何かでファンサをしときたい
俺のファンから報告が来た。ローズ系アカウントは潰しまくってるものの、フリーメールで登録できるサイトもあるので、いくらでもアカウントを作れるため、以前にもましてもぐら叩きとのことだ。
[それで、役に立つかと思って、ローズ系アカウントと、今わかる範囲の購入者リストをまとめておいた]
ローズ系アカウントから買った人のってこと?
リストのファイルを開いてみると、名前も住所もバッチリ載っていて、俺はひっくり返りそうになった。しかし、役立つものではあるんだよな……。
「この件に関しては、ありがとうって言っておくよ。でも、和束母娘関連じゃないことには、無法なこと本当にしないでね」
[了解した]
俺は大きくため息をつき、とりあえずもらったリストを金谷あかりさんに転送した。
金谷さんからは、「ひとまずこのリストを当たってみます」という返事がきた。
「私は和泉さんのファンの言うことは事実だと思っています、大変助かりました」
「だいぶ不審人物ですけどね」
「できれば、私直接和泉さんのファンの方とやり取りしたいんですが、連絡先を教えてもらうことは可能ですか? ローズ系アカウントと購入者リストに更新があったら、すぐもらいたいんです」
それはそうだな。
「本人に直接やりとりできないか聞いてみます」
そういうことで、俺のファンに金谷さんの意向と連絡先を伝えたのだが、難色を示された。
[あなたとやり取りする機会が減るから、いやだ]
「別にいつだってやり取りするよ、俺」
俺はそう返事してから、少し考えた。俺のファンってことは、俺に何かしてもらえば喜ぶってことかな?
俺はさらにメッセージを送った。
「なんかで埋め合わせするよ、ファンサって何すればいいかよくわかんないけど」
少し時間が経って、返事が来た。
[では、そのうちファンサをお願いしたい。具体的な内容はこれから考えるが、できるだけあなたの負担にならないようにする]
「それは助かる」
そこまで気を使えるなら、俺のスマートウォッチまで観察しないで欲しいけども……。
俺がファンサすれば協力してくれる人ではあるんだよなあ。でも、便利な駒扱いはしたくない。相手は人なんだから。