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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第2章 少年期編
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2-07 忙しき秋1

本日もよろしくお願いします。

「よく来たね。おや、ウィルは何か元気なさそうだけどどうしたんだい」

祖父母宅へやってきた。


本来フーホー粉砕装置1号は急いでも3日はかかる作業量。それを2日で終わらせたため今回はリヤカーの隅で眠りながらやってきた。起きたのはここに着く寸前だ。

それにしてもものすごく揺れる中よく寝れたものだ。おかげで疲れはあまり取れていないが。


「ちょっと疲れてるだけ」

「そうかい。そういえば今年はたくさん依頼が入ってるから頑張りな」

依頼?・・・ああ粉砕装置の件か。だめだ頭働かん。


その日は依頼の話も聞かず祖父母宅に着いてそのまま寝入った。



翌日確認してみると、本体の製作依頼が5件7台、修理依頼が1件、それに替刃の依頼も入っていた。


「えっ、そんなに依頼来てるの」

「そうさね。今年はあの御触れがでちまったから、食糧は作れば作れるだけ売れるからあの装置を入れることに乗り気な家庭が多かったってことだね」

そうだよな、そうでもないとこの件数はおかしい。


「その前にうちに依頼するより、近くの職人に依頼した方が早かったんじゃないかな。既に実物あるんだし構造もそこまで複雑じゃないから似たような物作れると思うんだけど」

別に俺が作らなくても著作権の類ないからボタンと同じように模倣し放題だからな。


その話をしてみると、既に職人と話をした人もいたらしいが、結局うちに製作依頼をしてきたらしい。詳しく聞いてみると、どうやら高くつきすぎるそうだ。去年は試作、実験の意味合いもありかなり安くしていたが、今回からは相応の値段であることも伝えたらしいが、それでも職人の方が遥かに高くつくらしい。と言う話を聞いた。


「ふーん、そうなんだ」


職人は生活が懸かってるからな、うちの様な利益度外視とまでは言わないが他に収入がないと普通はできない価格設定なのだろう。

それにしても職人はどれぐらいの額を見積もったんだろうか?あの粉砕装置の適性価格帯を知っておくのも大事なことなんだが。


「でも今年はラックが鶏舎へ行くからボクがリヤカーの担当だけど、どうすればいいの?」

さすがに製作作業とリヤカーは兼任できないからな。昼間はリヤカー、夜は製作なんて俺が過労死してしまう。もちろん比喩表現ではあだが。


「ラックには2日毎に行ってもらおうと思っとるよ」

「つまりボクはリヤカー担当の日と製作作業の日を順番にするってことでいいの?」

「そうさね。明日ラックが鶏舎へ行けるように話を通しておいてもらうから、今日はラックがリヤカーの担当、ウィルは製作をしてくれるかい」


なるほどね。えーとそれでどれくらいの日数で作れるかな?

7台だから単純計算すれば4日に1台で28日、隔日でしか作業できないから倍の56日。

・・・・・ん?

完全にこっちにいる日数を越えてるぞ。いやまて、3日に1台で42日。・・・これですらアウトだ。


「でも今ざっと計算したんだけど、7台も作る時間ないんだけど」

「やっぱりそうかい。一応みんなには今年の秋には間に合わないかもしれんと言ってはいるが、できるだけ作っていって欲しいさね」

ふー助かった。できるだけ、そうできるだけね。4、5日に1台ペースが精いっぱいだぜ。


「でも5台は欲しいね」

5台・・だ・・・・と。滞在日数約25日だから2.5日に1台程度かよ。これは無理だ。


「・・5台でも厳しいんだけど」

「そうなると、4台はどうだい?」

4台だと3日に1台程度か。ラックの手伝いがあって製作する場合の日数か。


「それもちょっと無理かな。数日間隔日じゃなければ出来ると思う」

それくらいが限界だと思うな。

「そうなると、・・・収穫が本格化するのがもう少し先だけど、慣らしに数日かかるだろうから後の方に数日取ろうかね」


俺は頷いて、

「とりあえず今日は修理依頼を片付けるよ。何処の家に行けばいいの?」

「いや、修理が必要なのは既に預かってるよ。納屋に置いてるからね」



 そのあと、みんなを見送り納屋に向かうと修理を待つ粉砕装置が組み立てた状態で置いてあった。


「穴が・・・」

納屋に置かれてある粉砕装置には穴が空いていた。

折れるとか割れるならまだしも何か堅い物を思いっきりぶつけないと穴なんてあかないぞ。大きな穴ではないが一体どういう扱い方をしたんだよ。


いろいろ確かめて考えた結果、多分接合しているクギが折れて、それを自前で修復して使ってたのかな?でもこの修復した人、下手か大雑把な人だな、修復がテキトーすぎる。その修復時に穴空いたんだろうな。

中のシャフトは大丈夫だし刃は少し摩耗してるが刃を削りだせば大丈夫だろう。

今回は外装の修理か。


外装は、板材を曲げやすくするため水へ浸けておく必要がある。熱湯とかで煮た方がいいだろうが水で十分だ。その気になれば乾燥木ですら軟化の魔術を掛ければ割れずに曲げられる。まあ水を含ませた方が魔術を掛けたときさらに曲げやすくなるから一応意味はある。手間もほとんどかからんしな。


今回の修理には板材が数枚あれば十分だからちゃっちゃと仕上げて、あとの時間は刃の量産でもしようかな。



みんなが昼休憩に帰ってくるころには修理が終わった。


昼休憩中に、祖母に修理した装置をどうすればいいか聞いてみると、川へ行くときに持っていくことになった。依頼主は修理が終わり次第知らせてほしいとのことだったが、うちと川の途中にある家庭なため、ついでに降ろしていくことになった。家に居なくてもどうせ近くの畑か川だろうという選択肢の狭さも決め手だ。



 昼休憩も終わり、装置をリヤカーの片隅に載せて出発だ。もちろんリヤカー担当はラックのままで、俺はただ付いて行って納品の確認をしたら家に帰って製作作業になる。


修理の依頼主はまだ昼の休憩中で在宅だったため、装置の受け渡しが行われた。受け渡し時に俺の方に少し質問が飛んできたが些細なことだった。


俺はみんなと別れて家に逆戻りし、替刃を製作に取り掛かった。

それにしても去年作った替刃まで在庫がなくなるとは、1年でどれくらい摩耗したり破損してるんだろうか?

替刃を作りつつそんなことを考えていた。



 次の日になり、俺はリヤカー担当でラックの鶏舎デビューの日になった。俺が起きた頃には既に装備を整えた新人養鶏猟師?ラック君が待機していた。

気合入ってるなーっと眠気を抑えつつ俺も畑に行く準備を始めた。


うちは祖父が鶏舎を所有している所謂経営者で、鶏舎近くに住む者を数人雇っているらしい。そしてこの時期は父も参加してるし、今年からラックも参加することになっている。

そうは言っても大人は弓ともしものとき用の近接武器を装備するのに対して、ラックの装備は俺お手製の盾とひ○きのぼうだ。ウソをつきました、イト○ギのぼうです。それももちろんウソでテキトーな木で作った棍棒です。


この辺の養鶏の話をすると、うちの近くの養鶏とは毛色が異なり、うちの近くの鶏(けい)は所謂ニワトリであるのに対して、この辺の鶏(けい)は話に聞くにダチョウとかチョコ○とかの所謂走鳥類のようだ。

それを聞いたとき、それは鶏(ニワトリ)じゃないから養鶏ではないはずだと思いはしたが言い直す気はない。こっちの単語を何となく前世知識に当てはめているだけだから、よく齟齬が生まれるため一応あまり気にしないことにしている。ア(イファルディア)和辞典とか和ア辞典を作る気もないしな。・・・ないんだからね。



 男衆3人を見送り、俺もリヤカーを引いて畑へ向かった。


「さて始めるかね」

母と祖母が収穫し始めた。俺はリヤカーにフーホーがたまるまで休憩だ。


しばらくしてリヤカーにフーホーがたまってきたため納屋まで運んだ。


「重い・・・」

やはりインドア派にこの量は厳しかったか。往復回数を増やさないといけないが次からはもう少し積載量を減らさないと昼までもたないな。

などと考えつつ運搬作業を続けた。



 昼休憩をはさみ、今度は川辺まで運搬だ。


ガタゴトガタゴト・・・


川へ向かいフーホーを降ろし、また家に帰りフーホーを運んでくる。


「はー、キッツいなー。誰か手伝ってくれる人いないかなー。チラっ」

とか、

「はー、人生とはままならん。誰か先達が導いてくれないかなー。チラっ」

とか、独り言(呪詛)を呟き(まき散らし)ながら運搬した。


とりあえず全てのフーホーを運び終え、次の運搬作業まで小休憩だ。



 休憩になりようやく人心地につけた俺は、周りの景色を見る余裕が生まれた。


川辺にはほかの家庭も作業をしている。

あそこは昨日修理した装置を納めた家庭だな。それにけっこう向こうには1、2、3台か。あれは春市のときに買いに来た人のところだな。やはり3台買っていくだけあって人数が多いし、装置との比を見るに使ってるのは子どもだな。

そう言えば去年よく遊びに来てたイースの家庭はというと、・・・分からん。さすがに水車小屋の向こう側は遠すぎて人はいるのは分かるが判別は不能だ。


休憩も終わり、今度はつぶし終えたフーホーをリヤカーに積みこむ。


ぬっちゃぬっちゃ、ぬっちゃぬっちゃ


積み込みを終え、家に運搬する。

家に着くとシートを敷いてその上につぶし終えたフーホーを積んでいく。

そしてまた川辺へ向かって積み込み作業。

この繰り返しだ。


ペース的に俺が遅れだして、途中から母とリヤカーとつぶす作業を替わってもらった。



 今日の作業が終わり家で休んでいると鶏舎組が帰ってきた。

何かラックがお疲れな顔をしていが、新人養鶏猟師ラック君は社会の荒波にでも揉まれたのだろう。


そんな疲れ顔のラックに今日はどんな感じだったか聞いてみたが、内容を聞くに普段手伝いに行ってるところと別段変わったことをしているようには聞こえない。

単純にはしゃぎ過ぎたのか?あんな朝早くから準備完了してたからな。いったい何時に起きたのだろう?


こうして作業2日目の夜が過ぎて行った。




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