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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第2章 少年期編
37/93

2-15 冬の日々3

 冬も下月に入って数日、ミニチュア風車1号が完成した。予定通りオラン○風車風風車だ。

完成したと言っても翼の回転部とただまっすぐなシャフト、置くための土台だけでこれでは本当に回るだけだ。

他にポンプ部分とシャフトをクランク機構つきに変更しないといけない。


次にポンプ部分を作ろうと思う。

ポンプももちろんミニチュアだ。サイズ的に桶の水を吸い上げて放水する予定で製作している。

最も工作難度が高いと思われるのがピストン部品だ。この部品には蝶番も逆止弁もつけないといけないので直径数センチは欲しい。と言うかそれぐらいの大きさじゃないと作れそうにない。ピストンの外径にはゴムはないので鶏かラードラットの革を巻くつもりでいる。

水を吸い上げる筒の内径は1センチもあれば十分だ。ここで残念なのがここにはタケやササの類がないことだ。あれがあれば丁度良さげな大きさの物の節を抜けばいいだけだから格段に楽なんだけどな。他にも藁が使えないかと試してみたけど強度的に厳しそうだったためやめた。


そのため木材を延々キリで掘り続けて穴を空けるか、側面を削って張り合わせる必要がある。今回はキリの方にしようと思う、面倒なだけで簡単だしな。そのあとヤスリで穴を広げればいいだろう。

今度穴あけ用にドリルでも作ろうかな?



 今日は臨時学校の日ではなくて、2人への授業の日だ。

2人は木工に裁縫にと、いろいろ忙しいと思われるが着々と改変ひらがなを覚えつつある。

そして今日から少し算数を理科へ移行しようと考えてる。

2人に関しては最近算数の問題がマンネリ化し始めたためダレ気味なのだ。ここで勉強欲を減退させるのももったいないのも理由だ。


理科最初の題材は秤だ。

この秤はテコの原理の勉強用にニックの木工練習中に作らせた物で錘も同様に作らせた。


「2人とも今日からこちらの勉強をします」

机の上に秤を出した。


「それってボクが作ったやつ」

「そう、こちらはニックに作って貰った秤です。今日はこれを使った授業をします」

「秤の使い方くらい知ってるんだけど」


「そうなんだ。じゃあ聞くけど秤の左右が釣り合ってるとき何が等しいのかな?」

「重さ」

見事に誤解してるな、これは教えがいがある。


「ちょっと違う。正確に言うと左右の重さと中心からの長さの積が等しいんだ」

さらに正確に言うと重さじゃなくて質量だけどその辺もおいおい教えていきたい。

「重さと長さの積?」

「そうだよ。例えば・・・・・



1回目の理科の授業はこうして進みだした。




 次の日、

「みなさんこんにちは」

「「「せんせーこんにちはー」」」

相変わらず元気が良いな。その元気を俺にわけ・・・いらないな。


今日は臨時学校を開く日だ。サイコロの件はとりあえずこの前終わり、違うタイプの確率問題をしているせいか、ちょっと普段より出席者の年齢に偏りがあるが、出席欠席は自由だから気にしない。

「じゃあ宿題の答え合わせをするよ」





「・・となる。この問題の解説は以上です。合っていた人」

「「はーい」」


最近は問題毎に正答率を取っている。前は取ってなかったが俺が開き直ったことが原因だ。

俺があと数年間外に働きに出ないことがどこからか漏れたらしく、この臨時学校が常設される可能性が出てきたのだ。これは端末を置いているニックからの情報提供で初めて知った。

できるかぎり抵抗はしてみるつもりだが、もしそうなったときのために少しでも楽ができるよう統計データを取っている。つまりこれは保険だ。



このあとも宿題の問答え合わせと統計を取って、

「はい、では答え合わせは終わりです。何か質問がある人?」


質疑応答の時間だ。この時間は授業に関係ないこともよく質問?され話が脱線することもある。

もちろんサイコロの件程の脱線は珍しいが。


「魔術教えてー」

とか、

「あの野菜がにがいー」

とか、

「身長伸ばすにはどうすればいいの?」

とか聞かれたこともある。

魔術を教える気はないし、食材の感想を言われても困るし、最後の質問の答えは俺も知りたい。

実は俺の身長・・・自分で傷をえぐるのもなんだな。まだ成長期が来てないだけさ。


さて、今日はどんな質問がとんでくるかな?

「せんせー月ってなんですか?」


・・・今日の質問も内容が曖昧すぎる。もう少し要点を絞ってもらいたい。

「もう少し詳しく言ってくれるかな。月の何が知りたいの?」

「えーと、ほら月って日によって変な形してるじゃん。周りの星と違って」

ふーー、こういう疑問なら助かる。

何で月ってあるの?

とかいう疑問だったら困るからな。


ふむ、天文学は歴史上重要な学問の1つだから、少し触れておくのもいいかもしれん。この質問は採用だな。

それにこの質問にかこつけて授業の一環でみんなに日時計作りを手伝ってもらおう。

何人かは手伝ってくれるかもしれん。俺の人望度が分かる試金石だ。


これであとは温度計だけか。こっちはさすがに入手が難しそうだな。



「今の授業内容とは離れますが、少々月関係の勉強をしましょうか」



新たなる分野への挑戦が今始まった。




数日間投稿を休みます。

また書き溜めてから投稿しようと思います。

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