「そうだ!!」


目を閉じ、一心に念じる。

(メイラ!メイラ!助けてくれ)


直ぐに返答があった

(どうしました?(らん)さん、緊急事態ですか?)


メイラは直ぐに察し理解してくれた。

竜・威(りゅう・い)が腹を刺されて血がいっぱい出て)


(わかりました。私の事を強く思って下さい)


(私の言う通り言葉を唱えて下さい)


(わかった)


(我、メラの村聖なる巫女メイラをここに召喚する)

(らん)は直ぐに同じ事を言葉で発する。


竜・威(りゅう・い)が倒れているすぐ隣に忽然(こつぜん)とメイラが医療具のカバンを持って現れた。


リスティアード皇太子もアルセイスも、レィリアも無駄な事は何も言わない。


メイラが周囲を見て、患者を確認し、指示を出す。

「黒鉄の黒騎士様、この一帯に強力な結界をお張り下さい。」


アルセイスがうなずき結界を張る。


「精霊女王様、出来るだけの上級治癒精霊をお出しくださいませ」


レィリアもうなずく。白い(もや)がいくつも体から出て竜・威(りゅう・い)に入っていく。


メイラは両手を竜・威(りゅう・い)の上に(かざ)し、唱える。

「メラの村が聖なる巫女メイラが(たてまつ)ります、治癒の女神アスラス神にお願い申し上げます。」


「この者の命をこの世にとどめ、聖なる治癒を持って傷をお治し下さい。」


メイラの両手が暖かい光を出す。


メイラの(ほほ)を汗が伝う。


嵐・守護(らん・がーど)がそっとメイラの汗をぬぐう。

「頼む、メイラ竜・威(りゅう・い)を助けてくれ」


メイラは一心不乱(いっしんふらん)に治癒の術を(ほどこ)す。


(内臓、修復完了)


(血管、神経修復完了)


(傷口修復完了)


(体内の殺菌完了)


メイラが顔を上げて

「体の損傷は修復しました。」

「しかし、血液と真甦が大量に出てしまい危険な状態です。」


真甦は(らん)さんから頂いていいですか?

(らん)が即座に答える。

「好きなだけ取ってくれ」


メイラが(うなず)き、血液の合う人はこの中では、、、


「四海竜王様、(とおと)き、御血液をお分けくださいませ」


リスティアード皇太子は静かに

「好きなだけ持って行ってくれてかまわないよ」


レィリアが「皇太子殿下様、そ、それは、、、」


リスティアード皇太子が静かに

「彼は僕の命の恩人だ、(かま)わない」


次の瞬間、リスティアードは自らの左腕を右手に持った短剣で切りつけた。


地が噴き出る。


すぐさまメイラは両手をリスティアードに向けて噴き出す血液を空中に渦を巻く濁流の様に丸く球体にまとめ始めた。


リスティアードの左手から出る血液の濁流はどんどん大きくなり空中に丸く直径80センチ位の大きさになった。


メイラが言葉を発する。

「四海竜王様、これくらいで大丈夫でございます。」


メイラは両手を広げた中央にリスティアードの血の丸い濁流の球体を竜・威(りゅう・い)の上迄持って行き、そっと竜・威(りゅう・い)の体の中に球体のまま染み込ませる。


(らん)さんこの方の手を強く握って、(らん)さんの真甦を練り込んで下さい。


(らん)は直ぐに竜・威(りゅう・い)の手を取り真甦を練り込み流し込む。


嵐・守護(らん・がーど)の体から赤い(もや)竜・威(りゅう・い)を包み込む。


メイラが「(しばら)く、そのままでお願いします。」


(らん)は必死に竜・威(りゅう・い)の回復を祈った。


竜・威(りゅう・い)、、、)


メイラが(らん)に聞こえないように

「やれる事は全て尽くしました。後は彼の生きたいという気持ち次第です。」


10分ほど何の変化も見られなかった、、、


15分、変化なし、、、


20分後

竜・威(りゅう・い)がかすかに(うず)


嵐・守護(らん・がーど)が叫ぶ

竜・威(りゅう・い)!!」


皆の目が集まる。

竜・威(りゅう・い)が弱々しく「う、か、体が、、物凄く、重い、、で、す。」


メイラの目がパッと開き

「意識が戻りました。」

「もう大丈夫です。」


嵐・守護(らん・がーど)がぼろぼろ大粒の涙を流しながら、「良かったよ、良かった。死なねぇで」


竜・威(りゅう・い)が弱々しく

「ぞ、族長 大の大人がそんなに泣かないで下さい。」


嵐・守護(らん・がーど)は「だってよ、おめぇ真っ白な顔してまるで死人みたいになっちまっててよ~」


メイラが現実に立ち戻り

「こ、ここは死体が多すぎて衛生的とは言えないので、どこかに安静に出来るところはありますか?」


レィリアが答える。

「私の屋敷が一番近いです。どうぞお越しください。」


メイラは両手を前に組

「感謝いたします。」


メイラは両手を竜・威(りゅう・い)に向けて支えるように背中に両手を入れる。


すると竜・威(りゅう・い)の体が浮いた。


メイラはそのまま竜・威(りゅう・い)の体下に手を差し込んだまま空中に浮かせて移動し始めた。


リスティアード皇太子がそっと嵐・守護(らん・がーど)を呼び止める。


嵐・守護(らん・がーど)君、ちょっといいかな?」

「皆は先に行ってて(かま)わないからね」


(らん)がまだ、涙目で「どうした?」


リスティアード皇太子は(らん)より高い長身を低くして、「竜・威(りゅう・い)君には命を助けてもらった、心から感謝する。」


(らん)は半べそ状態で

「おめぇの事だ、別に竜・威(りゅう・い)が飛び出さなくたってどうって事なかったんだろ」

「おめぇを剣で殺せるとは思えねぇからな」


リスティアード皇太子「・・・・」


(らん)は「しかし、誰も気づかなかった、あの傀儡(くぐつ)に気付き行動したのは竜・威(りゅう・い)が一番早かった。」


「あいつ自身も、何か考えてやった事じゃなく、自然に飛び出したんだろうな」


「そういう奴なんだよ、、、」


リスティアード皇太子がスッと右手を出してきた。

「僕と友達になってくれないかな?」


「はい?」


「レィリアに聞いたんだけど、貴族の最初の友達はミハム・アストネージュなんだってね」

「それじゃ、皇族の最初の友達は僕じゃダメかな?」


(らん)が呆れて「あほか、俺なんかよりもっと立派な奴は沢山(たくさん)いるだろう」


リスティアード皇太子は「君でないと駄目(だめ)なんだ。」


(らん)は目を見開き

「ミハムにも言ったがな、俺がダチになるって事は、おまえがふざけた統治をしたら本気でぶん殴るからな!」


リスティアード皇太子がにっこり微笑みながら

「ああ、かまわないよ。」


ガシッ!!


俺はリスティアード皇太子が差し出した、右手をしっかりと握った。


リスティアードがしらっと言ってくる。

「友人として、最初の頼みがあるんだけどいいかな?」


「な、なんだよ」


「この皇弟宮を叔父上の遺体事、君の清浄なる青い炎で焼き尽くしてくれないかな?」


「いいのか?好きだったんだろう、皇弟の事が、、、」


リスティアードが回想するように

「うん、大好きだった。だから、無様な姿は人には見せたくないんだ。」


(らん)は「わかった、この城には他に逃げ遅れた奴とか、下の帝国騎士達がこっちに来るようなことはないか?」


「うん、大丈夫、皆に真魂交神で言っておいたから」

「もう非難も全て済んでるよ」


「わかった」

「牙炎、来い!」

(応!!)


右手に超々幅広の大剣が現れた。

リスティアードが、念を送る(久しぶりだね、誉武号牙炎よぶごうがえん


(応)


(らん)が聞いてくる。

「おめぇ、牙炎とも知り合いなのか?」


「元々4聖剣はアースウェイグ帝国皇族が代々引き継いできたものだからね。」


「僕の中に眠る、祖先達の意識が言っているんだろうね、実際に僕が(・・・)見たのは初めてだよ」


「それじゃ派手によろしく頼むよ」

「あっ、でも壊す範囲は限定してね」


(らん)が牙炎を振り上げ「俺の一番不得意な事じゃねぇかよ」


牙炎を振り上げたまま、牙炎に真甦を練り込む。


先ほど、竜・威(りゅう・い)に大量の真甦を分けたばかりだが、嵐・守護(らん・がーど)の膨大な真甦量はまだ

まだ底知れずだった。


誉武号牙炎よぶごうがえんが赤く発熱する。やがて炎を吐き出し、オレンジから青色に変わっていく。


俺はすげぇ集中していた。


牙炎はいつもは炎を剣に(まと)い、まき散らして業火を発する。


しかし今は青白くまばゆいばかりに光っていた。


俺は牙炎を床に突き刺し念じた。

(この城を焼き尽くせ!)

瞬間、皇弟宮に無数のひびが入り、無数のひびから青白い炎がものすごい勢いで立ち昇った。


一瞬で皇弟宮は灰塵(かいじん)と化した。

もちろん中にいた死んだ人間達も、、、


廃墟ではなく純粋に何もない空き地に立っているのは2人だけだった。


風が舞い、大量の灰が舞い上がる。


2人は何も語らず、(しばら)く立ち尽くしていた。


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