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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
21シーズン

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番外編 金谷千歳と頼み

 今日は手をかけた料理を作りたい気分だった。毎日寒いし、あったまるロールキャベツにしようと思う。

 ひき肉を練ってタネ作って、キャベツ剥いて、葉をレンジで蒸して。柔らかくなったキャベツでタネを巻いて、トマト缶でよく煮込む。それとナスの煮浸しを作って夕飯に出したら、和泉はすごく喜んでくれた。


「いやー、ありがたい。こんな手間のかかるもの、一人じゃ絶対作って食べないよ」

『そうだろうそうだろう、手間かかったんだから心して食え』


 自分でもロールキャベツを食べる。うん、肉の旨味を吸ったキャベツに、トマトの酸味がたまらない。

 食べ終わって、和泉が皿を洗い、ワシは風呂に入る。風呂上がりにチョコミントアイスを食べながらスマホでmisskey.ioの自炊チャンネルを巡るのが、幸せのひととき。

 自炊チャンネルのログをたどってると、雁ヶ音さんが夕食の画像を投稿してた。フライパンごとドンと置かれたトマトのワンパンパスタと、取り皿が2つ。

 ん? 2つ? 一人暮らしって言ってたのに、友達でも来てるのかな?

 画像と一緒に投稿された文章には、こう書いてあった。


「何があってもいつも通りご飯作って食べる、これが大事」


 ……なんかあったのかな?

 少し心配になったけど、首突っ込んでいいことなのかなあ……?

 とりあえず、雁ヶ音さんの投稿に「その通り」のリアクションをしてみた。

 何か困ったことが起きてるのか聞いてみようか、それとも個人的なこと詮索しちゃいけないだろうか。考えていたら、雁ヶ音さんからmisskeyでダイレクトメールが来た。


「こんな事いきなり頼んですみません、力を貸していただけませんか?」


 やっぱり何かあったんだ!


『どうしたんですか?』

「上島家をご存知ですか、私、本名は島初音って言って、そこの親戚なんです。それで、今上島家の分家の上島月美ちゃんって子、高校生なんですが、うちに逃げてきてるんです」


 うわ、雁ヶ音さんが本名教えてくれるのはいいことだと思ってたけど、そういう事態じゃないっぽいぞ!


『逃げてきてる? どういうことですか?』

「上島家の跡取りは、ちっちさんを攻撃した上島八重穂刀自の孫で40バツイチなんですけど、月美ちゃんずっとそいつと結婚しろって圧かけられてて、それで今日そいつにレイプされるところだったそうなんです、お父さんに騙されて」

『レイプ!?』

「妊娠させて逃げられないようにしようとしたってことで、月美ちゃん逃げて、家出して、いまうちに転がり込んで来て」


 す、すごいことになってるけどワシはどうすればいいんだ。


『ワシ、上島家の跡取りを張り倒してくればいいですか?』

「その、ちっちさん、というか金谷千歳さんがかばってくれる問題だってことにしたいんです。そう言うことにしてから、私の母とか、事情を知ってる人に連絡したくて」

『わかりました、その月美ちゃんって子にも話聞きたいし、遅いけどそっちお邪魔してもいいですか?』


 こんな事DMだけで済ませられない。直接会って事情聞きたい。

 和泉が風呂から戻ってきて、ワシが顔色変えてるのを見て、「どうしたの?」と声をかけてきた。


『か、雁ヶ音さんが大変で……上島家の跡取りに強姦されかけた子を匿ってる』

「ええ!?」

『ワシに庇ってくれって言ってきてて、ワシ遅いけど雁ヶ音さんちに行って事情聞かせてもらえませんかって聞いてて』


 そんなこと言ってるうちに雁ヶ音さんから返事が来た。


「住所送ります、本当に申し訳ありませんけどどうか来てください!」

『行きます! タクシー飛ばして行きます!』


 そこまで返事してから、ワシは和泉を見た。雁ヶ音さんにかばってくれと言われてるし、かばってあげるつもりだけど、うまい方法全然思いつかない。和泉も一緒に来てくれたら、何か助けてくれるんじゃないだろうか……。

 和泉は、ワシの考えを読み取ったみたいだった。


「俺も必要なら、行こうか?」


 ワシはパッと気分が晴れる思いだった。


『来てほしい! えっと、この辺のタクシー、検索すれば電話番号出るかな?』

「待って、番号登録してる。今かけるよ」


 和泉がすぐタクシーを呼んでくれて、ワシらは来たタクシーに乗って、まっすぐ雁ヶ音さんちを目指した。

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