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たとえ親でも安心できない
せっかく点滴が外れて頻尿が収まったのに、吐き気でずっと気持ち悪い。相変わらず味覚障害で、食べ物の味がしない。
午後に、千歳が俺の父親を連れてきた。そうか、見舞いには来るのか……。
『一度来たいって言われてさ。大丈夫か?』
「大丈夫」
俺が頷くと、父親はおずおずと言った。
「一応顔を見ておこうと思って……きつくないか?」
「ちょっと吐き気するけど、まあ平気。きつくても頑張るけどね」
今現在すでにきついが、俺は虚勢を張った。それからまた言った。
「家族で呼べるのがお父さんだけだからさ、なんかあった時よろしくね」
「うん……」
「悲しいけど、千歳は同居人で家族じゃないからさ」
「わかった、いつでも連絡つくようにしておけばいいんだな」
「お母さんは来させないでよ」
「秘密にしてるし、上島ミツさんにもよろしく言ってある」
「わかった」
千歳が俺のそばに来た。
『会えなくても、ワシ、できるだけのことするからな』
「ありがとう、いつも本当に助かってる」
千歳の言葉は本当にうれしかったが、面会のあと俺はぐったりしてしまった。食べれてないし、貧血もあるし、元気になる要素が何にもないんだよな……。




