3-18 織る
ダンダン・・・・・・ダンダン・・・・・・ダンダン・・・・・・・・・
季節は冬。
この前雪も降り雪に閉ざされた時期が今年もやって来た。
ダンダン・・・・・・ダンダン・・・・・・ダンダン・・・・・・・・・
今俺が作業しているのは、・・・・・筵織りだ。
織機?あああれね、まったく間に合わなかったよ。
結局秋の下月15日までに終わらなくてそれから冬までの2週間が1番忙しい期間なので一切手つかずなのだ。
そして冬目前にその農作業が終わると筵織りが手ぐすねを引いてたってわけさ。はは。
筵織りかなり大変で、1人用の敷物サイズを織るのに約2日かかる。慣れればもう少し早くなるだろうがそれでも1日1枚は厳しい。てかやりたくない。
はぁ疲れた、1度休憩しよう。
日は流れ上月も終わりに差し掛かった今日。
「これで・・・・」
ザクザクザク
「おぅわたーー!」
今年の筵織りのノルマが終わった。藁自体はまだあるが家庭用の分を残す必要があるからこれ以上は使えない。
いやー大変だった、毎日ダンダンダンダンと筵を織るのはな。だがこれで俺は自由だ。
終わった次の日には筵織り機の片付けや散らかった藁などの掃除をしてその次の日から織機製作に取り掛かった。
現在、織機製作はほとんどの部品を作り終え、組み立てと調整を待つ段階だ。
組み立てるのは手こずったとしても2日はかからないだろう。調整にどれ位日数がかかるか分からないが。
3日後。
「完成ー」
組み立て作業が終わり、織機が一応完成した。・・・・・ちゃうねん。決して組み立てに3日かかった訳じゃない。足りない部品作りに1日使ったんだ。・・・・ちゃうねん・・・・・
気を取り直して糸を用意しよう。
部屋を出て、リュートとフェリが紡いだ糸を積んでいるカゴから、
「糸貰っていくね~」
「んー、兄ちゃんも織るの」
「あー」
糸ゲットだぜ。母がいたらこう上手くはいかなかっただろう。
部屋に舞い戻り織るための準備を始めた。
「まあこんなもんかな」
縦糸のセッティング作業が終わった。少々手間取ったがあとは慣れるしかないだろう。
シャトルにも糸も巻きつけ、セッティングが全て完了し、軽く動作確認をしてから織り始めだ。
タン・・・タン・・・タン・・・タン・・・タン・・・・・
「・・・俺はなんてものを作ってしまったんだ」
素晴らしい。
そして今まで使ってた全手作業織機はなんてダメな子だったのだろう。今回の織機は実質縦糸を上下させるのと打ち込んで糸を整えるのを手と足で分けただけだ。他にも少々改造を施して連続生産能力を持たせているが本質的に違うのはそこだけだ。なのにこんなにも生産効率が違う一品となった。
一人称がかわる程驚きをもって更に作業を続けると、あっという間に糸が尽きた。
「さて、改良するか」
うん、今回の織機は実に素晴らしい。だが冷静な目で見るとミニチュアの時には気付かなかった点や強度的に気になる箇所が散見された。
効率的にはあまり上昇を見込める箇所ではないがやはり気になるものは気になる。
それから改良の日々が始ま・・・・らなかった。
うん、見つかっちゃった。
織った布もあったし織機の糸も外してなかったので一発だ。
元々渡すつもりだったがタイミングが違う。だが久々のコワい母降臨の前に俺の言葉など路傍の石に等しい。
しかもあの織機はあの空き部屋兼工房兼物置予備の部屋で組み立てた。サイズ的に分解しないと他の部屋に移動させれないため、分解と移動の許可が出るまで俺が何を作っているか監視されてるも同然だ。
ヒィィ~
「あっ、子ども部屋で作ればいいか」
最近あの部屋ばかり使ってたから忘れてた。解決しちゃったよ。
こうして1年にも及ぶ織機製作は母の強制介入により納得がいかないまま一応の終了をみた。・・・・・来年こそは必ず。
数日後、子ども部屋で小麦関連の作品の構想を練っていると、
「ウィル、壊れたわ」
母が子ども部屋の扉を開けて、そう言ってきた。
「何が?」
「織機よ」
はやっ!
部屋を出て壊れたらしい織機を見に行った。
「あぁ、確かに壊れてる」
縦糸を上下に分ける部品が一部破損していた。ここは細いから強度が気になってた箇所の1つだ。
「ここだけ?」
「ええそうよ。すぐ直るかしら」
「うーん・・・・」
「あらどうしたの?」
「直してもまたすぐ壊れると思うから改良しようと思ってね。でも今日のところは交換しとくね」
この壊れた部品は一応予備があるため交換することにした。
交換作業が終わった。
糸を外すのが面倒だったため無理な姿勢で作業したため腰が痛い。修理のしやすさも念頭に入れるべきか・・・
改良のほかにまた1つ項目が増えた。
こうやって今度は小麦関連の製作が遅れるんだろうなぁ。
予知か悟りか諦めかさてさて未来はどうなることやら。




