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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
23シーズン

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番外編 金谷千歳の思い悩み

 金谷神社の神楽は本殿でやった。金谷一族がみんな集まった中、神楽が始まった。

 神楽は荘厳だった。天狗の仮面をつけた金谷司さんと、細面をつけた金谷牡丹さんが大地を踏みしめるようにゆっくりと舞う。小太鼓や大太鼓、笛の響きも良かった。

 で、神楽が終わってから社務所で宴会。これが楽しみだった。

 寿司がたっぷり詰まった寿司桶が配られる。それからケータリングのローストビーフ、エビフライ、スモークサーモン、テリーヌに唐揚げにフライドポテト。ポテトサラダとマカロニサラダもある。

 安吉さんが音頭を取って、宴会が始まった。ワシは二十歳の姿で来てたので、牡丹さんがビールを注ぎに来た。


「どうぞどうぞ」

『ありがとー! じゃあワシも』


 牡丹さんの席が近くだったので、ワシも牡丹さんの席に行って、グラスにビールを注いだ。

 日本酒もワインも、ハイボールもレモンサワーもある。こりゃ酒宴だな。

 お酒を注がれたり注いだりして、後は遠慮なく飲み食いしていたら、安吉さんが隣に来た。ワシに優しくしてくれるけど、その実は面食いなだけの爺さん。


「楽しんでいらっしゃいますか!」

『楽しい! おいしい!』


 司さんも隣に来た。


「来てくださってありがとうございます」

『ううん、うまいもの食べられてうれしい』

「それはよかった。最近いかがですか」

『閻魔大王様の件は順調に進んでる。アタリの子の手がかりほしいけど、今は情報待ちな感じ』

「暮らしはいかがですか?」

『楽しい! でもなあ、和泉がのらくらして全然結婚に動かないんだよなあ』


 ワシはため息をついた。


「そうですか。そう言えば、狭山さんに聞いたんですが、和泉様、こちらでいい人を探しましょうかというのを断ってらっしゃるんですよね」

『ええ!?』


 ワシはびっくりした。


「だいぶ前ですが」

『だいぶ前……』


 じゃあ、その頃には好きな人がいたのかな?やっぱりその人と結婚したいのかな? でも、その人は恋愛が分からないから迷惑かけたくないって、和泉全然動かないし……。

 安吉さんがだいぶ酔って言った。


「いやー、千歳さんみたいな人いたら、結婚なんてしないですよ普通の男は!」

『ええ!?』

「千歳さんと一緒に暮らしてるんじゃ、そんな気になりませんって!」


 南さんがあわててワシと安吉さんの間に入った。


「そ、それは和泉様が千歳さんと暮らして幸せってことですからね! 今に満足してるってことですからね!」


 ワシはショックだった。


『和泉、ワシがいるから結婚しないのか!?』

「いや、なんというかその……」

『ワシ、やっぱり和泉のコブか!?』

「そ、そういうわけでは……」


 南さんは何とかとりなそうとしてくれたが、言葉が濁りっぱなしだ。

 和泉……ワシがいるから、好きな人と結婚できないのか!?


   .。o○○o。.


 帰りはあかりさんが送ってくれたけど、ワシはずっと意気消沈してた。和泉に、とても聞けない。ワシがいるから、好きな人と結婚できないのかって。

 そうだって言われるのが怖い。言われなくても、和泉は優しいから本当はそうなのに違うよって言うんじゃないかって思ってしまう。

 家に帰ったら「お帰り」と和泉が出迎えてくれて、そして首を傾げた。


「どうしたの? なんかあった?」

『えっ……い、いや何でも! 神楽よかったし飯もうまかったぞ!』

「そう? ならいいけど。お風呂沸いてるよ、俺先にお風呂もらったから」

『うん……』


 テンション低いの、和泉に見抜かれちゃった……そうだよな、長い付き合いだもんな……。

 体洗って湯船に浸かってからも、ワシはずっと考えていた。

 ワシがいるから和泉は結婚できないのか?じゃあ、ワシがいなかったら……?

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