神の知らせを見定めたい
千歳は和束ハルとの直接対決を引き受けたが、しかし。
『今すぐって話じゃないんだよなあ』
「相手が見つからなきゃ話にならないもんね」
緑さんが帰っていった後、俺たちはそんなことを話し合った。
『うーん、とりあえず、米たくさん食べてよく寝て霊力蓄えとこう。組紐作りもあるし』
「そうだね、俺のお金でお米買っといて、子狐ちゃんたちに渡そうか」
俺のお金で千歳にお供えをする、が千歳が強くなるのに重要という話だし。
『うん、ありがとう』
その夜、九さんがいっしょに夕飯を食べようと誘ってきた。運ばれてきた食事は、白菜の味噌汁、イワシの丸干し、セリのおひたし、カブの炒め物。五葷も獣肉も抜きなのに気づいて、俺はあれっと思った。前この食事だった時は、確か宇迦之御魂神様が会いに来るって……。
案の定、九さんが切り出したのはこういうことだった。
「宇迦之御魂神様がな、近々お主らに会うとおっしゃっている」
宇迦之御魂神様は九さんの上司で、俺たちは助けてもらった並々ならぬ恩がある。
俺は思わず九さんに聞いた。
「え、どういったご用で……」
『和束ハルのことか?』
千歳の言葉に、九さんはうなずいた。
「くわしくはおっしゃらなかったが、おそらくそうじゃろうな」
『いい話か? 悪い話か?』
「わからぬ。宇迦之御魂神はお主らの味方じゃが……。しかし、わざわざお会いになると言うと、悪い知らせかもしれん」
『そっかあ……』
「そうですか……」
いい知らせか、悪い知らせか。後で思えば、悪い話を踏まえての助言、というのが一番正しかった。




