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第二章 ルーベルト

ヴィストランドと呼ばれる世界


これは、その世界に一つの大きな変革が起こった時代の話

この時代、人類は絶滅の危機を迎えることになる



ヴィストランドにはメランデルという国があった

人口は2000万人程度


メランデル国の王城の近くには魔法学校があった

その日、16歳になったルーベルトは魔法学校に入るべく王城へと向かっていた



ルーベルトが向かっている魔法学校では次年に入学する人達を選ぶべく選抜試験が行われていた

メランデル国では魔力を引き出す人達を厳選していた

一部の限られた人達のみ魔法を使える体制を取っていた


それは国家に反逆する人達が出てきたことに起因する


かつてこの国では国民全員に魔法が普及していた

しかし、そのことにより一部の強力な力を得た人達が国家に対して反逆を企てることがあった

そういった国家反逆者の集団のことをこの国ではモーディンと呼んでいる


国はモーディンに対する対策として二つの決定をした

一つは、魔力を引き出すのは一部の選ばれた人達だけに限定すること

つまり普通の国民の多くは魔法を使うことができないことになる


そしてもう一つは、国家に無許可で魔力を得ている人達を取り締まるべく、国の管理の下、強力な魔導士隊を育成すること


つまり魔法学校は、魔法の研究に加えて、モーディンと戦うための魔導士を育成する役目も担っていた


必然、魔法学校に入学できる人達は、潜在的に強い魔力を持つ人達が選ばれることになる

そして潜在能力を確認する手段として魔法石が使われている

魔法石とは、魔法を使えない人であっても、それを身に付けるだけで特定の魔法の効果を得られる魔法の石である

通常は指輪に入れた宝石の形で作られる


効果は石によって様々だが、それを身に付けている間は魔法の効果が得られ、その代償として継続的に自身の魔力を消費する

指輪の効力が発揮されている間、普段は黒い魔法石は透明となるが、魔力が尽きると再び黒い石に戻る

この持続時間が潜在能力を表す指標となっている


選抜試験では通常、わずかに視力をアップする魔法がかけられた魔法石が使われる

特に悪用される心配がないからだ

そして、その年も各地から集まった応募者に試験が行われた

その年は1000人ほどの人が集まってきていた

そして受験者は全員が16歳である

ルーベルトもその一人だった


合格人数は100人に限定されていた

受験者全員が同時に指輪をはめ、指輪の効力が持続した上位100人だけが合格となる

また、合格者が決定されたあとも効力が終わるまでは指輪を身に付けることになっている

最終的な持続時間を確認するためだ


そして選抜試験が開始された

数分で魔力を使い切る人達も多い中、1時間や2時間は平気で持続する人達もいた

最終的に5時間が経過した時点で100人に絞られた


しかし、日が落ちても指輪の効力が切れない人物がその年は4人いた

ルーベルト、イーヴァ、オルヴァルト、エディルスの4人だった

しかもオルヴァルトは王族だった


4人は学校内に招かれ、不正が無いよう監視されながら宿泊することになった

学校内で食事が提供され、その後は同じ部屋に寝ることになった

4人の中でイーヴァのみが女性であったが、扱いは他の3人と同じだった


4人はそれぞれ学校に入った後にやりたいことを話し合っていた

学校で研究する内容は様々である

魔法はある程度は系統化されている


イーヴァが最初に答えた

彼女は栗色の少し長めの髪をしており、目がパッチリとしている女性だった


「私は生命力に関する魔法を研究したいと思っている」


「おお」


他の3人が感心する

生命力に関する魔法は基本的な魔法系統ではあるが、用途は様々であり、治療から農業に至るまで応用が広がっている

それ以外にも未知の使い方も研究されている

また、かつて魔法を生み出したとされるエーリックもその分野を一番研究していたという話だ

ちなみに魔法学校の中央付近には等身大のエーリックの像が建てられている


次に答えたのはエディルスだった

背がやや低めで短髪の赤髪が逆立っている


「俺は魔力の増幅に興味がある。増幅魔法によって自分や他人の魔力をわずかに高められるらしいが、その限界は年々高まっている。無限の可能性があると思わないか?」


「おお」


これにも他の3人が感心した

研究している人の数が少なく、あまり研究が進んでいない分野だ


続いてルーベルトが答えた

黒よりの灰色の髪、その他は中肉中背で特に特徴と呼べるものはない


「俺は時空魔法だな」


「え?」


他の3人が驚く

時空魔法は存在は確認されているが、その難易度は他の魔法に比べて格段に高いとされている

実際に研究は全く進んでいない

使えるものもいない

人類にはほとんど不可能ではないかとすら言われている絶望の分野だ


「そうか、お前もか」


そう言ったのはオルヴァルトだ

高身長で灰色の長髪、少し鋭い目つきをしている


「実は俺も時空魔法を研究したいと思っている」


それを聞いてイーヴァとエディルスは目を丸くするものの、ルーベルトは違った


「おお、それは楽しみだな。もしかしてライバルってことになるのかな?」


「違うだろ。一緒に困難に立ち向かう同志だ」


「ああ、そうか、そうだな」


そう言って、ルーベルトは手を差し出す


「なんだ、それは?」


オルヴァルトはいぶかしげな顔をする


「握手だよ。一緒に頑張ろうぜ」


それを聞くとオルヴァルトは渋々その手を握った



翌朝、イーヴァを除く3人はまだ魔法石の効果が持続していた

ここまで来ると新記録が狙えるらしい

3日目まで持続した人物は過去にいなかった


そして、その壁をこの年は3人が突破した

学校にいる全員がその事を聞き、不正を疑う者も多く出てくる騒ぎになった

しかし3日目の途中で3人とも効果が切れた

一番長く続いたのはルーベルト

そして、エディルスとオルヴァルトはほぼ同時だった


エディルスはルーベルトに対し


「まだ負けたわけじゃないぜ?俺は研究で誰よりも先に行く」


「別にこれは勝ち負けじゃないだろ」


ルーベルトが応じると


「いいや、オルヴァルトはお前を同志だと言ったが、俺はお前をライバルとして認定する」


エディルスはそう答えた

ルーベルトは


「わかったよ。これから一緒に研鑽していこうな」


そう答えた

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