表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第17シーズン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

813/1104

閑話 夏の花

 夜、狭山さんのDiscordサーバーで歓談してるとき。狭山さんから要請があった。


「和泉さん、だいたい毎日散歩してるんですよね?」

「そうですね」

「僕、運動不足極まってて、歩いたほうがネタも出るし、一度和泉さんの散歩付き合わせてもらえませんか?」

「いいですよ、でも朝早いですが」

「何時くらいです?」

「朝5時半出発ですねえ」

「5時半!?」


 驚かれたが、それなりに理由があるのだ。


「この時期だと、それくらいじゃないと暑くて。もっと暑い日は5時です」

「まあ、そうですね……」


 そう言うわけで、翌朝5時半、千歳と一緒に坂の下のマンションまで狭山さんを迎えに行った。狭山さんは眠そうな顔で出てきたので、俺は聞いた。


「大丈夫です?」

「起きたばっかなんで……寝たことは寝たんですが」


 千歳が元気に言った。


『歩けば目ぇ覚めるよ!行こう!』


 狭山さんはメガネを上げて目をこすりつつ言った。


「どういうコースですか?」

『朝顔見に行って、ひまわり見に行って、カンナ見に行って、芙蓉見に行って、ランタナ見に行く』

「へ?」


 訳わかんなくなってる狭山さんに、俺は説明した。


「祖母に贈る花の写真撮ってるんで、いろんな生垣とか庭先の、花撮っていい場所巡ってるんですよ。朝顔とか、今ちょうど咲いてる花なんで」

「はあー、なるほど……」


 この辺は住宅街で、庭やフェンスからこぼれるように咲く花が結構ある。公園も探せば結構花がある。花一輪一輪を接写すると、結構見られる写真が撮れるのだ。

 俺は狭山さんに言った。


「ここから近いのは、公園の近くの芙蓉なので、まずそれ見に行きましょう」

「うわー、近所の花マップ頭に入ってるんです?」

「まあ多少」


 薄紫の芙蓉、少し盛りを過ぎたひまわり、元気に咲く藤色の朝顔、真っ黄色に咲くカンナ、可愛らしく小さく咲くランタナ。そんな花々の写真を撮りながら行くと、狭山さんは感心していた。


「近所にこんなに花があるなんて、これまで目に入りませんでしたよ……」

「まあ、気をつけてみないとわかりませんよね」


 千歳が笑って言った。


『和泉、すっごく写真うまいんだ、老人ホームでも会社でも褒められてるんだ』

「えっ、見せてください」


 スマホ撮りなので大したものではないが、俺が狭山さんに写真を見せると、えらく感心された。


「はー、うっま! こんなきれいに撮れるんだ!」

「まあ、多少は慣れてるので」

「これは、おばあさんに送ったら喜ばれますよ」


 俺は照れてしまった。


「なんか、引き伸ばして張ってくれてるみたいなんですよね、老人ホームの中で」

「すごい……」


 友人と好きな人とで、連れ立って散歩。千歳と会うまで、俺の人生にこんな事が起きると思わなかったな。

 願わくば、閻魔大王様からの頼み事も、和束母娘のことも、大きなトラブルなく解決できますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ