表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第10シーズン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

540/1096

番外編 金谷千歳の反省

 電車の中で、和泉に「今のは俺の信用に関わることだったよ!」ってすごく怒られた。入社したての若い女の子にあんなことしたら、下手したらセクハラだって。セクハラってことになったら、和泉の立場がすごく悪くなるかもしれなかったんだって。

 ワシが今日、透明になってついてきてて、ずっと和泉の様子を見てたって言ったら、和泉はまた怖い顔で怒った。


「こんなことされてさ、俺さ、帰りに千歳にお土産買っていこうとか、どんなケーキなら喜ぶかなあとか考えてたけど、それ全部吹っ飛んだからね。黙って付け回すようなことまたするんなら、俺、千歳を信用できないよ?」


 それは……そうだよな。信用できないよな……。


『だからお前、ワシに好きな人教えてくれないのか?』

「……それとこれとは別だけど、二度とあんなことしないで。俺、千歳を信用していたいんだよ。こんなこと、二度としないで」


 和泉は、ワシが初めて見るような怖い顔で、強い口調だったので、ワシは縮こまってしまった。


『はい……』

「嬉野さんも、あんな事いきなり言われて絶対困ってるからね。女の人にいきなりあんな事言うの失礼だからね。二度とあんな風な誘いをしないで」

『だってお前、ほっといてもなんも婚活やらないんだもん……』


 和泉の眉がまたつり上がった。


「それは他の女の人に迷惑かけていい理由にならないよね?」

『はい……』


 ワシはまた縮こまった。


「今回のは、俺の仕事に影響出かねなかったんだからね? 俺、怒ってるんだよ?」

『ごめんなさい……』


 うつむくと、和泉はため息を付いた。


「じゃあ、もう黙って俺を付け回さない、俺の周りの女の人に変なちょっかいを出さない、そのふたつ、約束できる?」

『……約束する』


 しょぼくれたまま頷くと、和泉は「じゃあ、よろしい」と言った。


「この話はこれでおしまい。千歳、夕飯食べたの?」


 和泉はいつもの優しい顔に戻った。


『食べてない』

「じゃあどっかで食べる? 買って帰る?」

『いらない……』

「いらなくはないだろ、いつもあんなに食べてるのに」

『今日はいい……』


 和泉がこんなに怒ることあるなんて、ってすごくびっくりして、ショックで、何か食べる気になんてなれない。


「今の話はあれでおしまいだから。普通にご飯食べな」


 そう言われても、食欲出ない。


『……家帰って、腹減ったらなんか食べるから、いい』

「そう」


 和泉はそっとワシの頭をなでた。ワシ、こんな優しい奴を、あんなに怒らせちゃったのか……。


『ごめんなさい……』


 泣いて許してもらうつもりなんてなかったのに、目から涙がこぼれてしまった。


「泣くことないから。二度としないって約束してくれただろ?」

『でもごめん……』

「…………」


 和泉は、しばらくワシの背中をポンポンしてくれた。ワシは、こんな優しくていい奴を怒らせちゃったと思うと、胸がぎゅっとして、なかなか泣き止めなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ